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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年9月


出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。
決して《育てやすく》はない朔との生活の中で、
椿は彼を他の子どもと比べていることに気づいて――。

                    (中央公論新社HPより)



椿は出奔した妹の子どもを2歳から小学2年生になるまで育てた。
本当の親じゃなくても、ちゃんと愛情をもって・・・。
良い伯母さんだな~と感心した。

そんな椿が育てたから、朔もいい子に成長した。
少しくらい勉強ができなくても、他の子と同じようにできないことが
あっても、その子にしかない何か優れたものはあるはず。
朔は人のことを思いやる優しさに優れていると思う。

幸せに生きていくためには、案外そういうことのほうが勉強がすごく
できることより大切なんじゃないかな?と思う。


最後は、新しい生活環境で朔が楽しそうにしている描写にほっこり。


                      ★★★★★
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発行年月:2019年4月


 奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。
『大人は泣かないと思っていた』で話題沸騰の著者が贈る感動作!

大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ――? さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

                    (ポプラ社HPより)





あかつきマーケット付近に暮らす人々の色々な日常。


色々な重たいものを心の中に抱えている人たちに、ふとした言葉が今までと違った
考え方に導いてくれる瞬間があり、そのことからその後のその人の生き方まで
変えてくれる。
そんな瞬間を幾つか違う場面で読ませてくれる。

ひとつのお話のなかで、「ああ、この人、この先良い方向にいくといいな」と
思って読み終えると、別の話で、その後の様子が垣間見えたりしてホッと
したりした。


そんな話の一コマで、あかつきんが出現する。

そして最後にわかった、あかつきんの中に入っていた人のこと。

中に入っていた人も、あかつきんになって感じたことや見たことで今までの
物の見方や考え方が変わったんだなぁ~。



温かい気持ちになれるお話だった。


                      ★★★



発行年月:2018年11月


 長谷眞32歳、通称ハセ、陰気な男。相棒の沖遼太郎、通称沖、30歳だけど可愛い。
コンビを組む二人は違法カジノで働いていたが失敗ばかり。今度は偽宝石売りでも騙した女に騙され無一文に。切羽詰まったハセは商店街にたむろする老人たちを見て閃いた。これからは、年寄りだ。
話題作『みちづれはいても、ひとり』に続く、心揺さぶる書き下ろし長編。

                   (光文社HPより)



長谷と沖。

2人のコンビは最高に愉快。

人を騙してお金を儲ける。
そんな生活を借金のために続ける2人。
でも、うまく行かず・・・・老人を騙そうと計画を企てる二人。


老人たちに近づく動機は、犯罪だけど、二人のどこか人をホッとさせる雰囲気は
老人たちには大切な存在になっていくという展開。

沖の母親もターゲットにする二人だけど、母親が認知症と知ると
病院に付き添ったりして、なかなかの孝行ぶり。


そして、二人は気づく。
詐欺師よりもっと自分たちには別の生き方があると。


心温まる話でした♪

表紙の絵は長谷だけど、その後ろは沖でこちらも涙ぐんでいる。
なんともかわいい^m^




                         ★★★



発行年月:2018年7月


 時田翼32歳、農協勤務。
大酒呑みで不機嫌な父と二人暮らしで、趣味は休日の菓子作り。
そんな翼の日常が、庭に現れた柚子泥棒との遭遇で動き出す──。
人生が愛おしくなる、大人たちの「成長」小説

                    (集英社HPより)



母親が11年前に突然、出奔して離婚届が送られて・・・
以後、酒飲みで飲むと威張り散らす父親と二人暮らしの翼。

なんだか、暗い話だなぁ~と最初は、思ってしまった。

翼は、そんな状況でも母親を特別、恨むでもなく、淡々と日々を過ごしている。

そんなある日、出会った隣家の老女・田中絹江の孫・小柳レモン(22歳)。

翼の父親と田中絹江は犬猿の仲だけど、息子と孫は、良い関係になっていく。

翼の小学校時代からの親友・哲也がいいキャラ。
いい友達がいるって大切なことだなぁ~と思う。


翼の周りの人たちの事が連作形式で語られる。

田舎の狭い生活圏なので、窮屈さは時にあるけれど、こんな人間関係が
築かれているのなら逆にいいかも。


みんなそれぞれたまに泣きたいことはあっても、
なんとか周りの人に勇気づけられたりしながら生きているんだなぁ~。


翼が小柳さんと幸せになれるといいな。
鉄也の作戦で、そうなりそうなラストは、微笑ましかった(^^)


いいお話でした。


                      ★★★★



発行年月:2017年12月

羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。
これは、破綻した嘘を突き続けたある家族の、素敵な物語。
若手実力派作家・寺地はるなが描く、ちょっと変わった家族小説が登場!

                 (中央公論新社HPより)




羽猫家の人々の30年間を長男・山吹を中心に描いている。


始まりは1988年。
山吹8歳、姉の紅は10歳。
弟の青磁は6歳・・・・生きて居たら・・・。

青磁は4歳の時に防火用水槽の中で溺死した。
母親・雪乃は、それから、嘘の世界に逃げる日々が続く。
山吹は、そんな母親の嘘に寄り添う。
青磁になりきって手紙を書くこともその一つ。
姉の紅はそれについて批判的だけど・・・。


父親は妻から逃げるように、愛人の元に通う。

高校生になった紅は20歳も年上の既婚者と付き合い、やがて家から出て行く。

祖母・澄江は唯一、家族の中では普通。
雪乃は、幼なじみの子どもで、幼なじみが残した雪乃を託された。


色々な事がある羽猫家。
それぞれが現実逃避しながら、なんとか前を向いて生きて来た。

山吹は良き理解者の頼と巡り会い、結婚。
家を出たままだった姉のことが気がかりだったが、幸せそうな生活を
送っていると知る。

みんな時を経て、平穏な生活を送れる環境にいることにホッとした。

山吹は優しくて強い。
きっと良い家庭を作って行きそう。

重苦しくなりそうな状況の家族の30年間をユーモラスに描いていて
楽しく読めた。


                       ★★★★
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