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発行年月:2017年12月

羽猫家は、みんな「嘘つき」である――。
これは、破綻した嘘を突き続けたある家族の、素敵な物語。
若手実力派作家・寺地はるなが描く、ちょっと変わった家族小説が登場!

                 (中央公論新社HPより)




羽猫家の人々の30年間を長男・山吹を中心に描いている。


始まりは1988年。
山吹8歳、姉の紅は10歳。
弟の青磁は6歳・・・・生きて居たら・・・。

青磁は4歳の時に防火用水槽の中で溺死した。
母親・雪乃は、それから、嘘の世界に逃げる日々が続く。
山吹は、そんな母親の嘘に寄り添う。
青磁になりきって手紙を書くこともその一つ。
姉の紅はそれについて批判的だけど・・・。


父親は妻から逃げるように、愛人の元に通う。

高校生になった紅は20歳も年上の既婚者と付き合い、やがて家から出て行く。

祖母・澄江は唯一、家族の中では普通。
雪乃は、幼なじみの子どもで、幼なじみが残した雪乃を託された。


色々な事がある羽猫家。
それぞれが現実逃避しながら、なんとか前を向いて生きて来た。

山吹は良き理解者の頼と巡り会い、結婚。
家を出たままだった姉のことが気がかりだったが、幸せそうな生活を
送っていると知る。

みんな時を経て、平穏な生活を送れる環境にいることにホッとした。

山吹は優しくて強い。
きっと良い家庭を作って行きそう。

重苦しくなりそうな状況の家族の30年間をユーモラスに描いていて
楽しく読めた。


                       ★★★★
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