忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[2115]  [2114]  [2113]  [2112]  [2111]  [2110]  [2109]  [2108]  [2107]  [2106]  [2105



発行年月:2018年2月


 

「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」
自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。
代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。
医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという――。 
簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。

                   (講談社HPより)



5つの章から成る、短編連作。

早死にする家系の土岐一族。
職業は皆、医師。

最初の章は、37歳で亡くなる土岐祐介の話。
親友の手島が生前、祐介から聞かされていた言葉を思い出す。

その後の章では、土岐家の人々の話。

祐介の父・冬司は、49歳で胃がんで亡くなる。
祐介の祖父。伊織は52歳で登山中に滑落死。
祐介の曽祖父・騏一郎は55歳で肝硬変で亡くなる。
祐介の大叔父(祖父の弟)・長門は50歳入浴中に脳梗塞で溺死。
長門の息子・覚馬は52歳で肺がんで亡くなる。


そんな中、唯一長生きしたのは、祐介の兄・信介。
91歳で施設にいるということで、最終章で88歳になった手島が会いに行く。
その場面が、なんだか衝撃的。
時は2068年の設定。
癌はもはや怖くない病気。手術しなくても薬で治るようになっている。

80歳で亡くなるのは早死と言われる時代。


信介は114歳で同じ施設内にいる母親より先には逝けないと言う。
その姿は、なんだか狂気じみていて
長生きは幸せなことなのか??と疑問が沸く。


著者が問題提起のように書いた<希望の御旗>は、考えさせられた。
治療方法には色々あるけれど、何が何でも延命は、やめて欲しい。
こうなったら、もう自然のままにしてほしいとか、ちゃんと自分の最期を
子ども達に伝えておかなきゃ。

土岐冬司の最期は、なんだか皮肉。
自分が信じていた治療を体験して、間違っていたかもしれないと気づくとは・・・・。


医師の著者が書く物語は面白い!
次回作も期待します!


                     ★★★★★

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 6 7 9
10 12 15
17 19 20 21 22 23
25 26 27 28 29 30
31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]