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読んだ本の感想あれこれ。
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51Nwd-CEkGL__SX230_.jpg    発行年月:2013年4月


   臓器移植を巡る、社会派ミステリ!



臓器をくり抜かれた若い女性の遺体が発見される。その直後「切り裂きジャック」と名乗る犯人からの声明文がテレビ局に届く。果たして「ジャック」の狙いは何か? 警視庁捜査一課の犬養隼人が捜査に乗り出すが……。
   

                                        (角川書店HPより)


若い女性の遺体は、内臓のほぼ全てをくり抜かれていた。
犯人の声明文が届き、その後も同じような殺人が2件。
3人の被害者に共通するものは、同日に臓器移植を受けていたということ。
そして、もう一人のレシピエントをおとりに、犯人逮捕に乗り出す警察。


社会派サスペンスの様相を醸し出していたかな?
臓器移植を前に、脳死判定、人の死は何をもって判断するべきか?
医療関係者にも、いろいろな考え方を持つ者がいるし、なにが正しいかは難しい。

最初の2人は女性。
その後は男性。その男性は、移植手術を受け社会復帰したけれど、思うような職に就けず、自堕落な
生活を送っていた。
折角、授けてもらった命なのに・・・・・。

犯人の声明文では被害者たちは、殺されて当然な者たちという意味のことが書かれていた。
そうすると、犯人は、ドナ-側の遺族?と最初は、思わされる。
けれど・・・・

犯人は大抵、この人だろうか?と予測がつく。
でも、動機が全くわからなかった。
なので、その動機がわかったときは、ショックだった。
えぇ~!?

でも、真相究明までの過程は楽しめた。

刑事・犬塚の家族背景や、犬塚とその部下のやり取りも面白い。

そして、最後のエピロ-グでは、4番目の被害者になる?と思われたドナ-男性と
レシピエントの遺族との交流が温かいもので、良かった。


                                          ★★★




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2f434248.jpeg    発行年月:2013年1月


   ポーランドで行なわれるショパン・コンクールの会場で、殺人事件が発生。遺体は、手の指10本が全て切り取られるという奇怪なものだった。コンクールに出場するため会場に居合わせたピアニスト・岬洋介は、取り調べを受けながらも鋭い洞察力で殺害現場を密かに検証していた。さらには世界的テロリスト・通称“ピアニスト”がワルシャワに潜伏しているという情報を得る。そんな折、会場周辺でテロが多発し……。


                          (宝島社HPより)


映画化された『さよならドビュツシ-』シリ-ズの最新巻。
今回は、岬先生が出場のショパンコンク-ルが舞台。
殺人事件も発生し、その犯人と事件の真相も気になりましたが、コンク-ルの行方の方が気になって
読み進めました。

突発性難聴を抱える岬洋介。
コンク-ルで優勝出来るのか!?

ポ-ランドで先祖代々音楽家である家系に生まれたヤン・ステファン。
ポ-ランドの国民の期待を一身に受けての出場。
プレッシャ-のなかで岬に出会い、共にコンク-ルに出場する者同士、それぞれの音楽に
対する意見をぶつけ合う。

物語のなかで、アフガニスタンでパキスタン市民を人質に取ったタリバンとアメリカ軍が交戦状態にあるという事態が平行して進む。

ショパンコンサ-トとどんな関係が??と思ったら・・・
なるほど、そういう繋がりで来たか?

実際に音楽で平和的に物事が解決したら素晴らしいことだなぁ~。

岬先生の教え子たちの日本での様子が、少し読めたのは嬉しかった♪
岬先生は、やっぱり格好いいなぁ~(^^)


★★★★
51HQZwJGhSL__SX230_.jpg    発行年月:2012年11月


    熱血モノ作りエンタテインメント、堂々完成!

    映画製作は綺麗事では出来ない。
    莫大なカネがかかる。口を出したがるヤツも多い。
    スケジュールはしじゅう変更になるし、
    実力のある俳優にはクセがある。
さらに、何者かの妨害も入れば、事件も起こる。
監督は、気難し屋の完璧主義者で、しかも、半死半生の老いぼれだ。
それでも、今、撮り上がりつつある作品が、物凄い傑作になることは、
誰も、まったく疑っていなかった


                                       (光文社HPより)



今回のお話は、ミステリ-色はうすめ。
事件はちょっと起きるけれど・・・・。

映画を作るって、凄く時間とお金がかかるけど、作ってる人たちは、その時間が楽しいんだろうなぁ~
なんて読みながら思った。

監督の大森は、熱血指導で有名。
しかし、車椅子に乗りながらとかなり体は弱っている状態。

助監督の宮藤瑛一は、そんな監督を見守りながら働くが、最初はなんだか頼りない。
段々に頼もしいかんじになっていくのが良かったけど。

そんな撮影現場で起きる事故。
舞台の資材が女優の上から落下して怪我。
そして・・・・殺人事件。
現場に現れる刑事は、瑛一の弟・賢次。


事件の犯人は??

映画づくりの現場って、事件は起きなくても、こんなこと実際にありそうだな・・・。


なかなか面白かった。

物語のなかで撮ってる作品は「災厄の季節」。
グロテスクな遺体の場面が出てくる。
それは著者による「カエル男」が原作とか。
う~ん、ちょっと気になるな。
まだ読んだことなかったから・・・。


★★★
    
    
f00a4a46.jpeg    発行年月:2012年7月


   『さよならドビュッシー』の作家が放つ、
   元裁判官のおばあちゃんと女子大生のミステリー

   お手柄続きの葛城刑事。でも実は事件を真相に導くのは、
   恋人の女子大生と元裁判官の彼女の祖母だった!? 
   異色の探偵コンビ誕生!


                          (文藝春秋HPより)



19歳の法律を学ぶ大学生・円とその祖母・静が事件を解決していく連作短編集。
そこに円と知り合った刑事の葛城公彦が加わり、事件の謎解明に臨む。

幾つかの殺人事件の謎の究明とともに、円の両親の交通事故に纏わる疑問点の真相も明かされていく。

静おばあちゃんが元裁判官としての体験やそこから学んだことを円に話す場面は、法律なんて???のわたしにもよくわかり勉強になりました。

葛城刑事と円の恋の進展もなかなかよかった。

そして、ビックリだったのは最後の章「静おばあちゃんの秘密」
え?そうだったのかぁ~!!
驚いたけど、それはそれでいいかな?
おばあちゃんが孫を想う気持ちに最後は温かいものを感じた。

事件の背景に、外国人の雇用問題とか免罪など社会問題なども出てきて考えさせられた部分もあった。

なかなか面白いミステリ-小説でした♪



 

★★★★


51zNcvkHieL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年12月


封印された過去が、新たな「罪」へ。「正義」と「贖罪」の意味を問う驚愕のミステリー。
どんでん返しが止まらない! 怒濤のリーガル・サスペンス!!
『さよならドビュッシー』で「このミス」大賞受賞の作家による新たな傑作誕生!

弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。


                                           (講談社HPより)


これは最高~♪
主人公のキャラクタ-が個性的で魅力的!
主人公・御子柴礼司は気鋭の弁護士だけど、26年前に幼女殺害事件の犯人である。
当時少年だったため、少年院に送られたが、刑期を終え、社会復帰している。

重い十字架を背負ったような過去を持ちながら、弁護士になっているのは、なぜ?
凶悪犯でも法廷の場で、減刑を勝ち取ってしまう。
贖罪の気持ちはあるのか?

冒頭から、いきなり御子柴が遺体を遺棄する場面で、これはいったいどういうこと?と先ずは大きな疑問。
その疑問を、ず~っと抱えながら読んでいました。


事件を追う警察側の人間にも魅力的な人物が登場!
刑事の渡瀬。
鋭い洞察力で御子柴とも対峙する。
二人の個性的なキャラクタ-が、物語を面白くさせてくれた。

御子柴は犯人を庇う側。
渡瀬は犯人を追い詰めていく側。

でも、御子柴は庇うだけでなく、法廷の場では自分の仕事を淡々とこなすが、そこから離れた場所では犯人を強く責める。
そして、渡瀬は犯人を追い詰める側だけど、そうしてしまった背景をみながら犯人の気持ちに沿うこともする。
それぞれに格好良い!!

御子柴の少年院時代の話も、よかった。
少年院のなかで知り合った同じような罪を犯した者や担当教官とのやりとり。
それらがあって、弁護士・御子柴が成立しているんだな・・・。

そして、冒頭の死体遺棄での殺人を犯した者は・・・・意外な人物だった!
全くの予想外!

表題の奏鳴曲を奏でた人物との再会が、なかったのが残念。
期待していたんだけどなぁ~。

これは、もしかしてシリ-ズ化されるのかな?
一回で終わるには惜しい!


ミステリ-好きには、これはお薦めです!!


                                        ★★★★★

 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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