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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年12月

再会したのは愛しき初恋の女(ひと)か、兄を殺めた冷酷な悪女か。

この傷痕(スティグマ)にかけて俺が一生護る――。月夜に誓った幼なじみは、時を経て謎多き美女へと羽化していた。東京地検特捜部検事と、疑惑の政治家の私設秘書。追い追われる立場に置かれつつも愛欲と疑念に揺れるふたりに、やがて試練の時がやってくる。阪神淡路大震災と東日本大震災。ふたつの悲劇に翻弄された孤児の命運を描く、著者初の恋愛サスペンス!

                     (新潮社HPより)




著者初の恋愛サスペンスの謳い文句は、読んでから知りました^^;
う~ん。
面白くないわけじゃないんですが・・・・ちょっと話がガチャガチャしてるかんじ。
色々な事が次々起きるので、読み手は退屈せず一気読み出来るのですが・・・
ひとつひとつの事柄の裏にあるそれに関わった人の心理描写がもっと
知りたかったなぁ~。

美貌の双子の姉妹・麻衣と優衣。

二人が成長してからの幼馴染である淳平とのこととか、もっと読みたかった。
阪神・淡路大震災が起きて、一人が亡くなるなんて・・・・。
それならなぜ、物語に双子をもってきたんだろ???


物語の中盤以降は、淳平は30歳になっていて検事になっていたのにはビックリ!
そして、ある大物国会議員のことを潜入捜査によって調べる淳平の前に
震災以降、行方が分からなかった優衣が現れる。
議員の秘書の一人として働いている。


物語の終盤は、またまた大きな事件が起きる。
これ必要かな~?


凄い波乱万丈な物語で、やや疲れた。
読後感もよくないのが、嫌だな・・・・^^;


                          ★★★
 
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発行年月:2014年10月


 真実を暴くのは? 権力か、それとも人智か すべては死刑囚の自殺から始まった…。
『 どんでん返し』の帝王が「冤罪」に挑む。
社会派ミステリーと、本格ミステリーの奇跡の 融合。

                   (文藝春秋HPより)




冤罪って、こうして起きるのか?

なんとも恐ろしい。
無実を叫んでもその声は届かず、偽りの証拠によって殺人犯に仕立てられた
男の無念を思うと堪らない。

そんな冤罪に加担してしまったことに気付き絶望した刑事・渡瀬。
彼は自分のなかの正義に従い、全てを敵にまわしても告発することに決める。
その決断は凄い!

そしてその決断を後押ししてくれたのが、来年、退官が決まっている
高遠寺静。
この名前どこかで聞いたことあるなぁ~と思ったら以前の中山氏の作品
「静おばあちゃんにおまかせ」の裁判官の静さんでした~!
前の作品の人が登場はなんだか嬉しい♪
静さんは、やはり素晴らしい人でした!

自分の保身より正しいことを優先する姿は、こういう職業に就く人たちには
大切なこと。


ラスト亡くなった静さんの墓前で、渡瀬が静さんの孫の円さんと会話する
場面も良かったなぁ~。
今度は円さんの活躍する話が読めるといいな。


                         ★★★★



発行年月:2014年9月


 <管内に殺人事件発生>の報が飛び込んできたのは、東日本大震災から五日目のことだった。被害者は原発作業員の金城純一。被疑者の加瀬邦彦は口論の末、純一を刺したのだという。福島県石川警察署刑事課の仁科係長は移送を担うが、余震が起きた混乱に乗じて邦彦に逃げられてしまう。邦彦は、危険極まりない“ある場所”に向かっていた。仁科は、純一と邦彦の過去を探るうちに驚愕の真実にたどり着く。一体何が邦彦を動かしているのか。自らの命を懸けても守り抜きたいものとは何なのか。そして殺人事件の真相は――。
極限状態に置かれた人間の生き様を描く、異色の衝撃作!      

                    (集英社HPより)



衝撃的な内容で、一気に読みました!
東日本大震災から5日目に起きた殺人事件。
その被疑者・加瀬邦彦は、一度は警察に捕まるが、護送中に脱走。
何を目指して逃げるのか?

逃げる加瀬と追いかける警察側の刑事・仁科忠臣。
二人の行動を交互に語りながら、震災後の様子を織り交ぜていて、とてもリアル。

刑事の仁科は、加瀬の起こしたとされる殺人事件の被害者・金城純一との関係を調べるうちに
加瀬は殺意を持って殺したのではないのでは?と思いはじめる。
そして、再び加瀬を追い、刑事としてというより、人として加瀬の行動を容認する。


逃げる加瀬に起きる困難が凄い。
震災後の街を目的地を目指すのだけど、野犬化した犬との格闘は一番ハラハラした。

加瀬の生い立ちも壮絶過ぎて・・・・。
阪神・淡路大震災を7歳で体験し、両親を亡くし、自身も瓦礫のなかから救出され
命を取り留めた。
が、その後預けられた父の弟・亮一の元では過酷な生活が待っていて18歳で
逃げ出すように点々と職を変えながら生き延び、雇われた派遣会社からの要請で
福島の原発で働いていた。
被害者となった金城とは、そこで知り合い親しくなる。
加瀬は金城と知り合い、その家族と交流を持つことによってやっと穏やかな生活に
触れられたんだな~。
そんななかで起きた殺人容疑は、本当に惨い。
金城の行動が、悔やまれる。
しかし、震災は起きてしまった。


救いがない物語で、なんだか読み終えたあと気分が落ち込むかんじでした。

でも、震災が起きたことで、こんな風に今までの生活から地獄のような生活に
変えられてしまった被災者の存在は忘れてはいけないんだとも思った。


  
                            ★★★★




発行年月:2013年11月

少年犯罪の過去を持つ“悪辣弁護士”御子柴礼司が甦った!
岬検事との法廷対決の行方は!?

『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の続編!!

前作を凌ぐリーガル・サスペンス!

豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司は、夫殺しの容疑で、懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。
対する検事は因縁の相手、岬恭平。御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか? そして第二審の行方は?

                    (講談社HPより)


御子柴シリーズ第二弾ですね。
少年時代大きな罪を犯した御子柴礼司。

弁護しても何らメリットはないはずの主婦の夫殺しを弁護する。
なぜだろ?最初から疑問でした。
そして、最後にわかった被告人・津田亜季子との関係。

法廷の様子も面白かった。
検事の岬恭平との対決場面がいい!

真相を追うとわかってきた事件の背景にある重苦しい津田家の闇。
ああ、イヤだ。
こういう話、一番キライだ~(;O;)


でも弁護は見事でした!!

しかし、御子柴の過去も晒されてしまった。
弁護士として活躍する姿をまた読みたいのだけど、もうこれが最後なのかなぁ~?


                           ★★★



 




発行年月:2013年7月


 捜査一課の犬養隼人が高速バス事故現場でみた真相とは?(「赤い水」)。話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人が「色」にまつわる難事件に挑む、どんでん返し満載の全7編からなる連作短編集!

                 (角川書店HPより)


俳優養成所出身の渋い二枚目刑事・犬塚隼人が真相究明に挑む7つの事件。


<一、赤い水>
高速バス運行中の事故で死亡したのは、多々良という男性。
運転手・小平は勤務態度も良好、会社側の運行状況も運転手の勤務スケジュールも
何ら違法なしの状況。
事故を起こした小平は事故直後のマスコミの取材にも落ち着いて、自分の落ち度を
謝罪する言葉を述べていた。
その落ち着いた態度に違和感を抱いた犬塚は・・・

<二、黒いハト>
中学校の屋上から飛び降り死亡した雅也。
彼はイジメられていて、親友として助けてやれなかったことを悔やんでいると
言う春樹。
イジメの張本人は都議会議員の息子。
学校の担任も校長もイジメの事実を知らされながら、何の対策もしなかった。
しかし、雅也が飛び降りる前に母親に遺した電話の声の後ろに聞こえた声は・・・・

<三、白い原稿>
ロック歌手でありながら新人文芸賞を受賞した桜庭巧巳が公園脇のベンチで
遺体となって発見される。
死因は泥酔したうえでの凍死。
被疑者は嵐山シュウト。彼も小説家として世に名が知れることを目標としていた。
怨恨か?

<四、青い魚>
釣具店を営む45歳の帆村亮。
そこに客として来た20代の恵美とやがて生活を共にする。
そして、恵美の兄という男・由紀夫も転がり込んで3人での共同生活が始まる。
帆村は、恵美と由紀夫との楽しい生活に満足していたが、
帆村の暴力団員になった弟・照之は、そんな兄の生活を非難し、
2人を追い出せと忠告する。
そして、ある日、3人で船で沖合いに釣りに出て・・・

<五、緑国の主>
ホ-ムレス狩りをしている中学生グループ。
主犯格の少年は14才の小栗拓真。
その少年はホームレスの住処に放火。
そしてその後、殺害された。
死因は毒殺。

<六、黄色いリボン>
10歳の翔は大人しい子どもだが、女の子の格好をしてミチルとして行動すると活発に振舞える。
ワンピースを着て、かつらを被り、髪にトレードマークにしている黄色いリボンを付けて。
両親もそんな行動を認めてくれているが、団地のなかだけという決まり。
両親と自分しか知らない秘密のはずが、ある日、ミチルの名前のダイレクトメールが
届いたり、公園でミチルの名前を呼ぶ男に話しかけられたり、刑事まで翔に
妹のミチルについて知りたいと言われ混乱する。
ミチルは架空の人物のはずなのに・・・

<七、紫の献花>
67歳の独り暮らしの高瀬昭文が包丁で刺されて死亡。
高瀬は第1話で出てきた高速バス事故を起こした会社のバス運行管理担当者だった。
バス会社が倒産し、その後は、タクシー会社の配車担当として勤務していた。
勤務態度は良好でとても有能、人柄も温厚で何故殺されたのか?と同僚たちも不思議がる。
そして、高瀬にはは死亡時1億円の保険に加入しており、その受取人は
陸上選手として将来有望だったが高速バス事故により陸上人生を絶たれた樫山有希になっていた。


どの話もとても面白かった。
いろいろな殺人事件に絡む人々の思惑が、徐々に明かされ、最初の被疑者のほかに
新たな被疑者が現れ、意外な人が犯人だったり、読みながら、いろいろと推理
しながら楽しめた。

でもやはりイジメが絡む第二話の<黒いハト>は、辛い話だった。


                         ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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