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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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41iurbjCYlL__SX230_.jpg   発行年月:2012年2月


   きっとまばゆい明日が待っているから。



   「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、
   家系に伝わる理不尽な"掟"に苦悩する有名女優、
   無銭飲食の罪を着せられた中二男子……
   森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語


                                           (角川書店HPより)


2000年から2012年まで、いろいろなテ-マで書いた9つの短編集。
どの話も良かった♪

最初の「ウエルカムの小部屋」からクスリ^m^
主人公の女性は、誰もが羨む婚約者がいたのに破談になり、結婚したのは自称発明家の夫。
夫婦の会話が笑える。
そして、その結婚も破綻するのだが・・・・・
トイレ=ウエルカムの小部屋・・・・その例えが可笑しくもあり哀しいお話でした。

一番好きだったのは、「ブレノワ-ル」。
フランスのブルタ-ニュ地方出身の男が主人公。
男は故郷の親戚たちが信心深く昔から受け継がれる因習に辟易し、故郷を飛び出してパリの二つ星レストランで働いていた。
そして、自分自身も融通が利かない性格のため多くの女性と付き合うが最後は愛想を尽かされていた。
が、初めて同志と呼べる女性・サラと出会う。
サラも同じ地方出身であったことから、とんとん拍子に結婚。二人で故郷に帰ることに。
そして、今まで自分が煩わしいと感じていた慣習だが、そこには母親の息子に対する深い愛があったのだと知る。
母親ってそういうものなのよね~としみじみした気持ちになりました。


表題作「気分上々」は一番最後にありました。
中学2年生の男子が主人公。
この頃の男子って・・・・・バカっぽくて愛らしい(笑)。
こちらも気分上々にさせて貰いました♪


楽しい短編集でした(^^)


                                            ★★★
 
PR
41YxXGk8RrL__SX230_.jpg   発行年月:2011年7月 (文庫)


   家族とは何か。赦しとは何か。迫真のサスペンス巨編!



  深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。
  世代を超えた二人は互いに何かを見いだそうとした……。
  感動のサスペンス巨編。


                        (角川書店社HPより)




途中で・・・・「あれ?どこかで読んだかも?」と思ったら・・・・
2年くらい前に読んだ「七月のクリスマスカ-ド」を改題し、一部書き換えての文庫本でした^^;

でも、殆ど詳しいことを忘れていたので、再び楽しむことが出来ました。

物語は、始終重苦しいです。
けれど、そんな状況のなかでも必死でもがきながら頑張る主人公・美緒にはエ-ルを送りながら読みました。

物語は3部構成で、
第一部は、小学校時代の美緒。
ある日、突然、父親が自分と弟、母の元から去る場面から。
母は父親が出て行く前からアルコ-ル依存症。
そして、美緒の一番下の弟・穣が亡くなってから、家庭内の不和がより増していた。
小学生の美緒と弟の充は、母親の従姉妹の薫の元で暮らし始める。

第二部は、薫が営む店「ロ-ズ」の常連客である、元検事の永瀬丈太郎の話。
薫の紹介で、美緒と充も丈太郎に親しみを感じる。

丈太郎は、妻を病気で亡くし、一人娘の瑠璃は、幼いころ、誘拐されそのまま帰って来ない。
薫は瑠璃と幼稚園が同じで、瑠璃が連れ去られる場面を目撃していた。

第三部では、大人に成長した美緒が、瑠璃の誘拐事件の真実と、幼い弟・穣の死の真相を追究していく。

丈太郎も美緒も大切な家族を失い、そのほかに家族の行動のなかにも不審な何かを感じながら生きていた。
美緒は、まだ幼いうちからそんな状況のなかで、もがきながらいろいろな心の葛藤と闘って成長してきた。
そんな二人が偶然、知り合い、親子以上の年なのに、お互いの存在が生きるうえでの支えとなっていく部分は大きな救いであった。

物語は終盤に、いろいろな真実が明かされる。
真実を知って更に胸が痛くなる。
けれど、憎しみだけを持ち続けるのは、自分も辛くなる。
気持ちを赦しに変えることが出来たとき、自分も前に進めるということだろう。

丈太郎は、すべての真実を知ったうえで赦すことを選んだのか?と考えたら切なくなった。
美緒も丈太郎と同様に赦す努力をしようと決めたよう。
しかし、なかなか実際には難しいことかも。。。
う~ん。考えちゃうな~。
そうすることが正しいのか?


表題は、個人的には単行本として出た「七月のクリスマスカ-ド」の方が好きだな~。


★★★★
 
 
41GSCX03FYL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年2月


「文革が始まってから、私はいつも独りぼっちだった。」
 文化大革命のさ中に多感な少女時代を過ごした中国人作家が、
瑞々しい日本語で綴る自伝的長編。



                    (幻戯書房HPより)



図書館の棚を見て廻って、なとなくピン!と来た本。
大抵こういう本は当たりなのです。

著者の名前から「中国の人の話?」と想像出来ました。
そして表題の「父の帽子」の意味は、文化大革命により、右派のレッテルを貼られたことを意味する言葉でした。

著者は、北京で幼少期を過ごす。
近所の子達と遊ぶ和やかな様子や両親に愛され育つ著者の様子が微笑ましい場面が先ずは描かれている。しかし、その背景にある文化大革命が、著者の暮らしのなかに少しずつ暗い影が広がっていく。

著者の両親は、知識人で
父親は、大学で教えていたり、仏中辞書の編集に関わったりしていた。
母親も女学校の教師。
そして、父親は、母親がいうところの出しゃばりであったため、帽子を被せられることになったと。

文化大革命は1966年~1976年。
著者の父親は、共産主義を信じ共産党に入党し、毛沢東を信じていたのに、裏切られることになった。
そして、母親の同僚たちも革命の犠牲になった。
父親の従兄弟は、小心者ゆえ、自分の過去も問題にされるのでは?と不安に耐え切れず自ら命を絶った。

そんな状況が日常のなかに起きているのに、著者は周りの空気に感化されず、母親の言うところの犯罪分子の頭とされた女リ-ダ-・大洋馬(ダ-ヤンマ-)を慕ったりしていた。
そのために学校や周囲から忌み嫌われる存在になってもいつも平常心でいられるところが凄い!
強い女性なんだな・・・。

学校の革命教育の一環として、死刑公開判決大会に参加するよう先生に言われてクラス長と一緒に見学に行った先でも、家から離れようと辿り着いた駅で眠ってしまい、警察の事情聴取を受けたときにも、恐れを知らない行動にはビックリ!

ひとつ間違えば命も落とすことになったのでは?と思われる出来事も実に淡々と書いている。

日本語も上手。
只者じゃないな・・・・この人!

1977年、文革で廃止されていた大学入試試験が再開されると同時に試験を受けて大学生となり、その後、日本に渡り日本人と結婚し日本に住んでいるそうです。

名誉を回復した父親は教授として勤務する大学の宿舎で母親と暮らしているとか。


1997年、再びかつて住んでいた地をたずねたときのことが最後に書かれていたけれど、その辺をもう少し詳しく書かれたものもあるようなので、また読んでみたいと思う。

読み応え十分の書でした!!


                                      ★★★★★
 
51AB4M2hRjL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2007年12月


戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかで最後まで落ちなかった支城があった。武州・忍城。周囲を湖で取り囲まれた「浮き城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約2万の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せず、僅かの兵で抗戦した城代・成田長親は、領民たちに木偶の棒から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。城代として何ひとつふさわしい力を持たぬ、文字通りの木偶の棒であったが、外見からはおおよそ窺い知れない坂東武者としての誇りを持ち、方円の器に従う水のごとき底の知れないスケールの大きさで、人心を掌握していた。武・智・仁で統率する従来の武将とは異なる、新しい英傑像を提示したエンターテインメント小説。
カバー・イラストはオノ・ナツメ。


                                         (小学館HPより)


今更・・・・ですが、話題になったときに読みそびれていました。
映画化が決まったと聞いて、そういえば、未読だったと図書館で借りてきた次第(^_^;)

のぼう=でくのぼう
のぼう様と百姓たちからも面と向かって言われても、平気で百姓たちと会話して、笑い合える武将。
そしてその愛称どおり、武将らしからぬ運動音痴とか。
なんとも愛らしく憎めない、のぼう様。
そんな長親が、知恵者と名高い石田三成をうならせるとは!


北条家の庇護の下にあった成田家は、北条側につくべきという意見と関白に逆らったら成田家は存亡の危機に瀕するとの思いから、北条家には内密で関白側につこうと一旦は決まったが・・・・
長親の一存で、関白側と戦うことになる。

2万の兵で攻めてくる石田軍。
最後は水攻めに遭うが、なんとか城を守り切る長親。


考え抜いた策だったのか?偶然だったのか?

しかし、長親の完全なる勝利。
読んでいて気持ちよかったなぁ~。

石田三成さえも完敗だと言わせた。

敵さえも魅せられてしまう長親の人間性が読んでいる側にもとても魅力的に思える。

実際はどんな容姿だったのか?

あまり知らなかった人物だったけど、興味が沸きました。

さて映画では誰がこの役をやるのかな?
と調べたら・・・・野村萬斎さんでしたか~。
大男と書かれていたから、ちょっと原作のイメ-ジとは異なりますね・・・・。
でも映画もちょっと観てみたいな。


                                          ★★★
 
51rmYpKXv5L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2009年3月


仲間と一緒に大海原を駆けた、あの夏の日を、僕は永遠に忘れない――。
「かはたれ」「たそかれ」の作者 朽木祥の新境地――。

僕らの船は、風の靴になって、どこまでもどこまでも駆けていく。海が空にふれてひとつになり、空が天にとどくはるか高みまで――。

第57回産経児童出版文化賞大賞受賞


                                        (講談社HPより)


少し前に読んだ朽木さんの「引き出しの中の家」が面白かったなぁ~とふと考えていて・・・
そういえば、ほかの作品も是非、読みたいと思っていたのに忘れてた!!
と気づき、図書館で予約して借りたのが本書。
表紙の絵が、今の季節にピッタリで、とても美しいなぁ~と惹かれて・・・・。

そして、やはり素敵なお話でした。

物語は、4つ上の兄が高等科に通う同じ私立中学の中等科受験に失敗した海生。
ショックから立ち直れない最低の気分に追い討ちをかけるように大好きな祖父が急死の知らせ。
祖父との思い出は、ヨットだった。
祖父は風に靴を履かせたように滑るように進むヨットを操縦していた。
受験が終わったら、再び祖父とヨットに乗るはずだったのに・・・・・。

そして、思い立つ家出。
同級生の田明も一緒に、ヨットで家出を計画する。
海生の愛犬・ウィスカ-も連れて行くことにする。
2人と1匹のはずが・・・・・田明の妹・八千穂が強引に同行することに。

二人の少年の会話に八千穂が加わって更に楽しくなった。

ヨットで子どもだけで家出なんて危ないことが起きるに違いないなんて思っていたけど、そんな危ないことは起こらず・・・・けれど、思わぬことは起きて・・・・
でも、結果的には、そんなハプニングも素敵なことに繋がっていく。


少年の抱えていた重たいものが、最後には除かれて、前向きに進もうと気持ちが変わるところが気持ちいい。
周りの大人たちも海生の気持ちを聞いて反省するべきことは謝って、良い家族だなぁ~。
優等生の兄・光一も気遣いの出来る素晴らしい青年だったし、おばあちゃんも優しく見守っているかんじがした。

亡くなったおじいちゃんも素敵な人だったんでしょう。
遺言のように残したものも、その遺しかたも粋だった!


表紙の絵も素敵でしたが、挿画もとても丁寧に描かれた絵で
お二人の画家のほかの作品も見てみたいなぁ~なんて思いました。

そして、朽木さんのほかの作品もどんどんこれから読んでいきたいな。

児童書だけど、大人でも十分に楽しめます!

あとがきの言葉もまた素敵で、あとがきでも感動!


                                       ★★★★★


 
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