あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。
作家・詩人17人は、3.11後の世界に何を見たのか?
日本、アメリカ、イギリス同時刊行
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本列島。福島原発の重大事故との闘いは、今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家たちは、何を感じ、何を考えたのか?
(講談社HPより)
谷川俊太郎・・・・・言葉
多和田葉子・・・・・不死の島
重松 清・・・・・おまじない
小川洋子・・・・・夜泣き帽子
川上弘美・・・・・神様2011
川上未映子・・・・・三月の毛糸
いしいしんじ・・・・・ルル
J.D.マクラッチ-・・・・・一年後
池澤夏樹・・・・・美しい祖母の聖書
角田光代・・・・・ピ-ス
古川日出男・・・・・十六年後に泊まる
明川哲也・・・・・箱のはなし
バリ-・ユアグロ-・・・・・漁師の小舟で見た夢
佐伯一麦・・・・・日和山
阿部和重・・・・・RIDE ON TIME
村上 龍・・・・・ユ-カリの小さな葉
デイヴィッド・ピ-ス・・・・・惨事のあと、惨事のまえ
17人の作家たちによる物語。
3.11の当日のことを描いた物語もあれば、それ以降のことを描いたものもある。
そして、どの話にも胸に迫るものがあった。
最初の谷川さんの詩もいい。
言葉は壊れない・・・・・・
次の多和田さんの物語は、ちょっとSFっぽい要素があって、3.11を体験しての未来の話。
こんな風に本当になったら怖いな。初めての作家さんだけど、すごく印象的だった。
そのあと、重松さん~いしいしんじさんは知っている作家さんなので、うんうん、らしいな・・・というかんじ。
重松さん、小川さん、いしいさんの話には、温かい想いが感じられた。
特に、いしいさんの「ルル」は良かった!
外国の作家さんの話もなかなか興味深いかんじでバリ-・ユアグロ-氏の「漁師の小舟で見た夢」は、とても幻想的なかんじだった。
舞台は日本にしているので、文章だけ読むと外国の人が書いたとは思えないかんじ。
アンソロジ-のよさは、まだ読んだことのない作家さんの文章が読めること。
これを機にそれらの作家さんの近著も、そのうち読んでみよう。
★★★★
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罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。
ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。「このミステリーがすごい!」第二位など、年末ベストを総なめにした『犯罪』に比肩する傑作!
(東京創元社HPより)
15編の犯罪話。
著者は作家兼弁護士。
自分が関わった事件を元に書かれた話のようです。
なので、それぞれが物語とはいえ、事件の記録を読んでいるようなリアル感がありました。
最初の話「ふるさと祭り」から、イヤ~な気分になりました。
祭りの最中、バンド演奏をしている男達が休憩時間に17歳の少女に集団で暴行の事件。
そのうちの一人が警察に通報した。
当然、男達は捕まり、当然の罰を受けるだろうと思いきや・・・・
他の話にも大罪を犯しながら、罰されない事件があったりで、読んでいて嫌なかんじになる話が多い。
だけど、不思議と次の話も読んでみたいと思わせる。
残酷な場面もあるけれど、意外とサラリと書いてくれてあるので、まあ、よかった。
唯一、ちょっとホッとした話は13番目の話「清算」。
ちゃんと裁判所が正しい判断で無実を言い渡してくれてホッとした。
彼女がその後の人生、幸せでありますように・・・と思った。
この書の前に書かれた「犯罪」も評価が高いようなので、そのうち読んでみようかな?
続けてはちょっとヘビ-だから・・・・^^;
★★★
あなたの代わりに、全国どこでも旅に出ます!
唯一のレギュラー番組「ちょびっ旅」が打ち切りになった売れないタレント・丘えりか。ひょんなことから、病気などの事情を抱えた人から依頼を受けて、代わりに旅をする「旅屋」を始めることに。
(集英社HPより)
先ず、この表紙がかわいいぃ~!!
そして、物語の主人公、丘えりか(通称おかえり)が、可愛い!!
なんて素直で優しい子なんだろう。
ちょっとドジだけど、そんなところも含めて好き♪
旅とご当地グルメがテ-マの番組「ちょびっ旅」の放送打ち切りで、唯一のレギュラ-番組を失ってしまう、オカエリ。
オカエリが所属する、よろずプロも経営の危機!
どうする??
そんなとき、オカエリのドジが縁で、舞い込む仕事。
「旅を代わりにしてくれませんか?」
それから始まる、「旅屋おかえり」。
最初は、病気で旅が出来ない娘のために代わりに旅をして欲しいという依頼。
次は、幼いころ、養女に出た妹の娘を訪ねて欲しいという依頼。
それぞれの旅先で出会う人たちとの場面にも温かいものがありますが、旅の報告をしながらの依頼人との場面でも感動するものがあって、ジ~ンと来ます。
オカエリが旅先から持ち帰ったものは、依頼人にとっては想像以上に嬉しいもの。
物語に登場の地に行ってみたくなる。
後ろのプロフィ-ルをみていたら。。。。
多忙を縫って年間150日は国内外へ旅に出る、自称「フ-テンのマハ」とありました。
150日間旅をしてるって、凄いな。
そんな旅のなかからも素敵なお話が生まれるのかな?
次回作も期待します♪
★★★★
田口&白鳥シリーズでおなじみの、桜宮市警察署の玉村警部補とキレ者・加納警視正が活躍する、ミステリー短編集です。ずさんな検視体制の盲点を突く「東京都二十三区内外殺人事件」、密室空間で起きた不可能犯罪に挑む「青空迷宮」、最新の科学鑑定に切り込んだ「四兆七千億分の一の憂鬱」、闇の歯医者を描く「エナメルの証言」――2007年より『このミステリーがすごい!』に掲載してきた4編をまとめた短編集
(宝島社HPより)
短編集なので、スラスラ読めました。
いちおう、流れでは玉村警部補が不定愁訴外来勤務の田口医師を訪ね、過去の事件を一緒に振り返るという設定。
二人の会話がなんとも良い。
田口は白鳥に振り回されているので、加納警視正に振り回されている玉村警部補の苦労がよ~くわかるというところでしょう。
でもお互いに、振り回されながらも、その相手の能力は高く評価しているところも似ている。
今回振り返る事件は4つ。
「東京都23区内外殺人事件」
同じ場所に死体があるのを2回とも田口が発見する。
ここは公共の遺体置き場なのか?・・・・のつぶやきに思わずクスリ^m^
「青空迷宮」
テレビ番組の撮影中、迷路内での事故?他殺?
被疑者は3人。
「四兆七千万分の一の憂鬱」
薬品研究所の副所長の妻、殺害事件。
綿密な計画殺人だったが・・・。
加納警視正、さすがです!!
「エナメルの証言」
ヤクザの遺書つき自殺続出。
歯科医にもこういう闇の仕事が実際あるのか??
事件としては、一番面白かった。
事件を回想しながらという進み方だけど、途中に入る玉村警部補と田口医師の会話
<不定愁訴外来での世迷い言>が楽しい。
「え?それって・・・・?」と気になる会話はあるんだけど・・・・
白鳥が出てこなくても、玉村&田口コンビだけでも、なかなか面白いな。
★★★
プロ棋士の夢が破れた男と、金髪碧眼の不思議な美少女が出会う。
彼女に将棋を教えるといつしか奇跡的な才能が開花する…。
「天才とは何か?」厳しくも豊かな勝負の世界を生き生きと描き出す快作。
第24回小説すばる新人賞受賞作。
(集英社HPより)
将棋の話なので、理解出来るか心配でしたが・・・結構、面白く読めました!
表題の「香車」はキョウシャと読んで、将棋のコマの名前ということすら知らなかったわたし^^;
かつては将棋の世界にいた著者ならではの物語です!
登場人物が結構、多いけれど、女性陣のほうが魅力的。
将棋の天才的センスを持つサラ。
その能力を見出し、将棋を教える瀬尾健司。
瀬尾も以前はプロの棋士を目指していた。
将棋の世界では、4段からがプロで、給料もいただけるらしい。
そして、瀬尾とかつてプロを目指し入会していた「奨励会」で一緒だった萩原塔子。
塔子は女流棋士として有名になっていた。
瀬尾はいつかサラを塔子と対局させたいと言う。
サラとは別の場所で天才少女棋士として名が知れていた北森七海。
七海は塔子に憧れ目標にしていた。
サラ、七海、塔子の3人の物語がよい。
七海はサラと対局し、負けたことで将棋の世界から遠ざかる。
そして、終盤のサラと塔子の対局の場面。
ビックリなことが起きて・・・・・でもその後の物語が感動的だった!
二人の対局を見ていた七海も、再び違うかたちで将棋に関わっていこうと決め
ラストはそれぞれのこれからの活躍が期待出来そうでした。
始終、つかみどころのないサラの行動や発言。
でもそんな雰囲気が魅力的でもあり、サラの今後の話を特に知りたいな・・・と思った。
将棋を知らないわたしでも十分、楽しめたから、将棋を少しでも知っている方は、もっともっと楽しめるだろうなぁ~。
著者はこれがデビュ-作かな?
これからの作品も大いに期待できる作家さんがまた増えて嬉しい(^^)
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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