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読んだ本の感想あれこれ。
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41teLSPHoXL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年8月

日本の未来を救う!? 
コメから採れる新燃料を求め、
農業知識ゼロの24歳女子が単身農村へ。
果たして新エネルギーは獲得出来るのか?


                   (中央公論新社HPより)




面白かったなぁ~。
東京のガラス機器メ-カ-で働く瀬野梢恵(24歳)は、
仕事にやる気が出ない状態。
なんとか毎朝、自分の気持ちを鼓舞させて出勤していた。
そんな梢恵に社長が突然、自身が開発した
バイオエタノ-ル製造装置を使うにあたり
バイオエタノ-ル用の安い米を作付けを頼んで来いという。
任務完了までは長期出張扱いにするという。
そして、長野県へ。

農家を訪ねいきなりバイオエタノ-ルのための米を
作ってくれないか?と言ったところで誰にも相手にされない梢恵。
そんなとき、農業法人「あぐもぐ」を訪ねてみたら?と言われ
社長の安岡茂樹の家に。
最初に対応してくれた茂樹の妻・君江は優しく親切に話を聞いてくれたが・・・
茂樹にはキツイ言葉を投げかけられる。
しかし、自分の会社のやろうとしている意図を熱心に語り、
先ずは農業を一から学べと言われ、住み込みで農業体験をすることに。

農業は大変だという認識しかなかったけれど、
こうして物語を読んでいくと自分が関わったことが形になって、
最後は収穫という喜び、それを実際に食すことが出来るって、
素晴らしいことだな~と思った。

小説なので、本当に辛いことはサラッと書かれているんだろうけれど・・・・
こういう小説を若者が読んで農業をこれからの自分が学ぶ選択肢のなかに
入れてくれたら素晴らしいかも。


3.11の震災の話も出てきて、福島県の農家の皆さんの苦悩が少し理解できた。
震災のことをまたこうして物語から深く考えさせられた。
忘れたらいけないことですね・・・・。

東京の片山製作所の社長さんも素敵な人でした!
梢恵のことをよ~く考えて長野に行かることで、梢恵が変わるのでは?
と最初からある程度予測していたのかも。
実際、梢恵は農業の面白さに目覚めたみたいで、
きっと長野でこれからも生きて行くんだろうな。

表題の意味もよくわかりました!!
美味しいお米、野菜、一生懸命育ててくれた人がいるから、
わたしたちがいただけるんですね。
当たり前のことも思い出させてもらいました!!

誉田さん、幅広い分野の話を届けてくれますね~(^^)


                                        ★★★★★



 
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51Fnd78G4ML__SX230_.jpg    発行年月:2012年10月
 


    ただ普通に、幸せになりたい------。
    つきあって2年になる彼との平凡な結婚を
           夢見ていた莢子が知ってしまった、
          思いもかけない彼の秘密とは。
    「女子読み恋愛小説」1位に選ばれた名手が、
    ふいに奪われた穏やかな日常と、揺れるアラサー女子の姿を等身大に描く。


                                             (朝日新聞出版HPより)



今まで読んだ作品は、ほのぼの系の恋愛話でしたが、この話は結構、シビア。
派遣社員として、資格学校の事務として働く莢子(さやこ)には、恋人の篤志がいる。
篤志も以前は同じ学校で、非常勤講師として会計学や税法の講義をしていた。
そのときから交際が始まり、事務員仲間も知っていること。

あるひ、同僚から篤志が女性と一緒に歩いているのを目撃したと知らされ、莢子も偶然、それと
同じ状況を目撃。
後を付けて行き知った事実。
宗教法人に属しているということ。

最初はそれでも篤志の今までの人柄を信じ、結婚することにも前向きだった莢子だったけれど、
段々と気持ちに変化が出て結局、二人は別れる。

う~ん。
たぶん、正しい判断でしょう。

篤志も莢子も宗教の問題さえなければ、普通に結婚して幸せな家庭を築けたのでしょうけど・・・。
こういうことで別れるって辛いね~。
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表題の「オキシペタルム」は植物の名前らしい。
調べたらとても可愛い花でした!

花言葉は<信じあう心>だとか。
う~ん、この表題のセンス素晴らしい!!

別れることに決めた二人だけれど、それぞれが幸せになってほしいな。



今までの作風とは違うけれど、こういう話も面白いかも。


                                           ★★★
 
41GG0EBSE9L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年8月


五つの謎と一つの恋
恋と占いと謎解きの連作短編集!

カメラマン耕太郎は占い師の桜子の仕事場によくいる。心配性の彼女を思って、客の不幸を的中させないように動くのだ。二人の未来は?

第一話 守りたかった男
第二話 翼のない天使
第三話 ミツオの帰還
第四話 水曜日の女難
第五話 桜の咲かない季節


                                        (講談社HPより)


主人公・乾耕太郎はフリ-の報道系カメラマン。
占い師の深沢桜子(七ノ瀬桜子が仕事上の名前)とは、父親同士が親しくしていた。
耕太郎が中学3年のとき、父が病死し母親の実家のある地に引越しを考えた際、深沢家に下宿の話が進み20歳を機に深沢家を出た。
カメラマンとして独り立ちし、再び深沢家のそばのアパ-トを借りて住んでいる。

桜子の父は天山と名乗り、占いをしていたが、取材で訪れていたインドになぜか合流し、強盗により胸を刺される。
一命を取りとめ帰国はしたが、怪我の後遺症で襲われてから1年後に亡くなった。

桜子と耕太郎は以前から好意をお互いに持っていた。
耕太郎は桜子をいつも見守るかたちでよく【占い処七ノ瀬】に顔を出している。
占いの客に降りかかる災いを感じアドバイスをする桜子を影からみて、その客のその後を追跡したり・・・。


最初の二つは、占いに来たお客の話。
三番目<ミツオの帰還>は12年前のホ-ムレス襲撃事件の犯人と噂されていた当時の素行不良の少年・光男と桜子のこと。
なんだか後味が悪い話でした。

四番目の<水曜日の女難>は留守番中の占い処に来た女性・笹森陽子は、耕太郎にしつこくアタックしてくる。スト-カ-まがいの行為をしたり怪しいかんじだったけど、その理由は、復讐だったという話。
陽子にとっては不運では済まされない耕太郎の撮った写真。

最後は表題作<桜の咲かない季節>
桜子と耕太郎の関係が進展したかんじのラスト。
二人は新たな生活をスタ-トさせるのかなぁ~という思わせぶりなラスト。
う~ん、続編があるといいのにな・・・・。

ちょっとしたミステリ-ありの連作短編集。
なかなか良かった♪


★★★★
51da0g--m4L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年5月


彼女の波瀾万丈の人生が、全くの嘘だったとしたら!

ジェーニャの家に毎晩やってきては、ポートワインを飲みながら辛い人生を涙ながらに語るアイリーン。ところがその話はほとんど嘘。彼女は結婚したことも子供を亡くしたこともない。真実を知り打ちのめされるジェーニャ。だが嘘にも効用があって……。もう一人の自分の物語を生きる女たちの、面白く哀しくときに微笑ましい人生。


                                         (新潮社HPより)


主人公・ジャ-ニャの関わる女性たちのお話6つ。
最後の話は、ジャ-ニャ自身のこと。
女たちはいろいろな話をジャ-ニャに聞かせてくれるが、後々わかるのはその話には嘘が多いということ。

<ディアナ>
4人の子どもを産んだけど皆亡くなってしまったと語ったアイリ-ン。

<ユ-ラ兄さん>
綺麗で可愛い女の子ナ-ジャはいろいろな話をしてくれるけれど、その大半は嘘だと周りの大人たちは気づいている。
一番よくお話に登場するのは、ユ-ラ兄さんのこと

<筋書きの終わり>
いとこの子どものリャ-リャは13歳でジャ-ニャの息子と同い年だけど、妻子あり画家と恋愛関係にあるという。

<自然現象>
高齢の女性・アンナはジャ-ニャが大学院生のときの先生。
ある日、高校生のマ-シャは公園のベンチでたまたま隣に座っていたアンナと知り合う。
聡明そうなその老婦人から詩の話を聞き、自身の詩だと幾つかを朗読してもらう。
感心しきりのマ-シャだったが、アンナが亡くなったあと、それは既に発表されている著名な詩人たちの
作品だったと知る。

<幸せなケ-ス>
ジャ-ニャが学問に見切りをつけテレビ界で仕事をしていたときのはなし。
ドキュメンタリ-映画のシナリオを手掛けた経験を買われて出稼ぎのロシア人娼婦の私生活を
ドキュメンタリ-として放送するという企画に雇われる。
そして娼婦たちのいろいろな話を聞く。

<生きる術>
ジャ-ニャ自身の物語。


5つの話はジャ-ニャが聞き役という感じで出て来る女性たちのいろいろな嘘の話が語られる。
そして最後は、ジャ-ニャ自身が物語の中心。
学生時代は勉学に励み、かなり成績もよかったようだけど、あることをキッカケに学問の世界から身を引く。
このあたりは、なんだか著者自身の経歴に被る。
自分が接した女性たちの話には嘘が多かったけれど、そこには誰かを貶めるような悪意はない。
自分の生きるため、前に進むためについている嘘が多いかんじで、ジャ-ニャ自身も嘘をつかれたことを特に気にしてはいない。
そして、最後の<生きる術>では、ジャ-ニャ自身がいとこの子どもリャ-リャが語る悲劇の主人公に酔ってるようなお喋りに救われて自分自身も強く生きていこうと思う。

物語は、時代を追って流れていて最初の話のころは、まだジャ-ニャも35歳と若く息子のサ-シャは3歳で癇癪持ちで苦労していたのに最後の話では、優しい大人に成長した様子が読み取れた。

物語は20年間くらいの時間の流れ。
舞台のロシアもチェチェン紛争などがあったりと激動の時代だった。
そういう時代背景もよく現している物語でもあったと思う。

海外の物語は、その時代のその国を知ることが出来るのも興味深いところだな・・・。


                                       ★★★★


 
141e3641.jpeg発行年月:2012年9月


職業メンテナンスマン。仕事場は、宇宙(そら)!

2031年、原田拓海は宇宙へ上がる。
天に向かい、まっすぐ伸びていく<宇宙エレベーター>で。
誰もが宇宙へ行ける時代の到来。夢のその先には、誰も味わったことのない未知なる“お仕事”が待っていた!
新時代の“お仕事”エンターテインメント!

子供の頃から宇宙へ行くことを夢見ていた原田拓海。高校生の時、身長が規定オーバーの192cmを超え、宇宙飛行士の夢は潰えた。だが、2031年、かねてから開発中だった地上と衛星軌道のステーションを結ぶ<宇宙エレベーター>が完成する。誰でも宇宙へ行ける時代の到来。拓海の夢は途絶えてはいなかった。天に向かい、まっすぐ伸びていくケーブルで、拓海はついに宇宙へ上がる。


                                   (講談社HPより)

 


スケ-ルの大きな話でした!!
物語の舞台は宇宙。
宇宙エレベ-タ-を保有する唯一の会社に勤務する主人公・原田拓海(32歳)。
宇宙飛行士になるのが夢だったが・・・慎重195cmは規格外。
JAXAも NASAも宇宙飛行士の採用資格は身長に関して158cm~190cmと決めているらしい。
宇宙で仕事をすることを諦めきれない拓海は、
宇宙エレベ-タ-を支えるメンテナンスマンの道を選んだ。

幼馴染の篠原真人も同じ仕事場。
常に冷静な判断でリ-ダ-的存在。
ほかのメンバ-も魅力的。

次々起きる問題に対応するメンバ-たち。

宇宙ステーションが太陽の熱で温度が上がらないように守るラジエ-タ-の故障から始まり、宇宙葬として打ち上げられた棺桶が軌道を外れたのを直すために捕まえて軌道修正。
これだけでもすごいのに、その後は殺人事件。
爆発予告のテロ事件と続きく。

緊迫した状況のなかで、メンテナンスマンたちが懸命に問題解決のための意見交換をし働く仕事ぶりが格好いい!!
問題は、解決するのだけど、テロ行為がどうして起きたのか?
はっきりしない部分もあって、やや消化不良気味かな~?

でも、なかなか面白かった!!

メンバ-たちの人間関係もなかなか良いし、拓海とメグの関係も進展する可能性があったのに
このままお終い??とちょっと肩透かし。

これは続編を書いて欲しいなぁ~。

しかし、工学部卒でエンジニア経験もある著者だからか、専門知識がすごい!
参考文献も多いからいろいろ下調べもされての執筆活動なんでしょうけど、
今後の作品も期待してます!!


                                         ★★★★




 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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