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読んだ本の感想あれこれ。
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fb142e3a.jpg発行年月:2004年1月


ジャングルでは毎日たくさんの命が生まれ、伊久留ために食べ、食べられ、それら全てが夢である如くやがては皆死んでいく。そのワニは傲慢でジャングル一の嫌われ者。仲間を食べ兄弟さえ食べ生きてきた。そしてある日悲劇的とも言える最期を迎える。自己中心と他者尊重の境界を問う一冊。密度ある絵で。

                     
(理論社HPより)


梨木さんの絵本は、やはり素晴らしい。

過去に読んだ絵本は「蟹塚縁起」 「ペンキや」 「マジョモリ」ですが、この「ワニ」が一番、哲学的かも。
絵本というと、幼児~児童のものと思いますが、これらは、大人が読む絵本かもしれない。
絵が素晴らしいので、勿論、子どもが見ても楽しめるけど・・・。

この「ワニ」に出てくるのは、ジャングルの野生に生きる者たちなので、弱肉強食の様子も描かれています。
「わ~かわいそう」と思いますが、自然とはそういうものなんだと気付かされます。

そして、この主人公のワニは、兄弟までを食べてしまう。
人間からしたら・・「なにも兄弟まで食べなくても~」と思いますが、このワニにとってそういう考え方はなく、自分と他者でしか物を見ず、兄弟たちはその他者に当たる。
「ナカマ」という認識はない。

カメレオンに会って「俺たちは仲間だぞ」と言われ、なぜ?と問い、その答えから自分がどういう種類の生き物かを知り戸惑うものの結局、カメレオンも飲み込む。

そして、密かに自分が「親友」と思っているライオンとの対峙の場面。
最期のときにワニが「これは正しいことかもしれない」と思うのは、ちょっと切ないけれど、これも自然の摂理ということでしょう。

淡々とジャングルの様子を物語にしながら、ワニの一生を通じていろいろな事を考えされてくれた。

う~ん、深い話だ・・・・。

絵もいい!リアルで、この文にはとても合っている!

★★★★
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