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読んだ本の感想あれこれ。
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ce7dfadf.jpg   発行年月:2009年11月


   サハラ砂漠を舞台にした傑作ロ-ド・ノベル!
   「死んだら遺灰をサハラにまいてほしい」。弟の遺言を叶えるため、姉は弟の友人や恋人らと共にモロッコを旅することに。葛藤を抱えた大人達が旅の果てに辿り着いたのは・・・・。多様な愛のかたちを描く長編小説。


                         
(集英社HPより)


前作の「ダブルファンタジ-」は、やや毒々しかった愛を描いていましたが・・・^^;
これは、ソフトでした。

青年・周(あまね)の死後、彼の希望である遺灰を空き缶に詰め、サハラまで旅をする男女4人。
女性二2人、男性2人なのだが・・・・中年フランス人男性は、周と亡くなる寸前まで同居していた仲。

そして、段々にわかってくる、それぞれの抱えている愛の憂い。

4人の同行するイスラム教徒のガイドの男性の視点もなかなか面白かった。

旅をする4人とそれに付き添う1人が、交互に語る形で物語が進んでいく。
そして・・・亡くなった周もまた肉体は無くなっても魂は残っていて、皆と一緒にいるかたち。
周が語る部分もあって、それぞれの人間関係がわかってくる。

サハラまでの旅の様子も情景描写が頭のなかに浮かんでくるようで楽しかった。
遺灰を撒きに行くのでなければ、楽しいグル-プ旅行という感じもあったかな?

イスラム教徒の暮らしも感じつつ、そこにある食べものも魅力的。
モロッコといえば、最近、流行のタジン料理。そしてクスクス。あとはミントティ-。
旅行記の要素もなかなか充実。
著者は過去に実際に旅したそうと知り、納得(^^)

それぞれが、抱える問題も少しずつ手がかりが見えてきたかな?という流れ。

しかし、フランス人・ジャンはちょっとこの先のことを考えると気の毒だな。

周は、多くの人に愛され、そして自身も愛したんだろうけど、サハラに辿り着き、やっとこれで安らかに眠れると感じるのは切ないな。

生まれた時から、一時も心が安らげなかったとしたら・・・。

大きな感動は、あまりないけど、静かに胸打つ物語でした。

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