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発行年月:2016年1月


 はずれなし! 不思議な感動を呼ぶ傑作短編集

さみしさが目に見えたら、世界はどう変わるだろうか。
苦しいほどの感情が胸に迫る。
名手が放つ、切なさと爽快感いっぱいの直球6編!

                  (文藝春秋HPより)



朱川さんの短編集は、それぞれ完成度が高いので楽しく読めます。
大人になってから、振り返る過去。
どの話も切なさが少しあって、時代的にも自分自身と被るものがあって
心に沁みる話が多かったなぁ~。


<さみしいマフラー>
人の寂しさが首にマフラーのようなもので見えるという小学生の真奈美。
2つ年下の不二彦くんの首にもマフラーがあり激しく靡いていた。


<ポコタン・ザ・グレート>
柔道家の父親似の奈津子は、体も大きくブスと男子からカラかわれる女の子。
ポコタンと呼ばれている。
小学校のとき、唯一優しかった堀田くんが初恋の相手。


<マルマン荘の思い出>
7歳の時、暴力を振るう父親から逃げた母親とマルマン荘で暮らした思い出。
住人の一人、喜美枝さんという綺麗な人は脚が不自由だった。
恋人がいたのに、その男の人の両親に結婚を反対され、自ら身を引いて
アパートで暮らしていた。


<ポジョン、愛してる>
40半ばの友和は、たまたまみた韓国の音楽番組で歌っていたグループの
一人、ポジョンに目を留める。そしてポジョンのファンになる。


<思い出のセレナーデ>
小6のお楽しみ会の様子を録音したテープのなかに佐々木千晶が歌う
天地真理の<思い出のセレナーデ>が入っている。
千晶とは仲がよく保育園からの付き合いだった。
しかし、千晶の家庭内で悲惨な事件が起き、千晶とはその後離れ離れ。
偶然、大学4年のとき、道でバッタリ会うが自分が知っている千晶とはどこか
様子が違う。
そして再び、仕事絡みの飲み会の場に夫を迎えにきた千晶と再会。


<彼女の宝石>
大学時代、高嶺の花だった彩織と偶然会う。
懐かしくお互いの近況などを話す。
彩織はT国が自分にとって宝石のような場所で、そこでいつか仕事がしたいけれど
なかなか思い通りにいかないと愚痴る。



どの話も少しキュンと切なくなる。
<思い出のセレナーデ>も切なかったなぁ~。
天地真理の歌ったこの歌の歌詞が出て来たときは、すぐにメロディーが浮かび
この物語の切なさに合いすぎている。


最後の<彼女の宝石>も切ない。
結婚して別れた彩織は、憧れの地で最期を迎えた。
彼女は別れたあともきっと幸せだったんだろうなぁ~。


朱川さんらしい短編集、堪能させていただきました!


                          ★★★★★


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