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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2011年3月

『珈琲屋の人々』が好評だった著者の最新作は、様々な家族の情景を切り取った短編集。娘を嫁に出す父親、自身の再婚と息子の問題で揺れる女性、不倫を清算したい会社員、食堂を切り盛りする女将と従業員の微妙な関係など、背筋が凍るような物語から心温まる物語まで8編を収録。 

                       (双葉社HPより)


心が温まるものは少なかったかも・・・^^;
一家団欒楽しい家族という場面はなく、両親のどちらかしか居ない家族が
多かった。片親だけじゃ幸せになれないというわけじゃないと思うけれど、
それ故に感じることとかが、ちょっと重たい問題を孕んでいる気がした。

<父の遺言>
母親が早くに亡くなり、父親が自分を育ててくれた。
そのことに感謝はしているが、結婚を控えた自分に父も再婚したいと言われ
そのことに嫌悪感を抱く娘。

<いやな鏡>
義父が宝くじの1千万円を当てた。
そして、そのお金を隠し子にあげたいと義父母がいう。

<若い愛人>
妻に先立たれた男。娘くらい年の離れた広美と知り合い、愛人とする。
月に決まった額のお金を渡していたら、ある日、通帳を見ると
そのまま手付かずのまま残してある。

<紅の記憶>
痴呆が進んだ元教師の母。
介護に疲れた妻は施設入所を希望する。
そして、息子は父が亡くなって2年後のある日のことを思い出す。

<不鈴>
妻子ある男が不倫相手の女性と、そろそろ別れようと思っている。
しかし、別れ話を切り出しても、逆に結婚話を切り出され困惑。

<十年愛>
17歳だった男は当時37歳だった女性とバイト先で知り合い、好きだと告げるが
女性から10年後にまた会ってみようと提案する。
そして10年後27歳になった男が待ち合わせ場所で女性を待つ。

<薄いカツレツ>
元気食堂の厨房担当の多津子と接客担当の育枝。
2人は同い年。
そして多津子はかつて店の主人だった夫と育枝の仲をずっと疑っている。
夫は1千万円の借金を残し失踪中。

<バツイチ>
母子家庭の麻子と小学3年生の武。
麻子は再婚を考えている男性がいるが、男性は結婚はしたいけれど、
自分の子どもでない子どもを育てる自信がないという。
再婚したい麻子は悩み・・・


感動したのは最初の話<父の遺言>。
自分勝手な娘のことを十分、理解しながら、娘の幸せを願っていたんだな~と
思ったら泣けて来た。

ほかの話は、それぞれ物語としては面白いけれど、重たい。
最後の<バツイチ>は、最初の話とは違う意味で泣ける。
武くんが健気。
その健気さに気づいた母親がこの先、武くんと幸せになることを考えて欲しいな。


読み終えると、この本の表題の意味がわかるかんじ。


                         ★★★




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