発行年月:2013年4月
変質しない夫婦関係などない。罪と罰を抱き共に生きる。それこそが、結婚――。

あの日、月島の路地裏であなたを見つけた。これこそが私の人生の快挙。しかし、それほどの相手と結婚したのに五年が過ぎると、夫婦関係はすっかり変質してしまった。共に生きるためには、不実さえも許す。それこそが夫婦。そう思っていたが、すべては私の驕りにすぎなかった……。結婚の有り様をあなたに問う傑作夫婦小説。
(新潮社HPより)
プロメラマンを目指していた俊彦は、挫折感を味わいながら街を歩いていて
妻となる、みすみと出会う。
ふと入ったお店で、再びみすみを見つける。
みすみは小料理屋を経営していた。
その後、何度か店に通い、結婚。
やがてみすみは妊娠していたことを知らずに流産。
店を続ける気力もなくなるくらいに精神的に落ち込む。
俊彦は、カメラマンになることを諦め、今まで文章を書くことが好きだったこともあり、もうひとつの夢であった小説家を目指そうとする。
みすみが二度目の妊娠をし、今度は細心の注意を払い生活をするが・・・
再び流産。ますます、落ち込む、みすみ。
そんなときに阪神淡路大震災。
神戸にある、みすみの実家・中林酒店も半壊。
夫婦で神戸に向かい、そちらに引越し、復興に力を注ぐ。
その後もあれこれ。
小説家の道が開けたと思えば、力になってくれた編集長が交通事故死。
みすみの浮気疑惑。
夫婦にとっての危機が幾度も訪れる。
それでも2人で居たことが、やがて明るい光が見えてくることに繋がっていく。
最後、みすみの乳がん発症には、ビックリしたけれど、ホッとした結末で良かったぁ~。
若い人には面白くないかもしれない話だけれど
なかなか、面白かった。
★★★★
「私、賢ちゃんの身体をしょっちゅう思い出してたよ」
純粋な、ひたすらの欲情に溺れるいとこ同士の賢治と直子。
出口の見えない男と女の行きつく先は?
極限の愛と官能を描く著者新境地!
(河出書房新社HPより)
途中までは、まあまあだった。
久しぶりに出会ったいとこ同士。
賢治と直子。
2人は、幼い時、家庭の事情で同じ家で暮らしたことがあった。
そして、男女の関係を持っていた時期も。
賢治は、妻子と別れ独身。
直子は、エリ-ト自衛官と結婚が決まっていた。
そんなときに再会し、そして再び以前の関係に。
なんだかなぁ~。
そりゃあ、そういうことも男女間にはあるかもしれないけれど。。。。
背景にある設定と一緒になると、変なはなし。
富士山噴火の危機?
3.11の震災を絡めたり・・・
何が言いたいのか???
おまけに発行社のHP見たら、
「これを読んだ読者がひと時でも賢治と直子のようになってくれたらいい」
みたいに書いてあって・・・・ちょっとゾ~ッとした(^^ゞ
ちょっと前にはこの著者の書く物語、結構すきだったのに、なんだか興ざめしました。
★★
新たな純恋小説の誕生!


誰にも心を開かない女子高生の沙織。
過去にトラウマを抱える彼女は、ある日盲目の青年と出逢った……。
『忘れ雪』から連なる“純恋”三部作から5年----
新たな感涙恋愛小説の誕生!
(角川書店HPより)
途中までは、良い感じだったんだけど・・・後半の急展開な話にちょっとついて行けず・・・。
母親に殺されかけた沙織。
学校では、成績優秀、明るい女の子を演じているが、家では継母に暴力を振るい、
父親の説教にも耳を貸さない。
そんなある日、公園で知り合った盲目の青年・亮。
亮から言われることば・・・君はなにも悪くない、自分を許してあげて。
けれど、なかなか素直な気持ちになれない。
モヤモヤした気持ちから再び継母に暴力・・・家を飛び出し行き場がなくなり、不良仲間と一緒に居る時間が長くなり・・・負の連鎖が続く。
それでも心配してくれる同級生の慶太は良い子だったなぁ~。
最後は、ハッピ-エンド?
やや強引な結末に、ちょっと興ざめで残念な読後感だった。
う~ん。
この著者の「純愛」を謳った話って、なんだかみんな同じようなかんじだな。
つまらなくはないけれど・・・・感動するほどじゃないな^^;
★★★
あぽやん――それは空港で旅客を送り出すプロ中のプロ
発券ミス、予約重複……
空港のカウンターの裏で起こる様々なトラブルを
解決するのが「あぽやん」。ツアー会社に勤める男の成長を描く
(文藝春秋HPより)
主人公は29歳の遠藤慶太。
大航ツーリスト会社企画課から成田空港支社に異動。
支社勤務を最初のうち受け入れられず、必ず本社に戻ると思っていた。
あぽやんとは?
エアポ-トを略して、APO。
そこで働く旅行会社のスタッフたちのこと。
空港には、いろいろな人が来て、トラブルも起きる。
それぞれがいろいろな事情を抱えていたり・・・・
スタッフたちは、お客さんたちに温かい気持ちで接する。
スタッフたちも個性的で楽しい。
空港内のお仕事がよくわかり、面白かった。
主人公のコイバナは残念な結果に終わったけれど・・・・
また彼らの仕事ぶりを書いた別の話があるそうなので、機会があったら
そちらも読んでみよう。
★★★
発行年月:2012年4月
笑いと涙あふれる、著者初の自伝的実名小説
昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった――。『精霊流し』『解夏』『眉山』など、数々の名作を綴る作家・さだまさしが父に捧ぐ、「もうひとつの“精霊流し”」。フォークデュオ・グレープとして、ソロとしても『雨やどり』『関白宣言』『秋桜』『親父の一番長い日』『北の国から』など、温かな涙の果てに、涙あふれる独壇場世界を紡いできた著者の、真骨頂とも言える、初の自伝的実名小説。
(小学館HPより)
さださんのお父さんが危篤の状態だというところから話は始まり・・・・
父親の過去、さださん自身のルーツも語る本書。
とても男らしくて、格好いいお父さんでした!
金利取立てのやくざを見事に追いやり、逆に慕われてしまう話は最高でした!!
みんながその死を残念がって、でも悲しみに暮れているだけは、喜ばないと
皆が最後は笑顔で送り出す姿に温かい気持ちが伝わってきた。
最後の家族写真・・・・・いいなぁ~。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;