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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年5月


 容疑者は、ごく平凡な主婦――のはずだった。
殺人と巨額詐欺。交錯する二つの事件は人の狂気を炙り出す。戦慄の犯罪小説。

人が罪を犯すのに、理由などいらない……。
大藪春彦賞作家が描く、戦慄の犯罪小説!!
家事と育児に追われ、かつての美貌を失った高村文絵。彼女はある日、趣味の懸賞でデイナーショーのチケットを手にした。参加した会場で、サングラスをかけた見覚えのない美女に声をかけられる。女は『加奈子』と名乗り、文絵と同じ中学で同級生だというのだ。そして、文絵に恩返しがしたいとある話を持ちかけるが――。一方、鎌倉に建つ豪邸で、殺人事件が発生。被害者男性は、頭部を強打され凄惨な姿で発見された。神奈川県警捜査一課の刑事・秦圭介は鎌倉署の美人刑事・中川菜月と捜査にあたっていた。聞き込みで、サングラスをかけた女が現場を頻繁に出入りしていたという情報が入る……。日常生活の危うさ、人間の心の脆さを圧倒的なリアリティーで描く、ミステリー長篇。

                   (幻冬舎HPより)




表題の意味が後半にわかって来ました。


終盤名前が突如上がった真野知世が悪い奴だったんだ~。
それまで、高村文絵と杉浦加奈子の話だったので、「誰その人?」と思ったけれど
なるほど・・・そういう事だったのかぁ~。

サスペンスドラマには、ありそうな話だけれど、文字で読んでいくので
騙されちゃいましたぁ~^^;

でも、悪い女・真野知世ですが、そうなった経緯には、少し同情する部分も
あった。


こんな状況に追い詰められたくないな・・・・。
あ、でも彼女には美貌があったから成し得た犯罪か?


嫌な話だったけれど、なかなか面白かった!


                        ★★★
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発行年月:2015年2月


 米崎県警平井中央署生活安全課が被害届の受理を引き延ばし、慰安旅行に出かけた末に、ストーカー殺人を未然に防げなかったと、新聞にスクープされた。県警広報広聴課で働いて4年、森口泉は、嫌な予感が頭から離れない。親友の新聞記者、千佳が漏らしたのか? 「お願い、信じて」そして、千佳は殺された――。県警広報課事務の私に、何ができる? 大藪春彦賞作家、異色の警察小説。

                     (徳間書店HPより)



ラストに向かうまでの過程は面白かった。
事件の真相を追うのは、親友の不可解な死の真実を突き止めるため独自に捜査する
警察事務員の森口泉。
泉と同期の警察官・磯川も捜査協力。

事件の背景に浮かんでくる、ある宗教団体の存在。
警察組織の闇の部分。
組織を守ることが最優先という姿勢に腹が立つ。

最後に泉は決断する。
警察官になろう!と。
事務職員では直接、犯罪捜査に関与出来ないから。
その志を応援する磯川。
2人の間には、強い信頼関係が生まれた。


これ、続編ないかなぁ~?
泉が警察官となり、磯川と犯罪捜査する話、読んでみたいなぁ~。

表題の「サクラ」は、花の桜じゃなかったんですね。
読んで意味がわかりました。


読みやすくてなかなか面白かった!


                             ★★★



発行年月:2014年8月



大藪春彦賞受賞作家、受賞後初の長編作品です!婚活サイトを利用した連続不審死事件に関与したとして、殺人容疑がかかる円藤冬香。しかし冬香には完璧なアリバイがあり、共犯者の影も見当たらなかった。並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯行動機に興味を抱いた週刊誌ライターの由美は、大手メディアを向こうに回して事件を追いはじめる。数奇な運命を辿る美女の過去を追って、由美は千葉・房総から福井・東尋坊へ――。予測不能!徹夜覚悟!「検事・佐方」シリーズで人気沸騰の著者が、満を持して放つ、驚愕と慟哭の傑作サスペンス

                   (宝島社HPより)




連続殺人事件の容疑者として逮捕された円藤冬香(43歳)。


その犯人の生い立ちから事件の真相究明まで探る週刊誌のライター・今林由美。
大手メディアの報道部記者・片芝敬(さとし)と情報交換しながら、真相を追う。


段々と分かって来た円藤冬香の過去。
その生い立ちは壮絶なものでした。

幼いときに、母親が亡くなり、父親と妹(沢越冬香)とワゴン車のなかで寝泊まりする
生活を強いられる。
父親は酒癖が悪く、幼い姉妹は暴力を日常的に振るわれていた。

父親は二人を戸籍にも登録せず、二人は学校にも行かず、世間と遮断された生活。
そんななか、姉が助けを求める。
が・・・・彼女たちは助けられず再び父親の暴力に怯える生活に戻る。


そして・・・・


ああ、こんな惨い生活をしている子どもが実際いるとしたら、どうやって
世間はその子たちを救いだしたらいいんだろ?

いろいろ考えさせられちゃう内容でした。

でも連続殺人までに至った経過も、幼少期の辛い体験が元だと考えるのは
ちょっと違和感あったな。
騙されて殺された人には罪はないわけで・・・。

もう少し違う彼女たちの未来が読みたかった。

しかし、一気に読ませる力は凄いな。



                          ★★★



発行年月:2014年10月


 ケースワーカーはなぜ殺されたのか
優秀な先輩の素顔を追って、
女性ワーカーが生活保護の闇を炙り出す!

結局、堕落者はいなくならないってことだ──

念願の市役所に就職がかなった牧野聡美は、生活保護受給者のケアを担当することになった。敬遠されがちなケースワーカーという職務に不安を抱く聡美。先輩の山川は「やりがいのある仕事だ」と励ましてくれた。その山川が受給者たちが住むアパートで撲殺された。受給者からの信頼も篤く、仕事熱心な先輩を誰が、なぜ? 聡美は山川の後を引き継いだが、次々に疑惑が浮上する。山川の知られざる一面が見えてきたとき、新たな惨劇が……

受給者、ケースワーカー、役人……
それぞれの思惑が交錯する渾身の社会派サスペンス!

                      (祥伝社HPより)




読み応えありの社会派ミステリーだったと思います。

巷でも問題の「生活保護不正受給」の実態が描かれていました。

主人公の牧野聡美は、市役所に就職1年目の新人。
福祉保健部社会福祉課で、生活保護受給者に接する。
最初は、仕事にやりがいを見いだせなかった聡美。
尊敬する上司の山川から「いつかこの仕事をしていてよかったと思えるときがくるよ」と言われたが全くピンと来なかった。

が・・・その尊敬していた山川が他殺焼死体となって発見される。
発見されたのは、山川が担当していた生活保護受給者たちが暮らすアパートの空き室。

山川が担当していた生活保護受給者たちを先輩の小野寺と二人で担当することに
なった聡美は、小野寺とともに何故山川が殺されたのか?が気になり
独自に調べはじめる。

そしてわかってくる真相。


生活保護受給者とヤクザとの関係。
本当にそんな実態があるのかな?
役所の仕事も複雑な対応を迫られることになって大変だ!


人間関係が上手く絡み合って、事件の真相に辿り着くまでハラハラドキドキしながら
楽しめました。

表題の「パレートの誤算」の意味は、ラストに明かされて、なるほど・・・・と。


生活保護受給者というと怠け者というレッテル視しがちな風潮があるけれど
本当に困って受給し出来るだけのことをしながら頑張っている人も多いということを
忘れたらいけないなと思った。


聡美が最後は、山川から言われた言葉の意味を理解できたことが良かった。


                      ★★★★
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