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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年11月

どうしようもない、わからない、取り戻せない、もういないー。
なかったことにできない、色とりどりの記憶が降り注ぐ。
最大注目新鋭作家、書き下ろし。

               (BOOKデータベースより/幻冬舎)





5つの短編ですが、連作の部分が多いので、これは全体を通しての

1つのお話と言ってもいいかも。
表題の「骨を彩る」の意味を考えると・・・・う~ん深いかも。


<指のたより>
10年前に妻を病気で亡くした津村。
不動産業を営み中学生になった娘・小春と二人暮らし。
最近、夢で見る妻の指が少しずつ欠損していく。
よく買いに行く弁当屋の光恵との付き合いが始まった。
光恵の趣味の千代紙細工の品が何故か好きになれない。



<古生代のバームロール>
恩師・柿崎の葬儀に出席する光恵。
柿崎には4年前に亡くなった母親のほか、身内がなかった。
同級生たちで葬儀を営むことにする。
埋葬して欲しいと書かれた遺書は柿崎の墓ではなくほかの場所。



<ばらばら>
実家の墓参りに行くため仙台駅行きの高速バスに乗っている玲子。
隣に座っている東京の薬科大生のサクラコと言葉を交わす。
サクラコは閉所恐怖症だと打ち掛ける。
そんな話を聞きながら思い出す自分の生い立ちについて。
今の夫の姓になる前に3度も姓が変わった過去のこと。
そして考える今の状況。これからのこと。


<ハライソ>
槌田浩太郎は浪人時代、ヨシノという不登校の中学2年生とネットのゲームを通じて
知り合った。
以後、ゲーム対戦したりチャットをしてお互いの近況を報告し合っている。
今は、浩太郎は不動産会社に就職(1話の津村の元)ヨシノは薬科大生になった。
お互いの恋の進展具合を喜び合う。



<やわらかい骨>
津村小春は中学生。
クラスに転校してきた葵は、キリスト教の信者なのか?お弁当を食べる前に
十字を切るような動作をする。そんなことがあってかクラスからは浮いたかんじ。
誰も葵に近づかない。
けれど、小春と同じバスケ部に入部してきた。
バスケがうまい葵から絶妙なタイミングでパスしてもらい、今までで一番の
シュートが出来た。
それを機に親しくなっていくが、親友だった夕花とは逆に距離が出来てしまう。



日常のなかにあるちょっとした話であるけれど、登場人物たちの気持ちが
よく伝わってくる。
最後の話の主人公・津村小春は、最初の話にもちょっと登場の中学生の女の子。
幼い時に母親を亡くし、父親と暮らしている。
母親が居なかった生活は小春にとっては普通だったが、母親が居る友達の
何気ない言葉や言動に戸惑ったり・・・。
でも凄くいい子だなぁ~。
小春はこの先、どんな人生を送るんだろ?
ラストにあった温かい情景みたいなものをこれからも作って行ける女性に
きっとなっていけるんでしょう。


                         ★★★★
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発行年月:2014年2月


 
なにげなく働いているように見えるあの人も、
本当は何かに悩んでいるのかもしれない――あなたと同じように。
 
ブレイク必至の新鋭が、ありふれた雑居ビルを舞台に、
つまずき転んで、それでも立ち上がる人の姿を描いた感動作!

                     (光文社HPより)




5つの短編集。
とある雑居ビル内にで働いている人々の物語でした。


<泥雲>
手もみマッサージ店を任されている41歳の女性。
離婚して今は中2の息子と小1の娘と暮らしている。
24歳の時、店に飾る絵を探し、みつけたお気に入りの絵をずっと壁に飾っている。
絵を描いたのは、ウツミマコト。雪が舞うようなその絵はどこか暗く寂しい。

息子との関わり方に悩む日々だけど、少しその関わり方がわかりかけたラストは
ホッとした。


<7番目の神様>
カフェ店長の橋場。
同じビル内の上の方で勤務する藤原に誘われて合コンに参加。
そこで知り合った笑美とのデートで映画を見る。
ウツミマコトの「深海魚」という映画が好きと言うが、自分はその良さがわからない。

正直に「わからない」と言えたことで、ふたりの関係が良い方向に変わりそうで
ほっこり(^^)


<龍を見送る>
古書店でバイトする朝海20歳。
アマチュアバンドで作詞作曲を担当している。
バンド仲間の哲平とはネットの音楽のコミュニティサイトで知り合った。
二人でユニットを組み、ある程度の人気が出たが、突然、哲平はほかの女性と
ユニットを組むことを決め現在のバンドから抜ける。

勝手過ぎる言い分にズバリ言った朝海。
格好いい!もっと良い出会いがきっとあるよと言いたくなった。


<光る背中>
IT会社事務員の十和子28歳。
一流会社勤務34歳のプレイボーイ上条由隆に夢中。
メールをしても返信はない。けれど、突然、デートに誘う。
誘われれば、嬉しくていつでも出ていく。そしてそのデート中のことを思い出して
落ち込むの繰り返し。

でも、最後はきっちり見送ることが出来て良かったね~。
見送って正解!


<塔は崩れ食事は止まず>
以前はカフェオーナーだった天音は、今はホームセンター勤務。
カフェ時代一緒にやっていた郁子とわだかまりを残したまま。
ずっと不眠に悩まされている。
マッサージに訪れ、施術後、不眠症をきちんとお医者さんに直してもらうべきと
助言される。

職場の同僚の子どもを預かることになり、その子と過ごす時間のなかで、何か気持ちが
前向きになっていく様子が良かった。


5つの短編、それぞれ頑張っている人たちの姿を描いていた。
身近に居そうな人たち。


どの話にも出てくるウツミマコトの映画「深海魚」。
ストーリーは簡単に書かれていたけれど、その話を長編みたいに書いて
くれないかなぁ~。すごく興味を覚えてしまった。
好きだという人と嫌いだという人、両極端な評価だという映画。
自分はどっちかなぁ~?


面白い短編集でした。
ほかの作品もぜひ、読んでみたい!


                           ★★★★★
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