発行年月:2015年10月
すぐそこに、幸せはあるはず。
なのに、どうして遠回りしてしまうのだろう。 同じ道沿いだけれど生活環境も雰囲気も違う街 そこで暮らす女たちのリアルで切ない恋物語 東京・環状八号線沿いは電車で行くとまわり道。直線距離は近いのに…… 迷い悩み傷ついても、選んだ道をゆくしかないんだ―― ・荻窪在住:真希――――女優を目指す劇団員。バイト仲間に片想い。 ・八幡山在住:絵梨―――同棲相手のエリート会社員はDV男だった。 ・千歳船橋在住:亜実――新婚生活なのになぜか不安。そんな時、元彼に再会して……。 ・二子玉川在住:芙美――高級マンションに暮らす専業主婦。夫の浮気に苦悩中。 ・上野毛在住:里奈―――美人で仕事も順調。だけど、肝心の恋愛が空回り。 ・田園調布在住:麻夕――お金持ちのお嬢様。好きな人と住む世界の違いを感じて……。 (祥伝社HPより) 短編かと思ったら・・・登場人物たちが繋がっていく連作でした。 2番目の話、絵梨の同棲中の小山貴志が野毛山在住の里奈と 急接近するのは危ないなぁ~。 DV男って一緒に暮らさないと本性出さないのかな? どの話の主人公たちもし幸せを感じていないのが、なんだか辛い。 話としては面白かったけど・・・。 ★★★ |
発行年月:2015年8月
中学生なら誰だって、親にはいえないことがある。友達にも――。好きな人にも――。
中学2年生、女子。部活は別々だけど仲良し三人組のはずだった。目立つグループのあの子に、声をかけられるまでは――。本当のことばかり口に出していたら、生きてなんかいけない。特にここ、学校では。そう、14歳たちの感情は静かに、爆発を準備する。淡くて、残酷で、拙くて、美しい、かけがえのないあの日々を描いた青春小説。
(新潮社HPより)
確かに青春小説ですが、これは闇の部分を描いていて、嫌な話だけれど
凄くリアルな話だった。
主人公の冴木美羽は、普通の家庭の普通の女の子ですが、
周りの友達の影響で、ついつい流されて万引きまでしてしまう。
いつも人から嫌われたくないと思って居る。
思春期の女の子の心理描写がよく描かれていて、自分の中学時代もこういう感情は
あったなぁ~と懐かしく思う部分もあった。
誰かの秘密にしたいであろうことを目撃しても、それをどうするかは考えない。
ヘタに大人に喋ったら面倒なことになるだけだから・・・。
わたしたちの時代と大きく違うのは、今はLINEとかあること。
これはシンドイだろうな。
家に帰っても休みの日でも関係なく繋がってしまう。
唯一、美羽の両親がちゃんと子どもの行動を見ていて間違いを正すことが出来る
人たちだったのが救い。
今、中学生の子どもが居る人が読んだら、ドキッとする内容かも。
★★★
発行年月:2015年3月
夏休みが終わってバスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていた――。
中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。気がつくと二人は、いつもと「少し違う」世界に迷い込んでいた。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女……不思議でどこかなつかしいこの世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。
あの日、何かができたのかもしれない。追憶が導く、過去と未来を繋ぐ“夢の中”。
一作ごとに違う風景を見せてくれる実力派作家の待望長編。
(講談社HPより)
不思議な話だったなぁ~。
でも、こういうの面白い。
パラレルワールド的な話。
中学3年生の小玉ハルと29歳の掛橋大地の日常を描きながら
二人が、同じ場所に居合わせることが度々。
ハルは、友だち付き合いにやや困惑している。
仲良しのあかりのもうひとりの仲良しのユッチの事が苦手で、ユッチから
いじわるな発言を度々浴びせられる。
15歳年上のシュウジが小さい時から、ハルにとっては良き理解者。
そのシュウジが突如現れる。
掛橋大地は、デザイン事務所のデザイナー。
後輩の谷川は自分はこんな事務所に居るような人間じゃないと思っていて、
大地と度々衝突。
大地は10年付き合っている由里と同棲中で、彼女が妊娠したのを機に
結婚を迫られている。
小中学校で同級生だった伊吹あやめが突如現れる。
彼女は虐められていた。自分はそれを見て何も言えなかったし何も出来なかった。
ハルも大地もモヤモヤした気持ちを日常のなかで抱えながら生活しているのが
似ている。
本来の日常とは離れた場所で、出会った人たちと交流しながら
普段の日常のなかでの気持ちが良い方向に向かったのかな?
特に大地は、幸せな家庭を築いていこうと前向きに結婚を考えた様子で
良かった良かった(^^)
不思議な話だけれど、読みやすかった。
★★★
発行年月:2014年10月
大学の研究室に置かれた、あやしい“タイムマシン”。
美歩は、中学生の自分にある大切なことを伝えるため、 半信半疑で乗り込むが…(「過去ミライ」)。 ほか全7編、注目の若手実力派が贈る青春SF短編集。 (集英社HPより)
7つのSF短編集。 タイムマシンとかロボットとか日常的にある世界の話。 <過去ミライ> 仙台の大学生・西村美歩は、平沼教授(37歳)の持っている
タイムマシンで過去へ。 東京の大学に通う恋人のあゆむに告白する作戦。 自分が付き合う前にほかの女子と付き合っていたのが悔しいからという
何とも馬鹿げた理由が笑える^m^
<熱いイシ> 念願のカフェを開いたフミと宏文。
二人は同棲中。カフェを仕切るのは主にフミ。
宏文はフミにカフェをまかせて自分は雑貨を買い集めるのに忙しい。
愛情が冷めたかな?とやや不安になるフミに常連客の田中君が
不思議な石を持って来てフミに握らせ、その後、宏文にも同じように
握らせると・・・・
ちょっとホンワカ。田中くんは恋のキューピット。
<自由ジカン> 子どもの頃から念力が使える中学二年生の少女。
その力を知っているのは、家族と幼なじみのショウジのみ。
けれど、ある日、テレビ出演すると決める。
ここで最初の話に出てきた平沼教授登場。
テレビ出演時に「気をつけて」とアドバイス。
<瞬間イドウ> 32歳の独身女子の一瀬。
給湯器から万里の長城。エレベーターからパリ。満員電車からニューヨークと
瞬間移動。
最後のオチ・・・移動はしない、異動願いを出す!
<友達バッジ> 小学3年生のサトシ。友達の哲ちゃんと遊ぶ日々。
いじめっこの石井君と久保君に時々二人共、虐められる。
そんなある日、家の向かいに住む田中くん(30歳)が友達バッジをくれる。
付けて行った翌日、いじこめっこの二人が「一緒に学校に行こう」と誘って
くれて、遊びにも誘ってくれる。そして哲ちゃん虐めも一緒にしてしまう。
サトシは良い子だな。
自分の過ちにすぐ気づいて。
<恋人ロボット> 東京の大学生のあゆむの友だちたちは最近、流行の家庭型ロボットを
恋人代わりに学校内でも連れ歩いている。 自分には、仙台に恋人の美歩がいるけれど、
友達の薦めでロボット(アイちゃん)を購入。 美歩には気を遣うけれどアイちゃんには料理の味付けにも文句が言える。
スケジュール管理も任せられる。
便利で可愛いアイちゃんより、やっぱり美歩の方が好きと
気づいて良かった~。 <惚れグスリ> 田中君は長谷川さん(職場の同期)に好意を抱くが、
長谷川さんは友達扱いのまま。 惚れグスリでもあればなぁ~と馴染みのカフェで言ったら、
カフェの主・宏文さんが 「あるよ」とくれた。
<熱いイシ>で登場のカフェの二人が結婚して、
フミさんのお腹には赤ちゃんという展開は嬉しい♪ 田中くんの恋も実りそうで、良かった。
ここで、小学生のサトシと哲ちゃんの様子もちょっとわかる。
二人は良き友であり続けるんでしょう。
楽しい短編集でした♪
★★★
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発行年月:2012年12月
この街でなら、明日が変わる。
海が見える市立図書館で働く20、30代の4人の男女を、誰も書けない筆致で紡ぐ傑作連作中編集。
一年あれば、奇跡も起きる。
●「マメルリハ」……7月、僕の変わらない日常に異変が起きた。
●「ハナビ」……11月、私のまわりで違う何かが起きている。
●「金魚すくい」……2月、俺はまた理解されずに、彼女を待つ。
●「肉食うさぎ」……5月、わたしの誕生日を祝う人がいる街で。
(講談社HPより)
とある市立図書館で働く人たちの物語。
主人公が代わりながら連作形式で進む・
<マメルリハ>
図書館司書の本田31歳(男)。
インコのマメルリハと暮らしている。
毎日何んら変わらぬ日常に、新しく派遣職員として来た鈴木春香の存在が
彼の日常を変えていく。
<ハナビ>
図書館司書の日野25歳(女)。
花火大会のとき、先輩の本田が亀すくいですくってくれた亀をハナビと名付けて
飼っている。
本田に好意を抱くが本田は自分に恋愛感情はなさそう?
<金魚すくい>
本田と同期の松田。
図書館と併設する児童館の職員として働く。
女子中学生を恋愛対象として特別な感情を抱いているが、本田以外はそのことを
知らない。
<肉食うさぎ>
図書館の派遣職員の鈴木春香25歳。
うさぎのデニーロと住んでいる。
アイドル並みの容姿。
デニーロを売っていた男と以前付き合いDVに悩まされて逃げてきた。
図書館での契約は1年。
4人の男女のそれぞれのこと。
それぞれの人間関係の絡みが面白かった。
本田と春香は、相思相愛に徐々に展開していくのが読んでいて楽しかったけれど
日野と松田の関係は、どうなんだろ?
松田は急に辞職したというけれど、その後、どうしているのやら???
過去に起きたことも何やら深刻で、一番、今後のことが心配な松田の
その後が分からず仕舞いというのがちょっと不満だな~。
もしかして続編ありってこと?
でも、これ2012年発刊なんだよね。
その間続編らしきものはないかんじだしなぁ~。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;