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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年10月


 アフリカの小国のODAに関するテロ組織の内偵を進めている公安警察官で沖縄出身の友利。捜査線上に謎の男「ユダ」が浮かぶものの、政府、商社、テロ組織の壁が立ちふさがる。国家の正義とは何か? 個人の正義とは何か? 二つの正義の間で揺れ動く友利が選んだ道とは? そして「ユダ」の正体は? 著者渾身の国際謀略小説、ここに登場!

                    (朝日新聞出版HPより)




今回も読み応え十分!

社会派ミステリーでした!

主人公・友利守(34歳)は警視庁公安部所属で、海外から入国する過激派と接点ありと
疑われる人物を監視する職務に就いている。

物語にはアフリカの小国・マムリアという国が出てくるのだけど
「え?こんな国あったっけ?」と思わず地図帳見ちゃいました^^;
架空の国だったんですね~。
でも、アフリカという国が抱えた問題をこの物語のなかで考えさせられました。
人々の暮らしはとても貧しい。
しかし、自然は豊かで、広大な大地のなかにウランが埋蔵されていることがわかり
世界中がそれを狙う。

日本の企業も進出し、なんとかそこで事業を展開したいと考えている。

そして、日本に旅行者として訪れたマムリア人たちが次々に謎の死を遂げる。
犯人はだれか?


物語の中盤あたりで「もしかして、この人犯人?」という人が登場します。
けれど、悪人という雰囲気でなく・・・
その犯人の最期はなんだか切ない感じだったな~。

物語に並行して主人公の守が子どもの頃から好きだった知念可奈とのことが
気になっていた。
同じ沖縄出身で、可奈は大学の准教授。
守は、妻帯者だが、可奈は独身。
「え~っ?」と思う行動には幻滅したなぁ~。
最低の男だな・・・嫌いだこういう男は!(怒)
可奈が可哀想で仕方ない。
この二人の関係は、折角の社会派ミステリーを楽しむ側には余計な話としか思えず
残念だったな~。


ま、物語は面白かったので、辛めの★は3つにします。


                             ★★★
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発行年月:2014年6月

警視庁保安課の刑事・上月は中国語の通訳捜査官・城らとともに池袋の雑居ビルに家宅捜索に向かう。容疑は入管法違反。取り調べると、拳銃や覚醒剤が出てきた。拳銃の線を洗うと、「竜生九子」という在日華人の組織が浮かぶ。在日華人の人脈を持つ城が独自に捜査を進めると、一人の中国人の名が。その矢先、城の妻子が拉致される。――日本と中国。二つの国の間で揺れる男たちの葛藤を描く警察小説。

                     (双葉社HPより)






日本に在住している中国人たちの闇社会を描いた小説でした。

日本の犯罪に関わってきている中国人たち。
彼らがどんな生い立ちで存在しているのか、小説のなかから知り、なんだか
恐ろしくなった。
実際、こんな風に在住している中国人がいるんでしょう。。。
ま、中国人に限ったことではなく他のいろんな国からの人が。


警察官・上月千里と城正臣のコンビはいい!
彼らの活躍する話がまた読めないかなぁ~?

城は、警視庁通訳センター勤務。
妻が出奔し、5歳の娘・ホノカと二人暮らし。隣に住む上月の妻が時々、ホノカを
預かる。
その出奔していた妻・凜子が突然、戻って来たところから、いろいろな事件が
発生していく。


凜子の人柄がイマイチ掴めずでしたが、このまま留まって、再び娘の元で
暮らしてくれたらいいな~最後は思った。


物語としては、あまり面白くなかったかな?
文章は読みやすいので、スラスラ読めたけれど・・・。


                           ★★★
 




発行年月:2014年3月

201×年――新型ウイルス『バベル』が蔓延する近未来の日本。そのウイルスに感染して発症した人間の大半は言語に障害を来たし、場合によっては意思の疎通まで不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限、日本経済は大打撃を受けた――。その後日本政府は巨大な壁「長城」を建設、「長城」の内と外で感染者と非感染者を隔離する政策を推進する。日本は一種の鎖国状態に入る。
その後感染者の中には隔離政策に抵抗、破壊活動や「長城」に侵入しようとする集団が発生する。その一方で「言語を伴わないコミュニケ―ションの可能性」をさぐる新しい動きも胎動してきて――。しかし日本政府はその可能性を否定するように、非感染者だけを収容する「タワー」を建設、一層の隔離政策をとるように。さらには「バベル」感染者がインフルエンザに感染すると死に至るケースがあることから、インフルエンザウイルスを使った悪魔的な計画を実行しようとするが……。
ウイルスとは何か? 新しいコミュニケーションの可能性とは? 福田和代にしか描きえないバイオクライシスノベル。

                     (文藝春秋HPより)



福田さんの書く物語は、いつかこんな事、起きるかもしれないというものなので
こんな状況になったら、自分ならどうする?とつい考えながら読んでしまう。
今回の話は、新種のウイルスによって脳症を起こす致死率の高いバベルが流行する
話。
発症後、命は助かっても後遺症として言語を失うという。

国は日本の言語、文化を後世に残すため優秀な教師数百人と優秀な子どもたち
(4歳~17歳)を集め高層建築物(タワー)に隔離する計画を実行する。
そして、非感染者と感染者を分けて住まわせるためコンクリートの塀を設ける。

さらに恐ろしい計画を実行しようとするが・・・



主人公の如月悠希は、物書きとして情報収集をする。
兄の直巳は、ウイルスを研究しバベル撲滅のため奮闘する。
ほかにも真実を伝えようとする外国人ジャーナリスト・ウィリアムや
自身も感染した野村医師。

一生懸命、人の命を救おうと奮闘する人たちの姿は素晴らしい。


でも国(総理)の考える事って恐ろしい。
国民のある程度の犠牲は仕方ないという考え方。
犠牲になるに値する命なんてないはずなのに・・・。

なんか、今の集団的自衛権を推し進めようとする総理の姿とダブって見えてしまった。
そういう意図が著者にあったのかはわかりませんが・・・


ラストはどうなる?と思ったら、よくわからないうちにウイルスは終息した?
めでたしめでたしの終わりと考えていいのか???


ま、経過がハラハラドキドキだったので、楽しめましたが。


                            ★★★

 



発行年月:2013年5月

地下鉄・地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言する若者たちの目的とは。クライシス小説の旗手が描く緊迫のサスペンス。

              (PHP研究所HPより)


地下鉄が走る地下に爆弾を仕掛けたと宣言したのは、大学生たち。
その首謀者・朝宮は、経済研究所所長・鬼童征夫の勉強会で学んでいた。
鬼童は若者たちに今の日本の経済状況を教えると共に口癖は「革命を起こせ!」。
過激な物言いの鬼童の言葉に触発されたのか?
鬼童も地下制圧に加担しているのか?

そして、地下鉄の保線作業を日々行っている的場哲也。
5つ年下の弟・洋次は大学卒業後、酒色した会社を2年で退職し、今は無職。
洋次も鬼童の勉強会に通っている。


鬼童の講義は、日本経済について。
年金制度やら若者の雇用体系についてなど。
ニュースで聞いたようなことが多々・・・・。

若者の選挙権放棄が若者の首を絞めているということは、納得出来る。
有権者=高齢者みたいに候補者が考えているとしたらそれは問題。

なるほど・・・とメモしたくなるような内容がほかにもいろいろ。

真面目で優秀な若者たちが、そういう講義を聞いたら、朝宮のように考え行動しちゃう
ことに違和感はない。
やり方は過激だけれど・・・。
誰も傷つけずに世間の人たちに、今の日本の現状にもっと怒りの声をあげようと説くことは
意味があることかも。

しかし、優秀な若者が罪を犯した事実は残念。
彼らが罪を犯してまでやらなきゃいけないことだったのかなぁ~?

彼らの親の立場になったら、辛すぎる。

保線作業に携わる的場たちの働きには感動した。
危険な爆発物発見のために、それに関われることを誇りに思って働く彼らは
格好よかった。


面白くないわけではないけれど、ちょっと後味は悪いかな?
若者が読めば、もっと違う感想なのかもしれないけれど・・・。


                        ★★★




 




発行年月:2013年9月

クリックだけで日本が壊れていく……!
通信・交通の破壊から原発攻撃、開戦までがこんなにもたやすく!
21世紀の戦争に天才ハッカーら官民の精鋭が挑む
驚愕のサスペンス巨編

使命はサイバー戦争から日本の平和を守ること
2014年、防衛省に《サイバー防衛隊》が設置された。ネットワークを介したあらゆるテロに対処する、官民の精鋭を集めた組織だ。通称サイバー・コマンドー。民間からは若き天才ハッカーの明神海斗(みょうじんかいと)と、米セキュリティ企業出身の出原(いずはら)しのぶが参加した──海斗たちが悪辣(あくらつ)ロシア人ハッカーの捜査を進めていた時だった。全国で通信障害が多発し、もの作り日本を支える各地の工場では原因不明の稼働率低下が発覚した。海斗は真相解明のため、急遽(きゅうきょ)、浜松(はままつ)の自動車工場へ向かうが、駅のホームに降り立った直後、後続の新幹線が突如暴走し大破する。惨劇は鉄道だけではなかった。信号、電話…あらゆるライフラインが海斗の眼の前で崩壊していった。サイバー攻撃が始まったのだ。誰が? 何の目的で?
衝撃のラストに戦慄(せんりつ)する超弩級エンターテインメント

                     (祥伝社HPより)


福田さんの書かれる話は、フィクションなのに、今後起こりうるかも?
と思えるから恐ろしい。

サイバー攻撃の恐ろしいところは、目に見えないところで
どんどん破壊行為が行われていくということ。
ミサイルが飛んで来るとか、銃弾が飛んで来るとかじゃないのに、
日常生活が一瞬で麻痺状態に陥るところ。

コンピューター制御されたものばかりのこの時代。
こんなことが起きたら、どうすりゃいいの?

ラストは米中戦争勃発の寸前で止められてホッとしたけれど、怖い話だったな。

コンピュターの知識は、殆どないけれど、最初から最後まで緊迫した状況を
堪能させて貰いました。


                        ★★★★
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