発行年月:2024年10月
万作・おたま夫婦が継いだ千吉親分の文庫屋が、放火により火事になった――。
下手人は、台所女中のお染だというが、親分の家でお染に世話になった北一は信じられず、その疑いを晴らすべく奔走する。
さらに、焼け出された人たちが過ごす仮住まいでも事件が起きていた……。
そんななか迎えた新しい年。北一は、ある事をきっかけに、三十年近く前に起きた、貸本屋・村田屋治兵衛の妻殺害事件の真相を明らかにしようと決意する。もちろん、湯屋の釜焚きをしている相棒・喜多次の協力は欠かせない。二人は、この難事件を解決することができるのか。
「ぼんくら」シリーズ(講談社文庫)の人気キャラクター「おでこ」も、二人を助けてくれる存在として登場。
岡っ引き見習いの北一と、謎多き相棒・喜多次の「きたきた」コンビによる物語で、著者が「作家生活三十五年、集大成のシリーズ」と位置付ける時代ミステリー第三弾!
(PHP研究所HPより)
北一、喜多治、おでこが登場のこのシリーズ、毎回楽しい。
扱う事件は深刻なんだけれど、北一が暮らす富勘長屋の人々も明るくて
ほのぼの。
今回は二つの事件
<気の毒ばたらき>は
岡っ引き見習いとして師事してい千吉親分がなくなり、そのあとを
万作・おたま夫婦が継いでいるのだけど、そこが家事で焼失する。
そしてそれは放火によるものだと。
火をつけたのは、北一も良く知る台所しごとを請け負っていた住み込み女中の
お染。
お染は火をつける3日前におたまからお金を盗もうとしていたところを
目撃され、解雇されていた。
お染が世話になった場所に火を放つなんて、ちょっとショック。
その理由も、少し解せないものだった。
・自分の病が重く余命短い。
・奉公にあがるまえ、子どもを産んでいて、養子に出され、成長して
貧しい町医者として働いている。その子のためにお金を渡したい。
そんな理由で火、つけるかな??
ちょっと納得いかないな・・・・。
切羽詰まった精神状態で、やってしまったことなんだろうか?
気の毒ばたらき・・火事で人々が混乱しているのを悪用して「困りごとはないか?」
など気遣うふりをして近づき、盗みをすることらしい。
とんでもない人たちだなと呆れた。
二つめの<化け物屋敷>は
28年前、貸本屋の村田屋治兵衛の妻・おとよ(20歳)が
買い物に出たきり戻らず、10日ほどしてから酷い姿で遺体で見つかった事件。
下手人は捕まっておらず、当時、治兵衛が怪しいのではと疑う者も多かった。
北一は、治兵衛の潔白をなんとかして晴らしたいと奮闘する。
突き止めるために、おでこの知恵も借りる。
喜多治も助太刀に加わる。
北一自身も危ないめに遇いながら、真相を突き止めるのだけど、
下手人は亡くなっていた。
こちらも、そんな理由で?と驚くものだった。
女が憎いからって、関係ない女性ばかりを何人も殺めるとは・・・。
そして、そんな悪人を今も慕っていた犬の彫りものをしている男が
本当に憐れで不気味だった。
重たい話だったけれど、最初から最後まで一気に読んだ。
そして最後の場面で、少し救われた。
お染の息子・菊地順庵と名乗る人物の登場が今後もあるかな?
北一は17歳になっていた。
喜多治に体を鍛えてもらって、もっと逞しくなっていくかな?
今回は、何度か危なかったから、ヒヤヒヤしたけれど
このシリーズまだまだ読みたい。
★★★★★
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発行年月:2024年10月
著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説
綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」――
音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と四人で暮している。
祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。
冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。
この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇
(小学館HPより)
冒頭の漫画家・音村綾のサイン会に訪れた祥川涼にいきなり持っていたキャンバスで
殴られる。
そして順番に過去に遡り、綾と涼の関係がわかってくる。
知り合ったのは16年前
綾が長野から美術を学ぶため上京し、アルバイト先のギャラリーで
知り合ったのが画家の涼。
涼は既婚者。
そんな二人がお互いに好意を抱く。
そこまでは、まあそういうこともあるかと思ったけれど・・・
綾は就職先で音村俊一と出会う。
その後、綾は長野の両親の経営するペンションに戻る。
父親が亡くなり、母親を手伝いたいと思ったため。
そして涼のことを忘れたい気持ちもあって。
音村俊一が、綾の元へ訪ねてきて、二人は結婚。
やがて妊娠。
でも、そこに涼が現れる。
う~~ん。
波乱の予感しかない。
訪ねて来たらダメだよ。
涼は綾が忘れられないというけれど、最初の妻が病死したあと
アルコール依存になったのをそばで支えてくれた作家の桜田藍子を
大切にしなきゃだめじゃん。
ホント、最低な男だな・・・嫌悪感↑
それから、夫の音村俊一もちょっと変。
衝撃的な事実もわかって・・・もう二人は一緒に暮らせないだろうな。
ラストは、傷害事件として逮捕された涼に面会したいと出向く綾。
対面前の場面で物語は終わるんだけど、どうなるんだろ?
子どもが居なかったら、涼とやり直すのもありなのか?とも思うけれど
息子の渉くんの存在を今は優先させてほしい。
だめになった僕は、音村俊一と祥川涼のふたり。
そんな風にさせたのは、案外、綾なのかもしれない。
結婚したのなら、涼とは会ったらだめ。
気持ちが残っているのなら、音村とは結婚するべきじゃなかったな~。
と、色々考えちゃう。
物語としては一気読みの面白さはあったけれど・・・
★★★
(小学館HPより)
冒頭の漫画家・音村綾のサイン会に訪れた祥川涼にいきなり持っていたキャンバスで
殴られる。
そして順番に過去に遡り、綾と涼の関係がわかってくる。
知り合ったのは16年前
綾が長野から美術を学ぶため上京し、アルバイト先のギャラリーで
知り合ったのが画家の涼。
涼は既婚者。
そんな二人がお互いに好意を抱く。
そこまでは、まあそういうこともあるかと思ったけれど・・・
綾は就職先で音村俊一と出会う。
その後、綾は長野の両親の経営するペンションに戻る。
父親が亡くなり、母親を手伝いたいと思ったため。
そして涼のことを忘れたい気持ちもあって。
音村俊一が、綾の元へ訪ねてきて、二人は結婚。
やがて妊娠。
でも、そこに涼が現れる。
う~~ん。
波乱の予感しかない。
訪ねて来たらダメだよ。
涼は綾が忘れられないというけれど、最初の妻が病死したあと
アルコール依存になったのをそばで支えてくれた作家の桜田藍子を
大切にしなきゃだめじゃん。
ホント、最低な男だな・・・嫌悪感↑
それから、夫の音村俊一もちょっと変。
衝撃的な事実もわかって・・・もう二人は一緒に暮らせないだろうな。
ラストは、傷害事件として逮捕された涼に面会したいと出向く綾。
対面前の場面で物語は終わるんだけど、どうなるんだろ?
子どもが居なかったら、涼とやり直すのもありなのか?とも思うけれど
息子の渉くんの存在を今は優先させてほしい。
だめになった僕は、音村俊一と祥川涼のふたり。
そんな風にさせたのは、案外、綾なのかもしれない。
結婚したのなら、涼とは会ったらだめ。
気持ちが残っているのなら、音村とは結婚するべきじゃなかったな~。
と、色々考えちゃう。
物語としては一気読みの面白さはあったけれど・・・
★★★
発行年月:2023年4月
雑誌「ゆうゆう」に5年間にわたり、現在も連載中の「羊のところへはもどれない」に加筆し、時系列に1冊にまとめる。執筆活動を続けるなか、著者自身が、50代になって変化した体調、かわらぬ旅やグルメへの好奇心、コロナ禍で変わった自宅での過ごし方、親との関係性など、小説では味わえない、作家の素顔が垣間見える本に。中島ファンだけでなく、ゆらぎやすい40代以上のこころを軽くしてくれる本。タイトルの「小日向(こひなた)」は、この連載中に、著者が住んでいた自宅があった文京区の地名。体やこころに不調があったとしても、「小さくとも、日向の明るいほうを向いて」生きるきっかけをくれる。帯コメントはかねてより親交のある俳優・室井滋さんにいただいた。
(主婦の友社HPより)
先日読んだ<坂の中のまち>で、出てきた<小日向>が表題になっているので
その界隈での話を集めたものかと思っていたら・・・ちがった。
もっと広く海外の話まであって、行動範囲が広いなぁ~と思う。
お姉さんはずっとフランス在住らしい。
そして姪っ子さんは日本の大学で学び、今はファッション関係のデザイナーとして
働いているとか。
中島さん、ずっと独身だと思っていたけれど、籍はいれたのかはわからないけれど
同じような文章を書く仕事をしている方と30歳過ぎから付き合い50歳くらいで
一緒に住んでいると。
夫婦別姓がOKになったら籍を入れようと書かれていたから、もう夫婦になったのかな?
物語も良いけれどエッセイも楽しかったなぁ~。
お薦めの台湾作家さんの本、読んでみたいな。
・歩道橋の魔術師
・自転車泥棒
著者は呉明益 訳者は天野健太郎
メモしておこう
★★★
発行年月:2022年7月
高校生の茜寧は、友達や恋人に囲まれ充実した日々を送っている。しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。ある日、茜寧は愛読する小説の登場人物、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢い――。 いくつもの人生が交差して響き合う、極上の青春群像劇。
(双葉社HPより)
誰からも愛されたいと、本音を隠して、好意を感じて貰える発言や行動をする茜寧。
そして愛読書である「少女のマーチ」のなかに出て来る人物が自分そのものでは
ないかと思い、その物語の主人公<あい>にそっくりなイメージの人を偶然
見つけて思わず声を掛ける。
その人物は<宇川逢>偶然、<あい>と言う名前であることに運命のようなものを
感じてしまう茜寧。
しかし、宇川逢は女性に見える容姿だったけれど、男性だとわかる。
なぜ、声をかけてしまったのかを説明する茜寧。
茜寧のことを変わっている子だなと思う反面、嫌なかんじはなく求められるまま
友達として時々、会う。
宇川逢が、理性のある大人でよかった。
茜寧の頼みに付き合ってあげたり話を聞いてあげたり・・・
けれど、本のなかの<あい>とは違うとわかって絶望したり・・・
なかなか厄介な子。
他にも女性バンドグループに所属している後藤樹里亜。
宇川逢の働くライブハウスで歌うこともあり、顔なじみ。
樹里亜も本当の自分を隠しファンが求めるカッコいい女の子を演じている。
こんな風に悩んでいると生きづらいだろうな・・・・。
茜寧は宇川逢に出会えてラッキーだった。
救われているんだと思うから。
登場人物たちの心理描写が細かくて、なかなか読むのに時間がかかった。
住野よるって作家は、なかなか独特な世界観を持っているな。
★★★
発行年月:2024年11月
「隣に座るって、運命よ」ずっとここにいたくなる、不思議系ラブストーリー
「隣に座るって、運命よ」
文豪ひしめく坂だらけの町の、不思議な恋の話。
大学進学を機に富山県から上京した、坂中真智は、おばあちゃんの親友・志桜里さんの家に居候することになった。
坂の中にある町――小日向に住み、あらゆる「坂」に精通する志桜里さん。書棚には「小日向コーナー」まであり、延々と坂について聞かされる日々が始まった。
ある日、同級生の誘いで文学サークルに顔を出すことになったが、集合先のアパートは無人で、ちょっと好みのルックスをした男の子が一人やってくる。
一緒に帰ることになった真智に、彼は横光利一の『機械・春は馬車に乗って』を「先生の本」といって渡して来、米川正夫、岸田國士、小林秀雄がいまも教鞭をとっているかのような口ぶりで……
ひょっとして、この人、昭和初期から来た幽霊なのでは?
江戸川乱歩『D坂の殺人事件』の別解(⁉)、
遠藤周作『沈黙』の切支丹屋敷に埋まる骨が語ること、
安部公房『鞄』を再現する男との邂逅、
夏目漱石『こころ』みたいな三角関係……
風変わりな人たちと、書物がいろどる
ガール・ミーツ・幽霊譚
目次
フェノロサの妻
隣に座るという運命について
月下氷人
切支丹屋敷から出た骨
シスターフッドと鼠坂
坂の中のまち
(文藝春秋HPより)
読みながら、「あれ?この話、読んだことある!」と気づく。
そうそう!前に読んだアンソロジー「いつかアジアの街角で」に登場した
真智の話なんだ!
もっと続きが読みたいと思っていたから嬉しかった♪
富山の実家から東京の大学進学のために上京し、祖母の親友だという
志桜里さん(72~73歳)の家に下宿する坂中真智。
大学の講義でとなりに座った「よしんば」と仲良くなり
誘われた文芸サークルの参加することになり、出かけた先で知り合った別の大学の
永福颯太。母親が台湾人で小学校までは台湾で暮らしていたという。
最初の出会いから、なんだか楽しいふたり。
二人の物語が続いていて嬉しい。
志桜里さんが実は本当の祖母だという事実。
真智の母親・珠緒は志桜里の親友・澄江に実の娘を育てて貰うことになった
のだけど、その経緯とか、なかなか凄い話だった。
でも、そうしたことが正解だったんだと感じた。
東京の下宿先は小日向。
周りには、坂が多く、文豪たちも沢山、住んでいたという。
颯太と一緒に謎のおじさんの行きたいという場所まで案内する場面は
ちょっと面白かった。
あのおじさんは、何処に何の目的で行きたかったのか?
謎のまま。
エピローグでは大学卒業後の真智と颯太。
友達のよしんばと金子泉。
それぞれ自分たちの進む道へ向かっていったんだな・・・・
真智と颯太のその後の話もまたいつか読めるといいな。
東京の地理に詳しかったら、もっと楽しめたんだろうな~。
中島さんの次の「小日向でお茶を」を図書館で予約中。
近いうちにそちらも読むのが楽しみ♪
★★★★
(文藝春秋HPより)
読みながら、「あれ?この話、読んだことある!」と気づく。
そうそう!前に読んだアンソロジー「いつかアジアの街角で」に登場した
真智の話なんだ!
もっと続きが読みたいと思っていたから嬉しかった♪
富山の実家から東京の大学進学のために上京し、祖母の親友だという
志桜里さん(72~73歳)の家に下宿する坂中真智。
大学の講義でとなりに座った「よしんば」と仲良くなり
誘われた文芸サークルの参加することになり、出かけた先で知り合った別の大学の
永福颯太。母親が台湾人で小学校までは台湾で暮らしていたという。
最初の出会いから、なんだか楽しいふたり。
二人の物語が続いていて嬉しい。
志桜里さんが実は本当の祖母だという事実。
真智の母親・珠緒は志桜里の親友・澄江に実の娘を育てて貰うことになった
のだけど、その経緯とか、なかなか凄い話だった。
でも、そうしたことが正解だったんだと感じた。
東京の下宿先は小日向。
周りには、坂が多く、文豪たちも沢山、住んでいたという。
颯太と一緒に謎のおじさんの行きたいという場所まで案内する場面は
ちょっと面白かった。
あのおじさんは、何処に何の目的で行きたかったのか?
謎のまま。
エピローグでは大学卒業後の真智と颯太。
友達のよしんばと金子泉。
それぞれ自分たちの進む道へ向かっていったんだな・・・・
真智と颯太のその後の話もまたいつか読めるといいな。
東京の地理に詳しかったら、もっと楽しめたんだろうな~。
中島さんの次の「小日向でお茶を」を図書館で予約中。
近いうちにそちらも読むのが楽しみ♪
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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