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読んだ本の感想あれこれ。
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51UQ4swgEGL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年8月


狡猾で好色なノーベル賞受賞科学者ビアードは、同僚の発明を横取りしてひと儲けを狙っている。彼を取り巻く、優しくも打算的な女たち。残酷で移り気なマスメディア。欺瞞に満ちた科学界とエネルギー業界。ひとりの男の人生の悲哀とともに、現代社会の矛盾と滑稽さを容赦なく描き切る、イギリスの名匠による痛快でやがて悲しい最新長篇。



                                             (新潮社HPより)


いろいろな物語を書く作家だなぁ~。
今回のお話の主人公は、ノ-ベル賞科学者・ビア-ド。
ノ-ベル賞受賞後は、各地の講演など出向くものの、その後の研究成果はいまひとつ。
でも、ノ-ベル賞を受賞した事実があるだけで凄いと尊敬する!
普通ならば・・・・。

この主人公、私生活では全く尊敬出来ない。
5度目の結婚も破綻寸前。
今までの妻たちは、ビア-ドの女性関係のだらしなさに嫌気がさして別れているのだけど、懲りない人。
各地に講演に行ってはその地で女性に声をかける。
どうしたら、ベッドまで連れ込めるか?なんて妄想してる嫌なオヤジ^^;

ついには5番目の妻は反撃に出た。
自分も浮気をしたわけだけど、これがある事件を引き起こす。

自分の浮気は棚にあげ、妻の浮気相手には腹を立てるビア-ド。
まるでお子ちゃまですね・・・。

物語は3部構成で
1部は、ビア-ドの妻の浮気発覚に伴うある事件までの話。

2部は、5度目の結婚もついに終わり、独身の身になったビア-ドのその後。
そして、6番目の妻になる?メリッサとのこと。
仕事の方では同僚の研究成果を盗み、それをなんとか利益の出るものにしようと目論む。
あ~どこまで最低な男なんだろ?

3部では、ビア-ドの両親の話からビア-ドの子ども時代~青年時代の話が書かれ、なるほど~ビア-ゾの血は母親譲りであったのか?と納得。

最低な男だけど、運は良いみたい。
根っからの悪党というわけでもないから、どこか憎めないかんじもあるし・・・・

6番目の妻(?)との間に出来た娘・カトリオナがなにやらビア-ドの生き方を変えてくれそうなかんじだし、5番目の妻の浮気相手が尋ねて来て、告白されたことも、ビア-ドに何かを感じさせたかも?

最後に、ビア-ドのノ-ベル賞受賞時のスピ-チが載っていた。
これだけの言葉をしゃべった人の私生活が今まで読んでいたことなのか?と思うと、なんだか空しいかんじになったけど、案外、世の中、こういう矛盾だらけなのかもしれないなぁ~。

マキュ-アンのブラックなセンス炸裂なかんじの物語でした(^^)


★★★★★
PR
41aJGbw6yZL__SS400_.jpg発行年月:2011年8月


悪夢の事故が町を呑み込み、その直後、春子は生まれた。私は人の面を身につけながら、私と妻と娘、3人の家を守る。そう決めたのだ……
震災後の世界に贈る、破壊と再生の物語。



                      (河出書房新社HPより)




主人が図書館から借りて来ていたので、読んでみた。
表紙のかわいらしいかんじとは、全く違う内容で、ビックリ!

そうか~これは3・11のことを思って書いた物語だったのかぁ~と後で納得。

最初は、ほのぼのとした父と娘の描写。
母親はどうしたんだろ?と思っていたら・・・
え?天井と同化してる!?

そして、オバケの存在が普通にあって・・・見た目は人だけど、違う者の存在があり・・・・
SFのような、ホラ-のような・・・
幻想的な部分もあったりで、とても変わった世界がありました。

まさに想定外の物語。

物語のなかで、そんな世界が出来たのは、巨人化したものが起こした事故が原因とされている。
それは原発と置き換えられる。

そんな不思議な恐ろしい現実のなかにあっても春子の無邪気な可愛らしさがまぶしい。
子どもって、やっぱり希望なんだなぁ~なんてしみじみ感じた。


★★★★
 
 
41U2nrWTyBL__SS400_.jpg発行年月:2011年6月

感動はコミックにとどまらなかった。日本中が涙した大ヒット作を小説化。仕事も、家も、家族までも失った男が旅にでた。最後のパートナーに選んだのは愛犬・ハッピー。長い散歩を終えたとき交わされた、「ありがとう」の言葉がいつまでも響く。


                         (双葉社HPより)



コミックで評判になり、映画化では西田敏行さんが主演で、話題になった「星守る犬」。
最初から泣けると予測がつくものなので、覚悟して読みました。

原作コミックは知らないし、映画の内容もほぼ知らないので、主人公の男性が犬を連れて旅に出た背景にあるものが、こんなに重たく緊迫した状況だったことに驚きました!

ほのぼのした家族の一員になった捨て犬だったハッピ-。
その家の女の子・みくちゃんがまだ小学生の頃、拾ってきて、大事に育てると約束したのに・・・・・。

お母さんもみくちゃんもハッピ-に愛情を注ぐことがなくなり、お父さんだけが変わらぬ愛情をハッピ-に注ぎ、ハッピ-はお父さんが一番好きに。

そして、家族の関係がギクシャクして、お父さんとお母さんは離婚。
それから始まるお父さんとハッピ-の車上生活。

ここまで読むとなんだか、話の先が読めてきて、読むのをやめようかと思った。

マハさんの文章には犬への愛情を感じられて温かいものも伝わって来たのだけど・・・・

わたしがへそ曲がりなのかな?

ハッピ-と一緒に暮らしたこの家族に対する怒りみたいのが沸々と起きてきて・・・
お父さんももうちょっと何とかしようがなかったのかなぁ~!?
情けないよ、この人!なんて思ってしまった。

ハッピ-がとても可哀想。
自分のし放題に犬を付き合わせただけのような気もしてきて。。。。
ハッピ-も死ぬことなかったんじゃないのかな?
大好きな人のそばを離れることも出来ずに命尽きるなんて・・・・(;O;)


野犬扱いされて、人間に怪我を負わされた場面もすごく嫌な気持ちになった。

どうしてハッピ-がこんな辛い目に遭わなきゃならないのぉ~!!


これを読んで、ハッピ-も愛するお父さんのそばに居られたんだからきっと幸せだったんじゃないか?なんて綺麗に感想言う気になれないわ~(+_+)

読み終えて、表紙見たら、余計に泣けて来た!

あ~読まなきゃよかった。
苦手な小説でした。


★★
 
51QtUomVWYL__SX230_.jpg   発行年月:2011年2月


   大人気本格ミステリー、「女性清掃人探偵キリコ」シリーズ第4弾!
ポップなファッションで清掃作業員として働くキリコが、今回も鮮やかに事件を解決、となるか――事の始まりは、キリコがたまたま、夫・大介が通うオフィスビルの清掃を受け持ったことだった。ある日キリコは、見知らぬ女性から「夫の浮気を調査してほしい」と頼まれる。ところが思いがけない事件が発生して――。地味な妻と目が覚めるほど美形の夫、どこか不釣り合いな夫婦に秘められた謎に、キリコ&大介の名コンビが迫る、心があたたまる本格ミステリー。


                                        (実業之日本社HPより)


シリ-ズ物とは知らずに読んでしまいました^^;
けれど、全く困ることなく楽しんで読めました♪

オフィスビルの清掃作業員・キリコとその夫・大介の仲睦まじいかんじが◎!
この書以前では、二人が結婚する前の話もきっとあるでしょうから、順番が逆になりますがシリ-ズ最初から順に読んでみよう!


夫・友也の浮気を疑う女性・真琴から調査以来をされるキリコが夫の行動を追う。
そして、見つけた誰かとの密会に使われているらしいマンションの1室。
そこにいるのは誰か?
友也は本当に浮気をしているのか??


真相を追うことでわかる事実。
あ~そういうことでしたかぁ~。

真琴がちょっと気の毒。
でも、真実を知ってから、二人の関係がまた新たに作られていきそう。

二匹のアルマジロは、友也と真琴のこと。

硬い殻を脱いで寄り添える関係になれるといいなぁ~。


今まで数冊読んできた著者の作品とはちがって明るくコミカルな物語でした!
一応、ミステリ-の要素もありますが。
こういう作品もいいな。


★★★
 
519kfWsTwwL__SX230_.jpg   発行年月:2011年9月


   市で唯一の総合病院院長の父親の急死で理事を引き受けることになった風祭翔。ところが、病院が大赤字で倒産間際であることを知り、医療にも経営にも縁のなかった若者が経営改善に乗り出すことに…消えたアンケートの謎、勤務医たちの相次ぐ退職など、トラブル続発のなか、病院と「医療難民」を救う切り札とは……!? 病院のウラ側がわかる青春お仕事小説!


                                       (実業之日本社HPより)


医療とは無縁の道を選んだはずが、病院長を務めていた父親の急死で、仕方なく父親の抜けた理事の務めを引き継ぐことになった翔。
初めは、父親が残した任期3ヶ月をなんとか無事やり過ごすことだけを考えていたが、病院経営は破綻寸前であり、院内にはいろいろな問題がありそうだと知ると、何とか自分の出来る範囲で良い方向に向かわせられないか?と奮闘し始める。

翔の正義感に応援したくなり、同じように彼の人柄が現場の医師たちにも一緒に病院再建に向け頑張ろうとする仲間を得る。

病院経営の難しい面などもわかりやすく書かれていて、良心的に患者本位の医療をし続けることにこだわると経営不振になるという矛盾に、こういう制度のあり方はどうにかならないのか?と思ったりした。

病院再建に奮闘しながら、医師の道に進むことを拒んだ主人公が、医師の道を歩もうと決意するラストもジ~ンとした。
きっと良い医師になれるはず!

彼が医師として、再び医療現場に戻って来たあとの話もちょっと読みたいな~。


★★★★
 
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