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読んだ本の感想あれこれ。
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51Qv2rNnq0L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年1月


ラジオ局を訪ねてきた少年は、行方不明者のリストを握り締めていた。ペルー系アメリカ人作家による初長篇。

行方不明者を探すラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」。その女性パーソナリティーのもとを、一人の少年が訪ねてくる。彼が手にしていた行方不明者リストには、彼女の夫の名前もあった。次第に明らかになる夫の過去、そして暴力に支配された国の姿。巧みなサスペンスと鮮烈な語り。注目の新鋭による、圧倒的デビュー長篇。


                                             (新潮社HPより)


惹き込まれる様に読みました。
とある国に起きた内戦を巡っての物語。
内戦なので、戦闘により命を落とす場面が多く出てくるのか?と思ったらさほどではない。
でも、単純に戦闘により命を落とす危険よりも更に根深い何か目に見えない恐怖が伝わってくる物語だった。

物語は人気ラジオ番組「ロスト・シティ・レディオ」のパ-ソナリティを勤めるノ-マの元にある日、現われる少年・ビクトルとの出会いから始まります。


ビクトルは貧しい人々が暮らすジャングルのなかの1797村というところから来た。
手には村の人たちから託された行方不明者のリストを持っていて、ラジオ番組でリストにある名前を読み上げて欲しいという。

ノ-マは少年・ビクトルをしばらく預かることに。
そして、物語は過去を織り交ぜていく。

ノ-マの夫・レイも行方不明者なのだが、二人が一緒に暮らしていた頃の話。
レイの少年時代の話。
レイが自身の仕事(民族植物学者)の関係でジャングルのなかの村を訪れていた頃の話。

そして、段々とわかってくるレイの失踪するまでの様子とその後のこと。


時系列が一定方向じゃないので、やや面食らったけど、分かりにくくはない。
始終、よくわからないなんともいえない閉塞感がつきまとう。

内戦が終わっても、いまなお人々のなかの戦いは終わらないのかな?

架空の国の物語とはいうけど、凄いリアリティを感じた!


                                       ★★★★★


 
PR
51D9bT7ZnZL__SX230_.jpg   発行年月:2011年11月


   傷はいつかふさがり、ふたたび生まれ変わるだろう――



月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って肌をあわせる男と女。死の淵の風景から立ちあがる、生の確かなきらめき。つまづいても傷ついても、人生は何度でもやり直せる、きっと――。今注目の著者による傑作小説!

                                          (角川書店HPより)



期待を裏切らない作家さんのひとり。
新刊を心待ちにしてました!!

今回のお話は、今までのとは、ちょっと雰囲気違って・・・でもとても素敵なお話でした♪

短編連作のかたちで、登場人物に関係ある人が、それぞれ主人公になってお話が進む。
そして、最後は、みんなが集う場面で・・・
心が温まるお話になっていました♪


最初の話に登場の柿崎美和。
その後の話にも出てくる、瀧澤鈴音と八木浩一。
おなじ高校で共に医学部進学を目指していた親友。
八木だけ、学力、経済面など考えて放射線技師の道に進んだけれど、親交は続いていた。

鈴音が癌に侵され、自身が営む病院を美和に託したいと願い、美和はそれを受ける。
けれど、鈴音を助けてみせる!と心に決めて・・・・

鈴音と元夫・志田拓郎。
病院看護師の浦田寿美子と元患者の赤沢。
本屋の店長・佐藤亮太と元店員の詩緒。

それぞれの恋バナもなかなかよかったなぁ~。

八木だけ、ちょっと切なかったけど・・・・

物語の冒頭は、なんだか暗く重たかったので、、どんな話の展開になるのか??と不安だったけど良い意味で予想を覆す温かい物語でした♪


しかし、いろいろな話を書ける作家さんだな~。

ますますファンになった!!


                                          ★★★★★

 
79de6178.jpeg   発行年月:2011年11月

   戦国の世、信長の娘が選んだ「女いくさ」
   信長の血をもっとも色濃く受け継いだ娘、冬。
   生まれながらに背負った運命に翻弄されながら、
   夫・蒲生氏郷への愛と父への崇敬を胸に自らが信じる道を歩んでいく。
   その数奇な半生を辿る歴史長編。


                                (集英社HPより)




信長に娘がいたことは知っていましたが、名前までは知らず・・・
冬姫という人がこんな一生を送った人ということも本書で初めて知りました。

物語に主人公になる人は、多少脚色されて魅力的に描かれるものだとは思いますが、
冬姫の考え方や生き方には、共感できる部分があってとても好感が持てました。

今まであまり世の中に知られていないのが不思議なくらい。

信長の娘であり、それなりの誇りも持っているけれど、嫁いだ先の蒲生家のなかで夫・忠三郎(のちの氏郷)を支え、蒲生家が安泰に存続することを常に願って立ち振る舞う姿は慎ましかった。

キリシタンとなった夫を見守る広い心も持っていたし・・・。

本能寺の変以後、あれこれ噂された、安土城炎上の真相は、なかなか興味深かった。
作者の仮説だろうか?


信長の妹・市とその娘・茶々が、ここでは気位の高いやや嫌な女性として描かれているのも今までにはなかったので新鮮だった!



とにかく最初から最後まで、読みやすく楽しめた。

★★★★
 
51N2gI3FvnL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年3月


あのとき一緒にいたなあ、って記憶を、ときどきみんな思い出したりするのかな。――“あの頃”を一生懸命生きていた少女たちの青春グラフィティー。
私たち、漫才トリオを結成します!?
<トマト>優等生の依理(いり)
<ケチャップ>ちょっとクールな葉(よう)
<ス>おっとり者のゆな

さえない女子高生・連翹(れんぎょう)ゆなは、同級生の漆原(うるしはら)依理と山口葉から漫才トリオに誘われる。学校で1、2を争う美人で、しかも成績優秀なふたりからの唐突な勧誘に、ゆなは戸惑う。それぞれ家庭に事情を抱える三人のトリオ「トマト・ケチャップ・ス」はどうなるのか? そして、彼女たちのこれからは?


                                      (講談社HPより)




お気楽な女子高校生の日常を描いたお話?
いやいや東さんなら、もっと何か違う展開があるはず・・・・なんて思って読みました。

その予想は、ちょっと当たっていたかなぁ~?

最初は、お気楽なかんじで漫才トリオを結成した3人の女の子の会話やら、漫才のネタに
微笑ましく思うものがあったのですが・・・
段々と3人の家庭には、ちょっと重たい事情があることがわかってきて、どうなるんだろ?と先を読むのが早くなりました。

葉(よう)が、一番深刻な状況だったかな?
波乱万丈の急展開だったし・・・。

ひとりひとりが抱えるものはあるのだけれど、やはり友達って、そういう重たい気持ちも紛らせてくれる存在なんだなぁ~。
高校時代の友達って一生の友達になれるから、彼女たちもきっとずっと親交を深めていくんだろうな・・・なんて思って本を閉じました。

全体的には、爽やかな青春小説というかんじで、なかなか楽しめました。
東さんの作品のなかでは、意外と普通なのかも。


                                           ★★★
 
41oPKpdhGiL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年3月


ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。
悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる

おいしいものいろいろ詰め合わせ 心がほっこりあたたまる極上お料理小説

とくべつな日ではないけれど、それぞれのごはんがごちそうになる
今日も明日も、ごはんを食べる。一人で、二人で、家族そろって。誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に綴った23の物語。それぞれのメニューに材料リストつき。


                                      (講談社HPより)



料理名がついたお話23編。
のり弁 うどん トマト味の煮込み 煮豆 漬け物 ポトフ オレキエッテ 
クロックマダム お好み焼き 素麺 味噌漬け ラタトゥユ ホットコ-ヒ-
団子 ココナッツミルクのカレ- シャンパン ロ-ストチキン

どの話も日常の一こまを描いたような、どこにでもある、普通の話。
でも題名の料理がどういう風に登場するのか楽しかった♪

オレキエッテは・・・パスタの一種だけど、どんなのだっけ?と後でちょっと調べたら・・・
なるほど!平べったい耳のような形のパスタでしたっけ!

クロックマダムは知らなかったなぁ~。
物語のなかにも作り方があったけど、簡単そう!
今度、是非作ってみようかな?

しかし、橋本さんって確か、男性だと思ったけど、いろいろな料理知ってるんだなぁ~。
題名と一緒に料理材料まで記載されていたのが楽しい♪

ひとつひとつの話が短いので、空いた時間にちょっとずつ楽しみました♪


                                     ★★★


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