発行年月:2014年4月
人妻の恋は罪でしょうか?
心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。
二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。
すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。
側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。
今、ここで、心のままに生きられたなら――。
紫のにほへる妹(いも)を憎くあらば 人妻ゆゑに吾恋ひめやも
直木賞作家が描く、人妻の恋。
日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。
時代小説の新たな代表作。全国17紙に掲載された大人気連載、ついに単行本化!
(講談社HPより)
今までの作品とちょっと違う感じでしたが、やはり良かった!
女性受けする作品かも^m^
結婚する前に、好きだった人。
その人が窮地に追いやられた状況で目の前に現れたら・・・・
主人公の澪のように行動しちゃうかなぁ~?
結婚した夫・蔵太は寡黙でかつて好きだった笙平に比べると凡庸に見えてしまう澪。
夫と元恋人の間で揺れる女心・・・・時代小説なのに三角関係の恋愛小説。
果たして澪はどちらを選ぶ?なんて野次馬根性で途中まで読みましたが・・・
しかし、寡黙で冴えないかんじの夫・蔵太が、どんどん秘めた男らしさを出して来ると
読みながら蔵太にどんどん惹かれて行きました。
それは澪も同様で、夫の本当の優しさや強さに気づかずいた自分を恥じる気持ちに
なっていく。
そうなると、かつてあんなに好きだった笙平に思いを告げられても、揺れない。
蔵太、恰好良いぃ~!!
こんな男に惚れない女は居ないでしょ!?
そんな様子を半分面白がって見ている芳光院も最後は、強い味方になってくれて
ハッピーエンド。
蔵太の両親も実に良い人たちで、娘の由喜と息子の小一郎も利発で澪は幸せ者だなぁ~。
これからは、益々家族仲良く暮らしていくんでしょうね~。
笙平のお咎めがどうなっていくのかさえ、もうあまり関心ないようで、
女心の変わり様がちょっと可笑しかった。
葉室さんは女心、よくわかっていらっしゃる!と妙なところに感嘆しました^m^
正しい者が幸せになる葉室さんの作品は安心して読めます(^^)
次回作も楽しみです♪
★★★★★
発行年月:2014年6月
いびつでもかなしくても生きてゆく
『ラブレス』『ホテルローヤル』の桜木ワールドを凝縮。
直木賞作家による珠玉の作品集
奔放な実の母親とも、二度目の結婚でさずかった実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、千春とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。桜木紫乃の真骨頂がここにある!
(実業之日本社HPより)
■ひとりワルツ
つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。
中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。
■渚のひと
医大に通う息子が帰省する。
久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。
隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが……
■隠れ家
ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。
その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。
■月見坂
晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。
商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は……
■トリコロール
小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。
ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。
■逃げてきました
市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。
彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。
■冬向日葵
罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。
能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。
■案山子
東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす
元編集者・河野保徳の前に現れたのは……
■やや子
図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。
内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……
短編連作集でした。
「塚本千春」がどの話にも関わって来ました。
最初の話<ひとりワルツ>では、千春の母親・咲子の語り。
千春中学1年生で、咲子から離れ祖母と暮らしてる。
次の<渚のひと>で千春は高校生。
その後、成人した千春は、次々に男の人と出会い、関係を持ち、結婚もするが
離婚もして再び、別の男と出会い、子どもは一人女の子を産む。
その子の名前は、やや子。
最後の話で、やや子が短大を卒業し、立派な社会人として働いている姿が
出てきて、なんだか嬉しかった。
それまでの千春の生き様は、なんだか暗くて重たい感じだったので。
やや子の父親のその後の人生も幸せだった様子で、最後には、なんとなく
ホッとできる情報が知れて良かった。
次はどうなる?と読ませる力は、やはり流石です!
★★★★
発行年月:2014年4月
妻が出張先のホテルで死んだ。実は男との浮気旅行だった。幼い息子と土産の冷凍カニを残された夫は、妻の本心を探るため、不倫相手に会いにいく。各紙で絶賛された、芥川賞作家の最高傑作!
(河出書房新社HPより)
中編2つが収録。
1つは表題作の「ゆずこの形見」。
もう1編は「夢見入門」。
別の話ですが、少しだけリンクしていました。
<ゆずこの形見>は、妻を亡くし、保育園に通う息子と二人暮らしになった男の話。
妻の死は脳溢血。
ホテルで男と一緒だったと知る。
突然の死、その時の状況を淡々と受け入れて行く夫。
妻の作り置きしてあったおかずが冷蔵庫内にいっぱい。
なかでも一番の気がかりは旅先から送られた毛ガニ。
たぶん、男と一緒に行った旅行先の北海道から送られた物。
そして会社の同期の新井が末期がんで入院中と同じく同期の女性・原から知らされ
会いに行く。
淡々としたかんじで自分の死を受け入れている新井。
そして貸してくれた本「夢見入門」。
毛ガニは間男の真鍋に食べさせようと思いつく。
そして、原からすり身にするのもいいかもと教わり、料理やを予約し、鍋料理のなかに
手作りすり身団子を投入し、食べさせる。
面白い状況だった。
でも、妻の死も不倫してたことも、なんとなく受け入れて、この先、息子の裕樹と
2人で平穏に暮らしていくんだなぁ~と思える様子はホッとした。
次の話<夢見入門>は、先の話に出てきた本と同じもの。
持ち主は違うけれど、その本によって救われる男・梶尾。
性交時頭痛に悩まされ、脳神経外科を受診。
担当は女医の山口愛。
夢のなかで、現実とは違う行動を起こす。
何も問題は解決してないけれど、心の中で少し救われると楽になれるだろうな・・・。
しかし、性交時頭痛・・・辛い症状だな^^;
なかなか面白い本だったので、他の書物も読んでみたくなった。
芥川賞受賞の作品もまだ未読だったし・・・。
★★★
発行年月:2014年4月
内緒にしていた、ささやかな秘密。
本当のことを、こっそりお教えします。
あの事件は、どう解決されたんだろう。誰が犯人だったんだろう。彼は何をしようとしていて、彼女はどこにいっちゃったんだろう──。
知らされていなかった真相が、時を経て、意外なきっかけから解き明かされる。多彩な趣向が楽しいミステリー珠玉集。
(光文社HPより)
過去に起きたことの真相を、ふとしたキッカケで解明していくお話集というかんじかな?
どれも楽しめました♪
<沙羅の実>
不動産仲介会社の小日向弘司は顧客の家を訪問すると、そこの主が小学校時代、隣のクラスの担任だった。
そして20年前の事件について問われる。
弘司が何者かに連れ去られ、翌朝、保護された事件と同じ日に起きたもうひとつの事件の
関係性。
これは真相を知って、ちょっと重たい気持ちになったなぁ~。
<君の歌>
高校の卒業式を終えた湯沢芳樹に高崎が話しかけてきた3年前の事件について。
それは女子生徒が何者かに手紙で呼び出され、校舎内で暴行されかけた事件。
当時、犯人じゃないかと疑われたのはワルの3人組だったが、本当の犯人は
分からず仕舞いのまま。
高崎くんは、良い子だなぁ~。
事件の真相に気づきながらも当時、被害者だとされた子を庇おうとしてて
なんだかいい感じ。
最初の話が気が重くなるものだったので、ここで気分転換できたかんじ(^^)
<雪の糸>
一緒に暮らし始めたが、別れることになったカップルの会話。
喫茶店で話す二人の話をよく聞いている比呂美。
会話するカップルの話が、なかなか面白い。
この2人別れなくてもいいのになぁ~。
<おとなりの>
10年前近所で起きた殺人事件。
その日、高校生だった息子は熱をだし、学校を休んでいた。
しかし、途中で外出したことがわかり事件と何らかの関わりがあったのか?と
不安になる両親。
ああ、よかった、
外出していた理由が、事件と関係ないものでホッ。
<野ばらの庭へ>
ある企業のオーナー族の大奥様の回想録をまとめる仕事を任された香留(かおる)。
大奥様・志保子は73歳。「この庭でなくしたものを一緒に探してほしい」と言いながら
過去の話を始める。
それは兄と婚約者だったの統子のこと。
最後に「ああ、そういうこと」と。
志保子さんのお兄さん、優しい人だったんだなぁ~。
ずっと後になって明らかにされた真実。
時間が経たないとわからないことって確かにあるかも。
偶然な再会によって知らされること・・・正に忘れ物が届いた感じでしょうね~。
実に巧い表題だな。
★★★
発行年月:2014年2月
東北の架空の国、リアス・エリア。漁業を手伝う少年カイのまわりで、原発誘致計画を巡り隠された巨大な陰謀が明らかになる。やがて国を大地震と津波が襲い、人々は復興に向けて新たに一歩を踏み出していく――。
(角川書店HPより)初めて読む作家さん。
読み応え十分の長編小説。
頁数481で2段書きなので、読み終えるまでの時間がかかりましたが
読みやすくてスイスイ読めました。
架空の土地・リアス・エリアに暮らす少年・港屋戒(13歳)を中心に物語が進む。
カイは両親を亡くし、姉・理央と二人暮らしだったが、姉は行方不明。
舟で沖に出た後、行方が分からなくなってしまい、地元では亡くなったと思われている。
が・・・理央はアメリカに渡り、キタヒロ教授の助手としてその元で生物資源研究をしている。
リアスエリアは、漁業で成り立っていたが、今はそれも衰退しつつあり新たに原発誘致により財を増やそうとする動きが水面下で起きている。
リアスエリアからの脱出を試みるカイの冒険話としても面白かったが後半は、
3.11を連想させる大地震により核のゴミの処理問題やら近海の環境問題などを
どうするか?
現代の日本が抱える問題そのままを物語のなかに盛り込み、この物語内で
決着がつくのか?と興味深く読んだ。
そして・・・・ああ、そういう解決策ですかぁ~?
やや拍子抜けしましたが、ま、物語なので、仕方ないか?
この物語のように、うまい具合に何か画期的な方法が見つかると良いのだけれど
どうかなぁ~?
読み応えは結構あったけれど、内容はイマイチ納得し兼ねるかな?というかんじ。
ちょっと惜しいかな?
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
