発行年月:2013年11月
雪踏文彦。
ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。
中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったバーで行動をともにするようになった。
音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった。
(小学館HPより)
音楽を通じて仲良くなった少年たちが、大人に成長するまでの物語かと思いきや・・・
いやはや、とんでもない結末で、ビックリ!
音楽以外のことには、まったく無関心な雪駄くん。
そんな雪駄君とのことを小説家になった島崎哲が綴る。
最初の出会いは小学校2年生。
幼いころからピアノを習っていた島崎哲は、ピアノを習ったこともないのに自分が弾くピアノ曲を3回聞いた後に、完璧に弾いてみせたことに驚く。
雪駄くんと哲は、一緒に音楽を演奏する日々。
2人が同じ学校に通っていたのは小学校まで。
その後、それぞれ別々の友達ができたりするけれど、連絡を取ったりしながら交流は続く。
ああ、このまま二人が音楽に関わりながら成長するのかな?と思っていたが
哲は音楽は好きでもそれを仕事にすることは諦め、別の仕事に就く。
一方の雪駄くんはピアノを弾き続け、作曲も手がけるようになっていく。
このまま雪駄くんが音楽を作って世間に認められるようになっていって欲しいな
と思っていたのに、後半、登場した津々見勘太郎。
何者?と思っていたら・・・・
えぇ~っ!?
こんな風に雪駄くんに関わって来たのか?
なんだか嫌な結末になっちゃってガックリ(ノД`)・゜・。
途中まで面白かったのにな・・・。
なんだか一気に冷めちゃったな。
雪駄くんが可哀想過ぎる。
最期に何を思ったんだろうな~。
★★★
PR
発行年月:2013年11月
主人公の幹は赤ん坊の頃、浜辺でわかめにくるまっているところを拾われた。大平家の家族になった幹は、亡き祖父が始めた実家のB&Bを手伝いながら暮らしている。美しい自然にかこまれた小さな村で、少し不思議なところもあるが大好きな家族と、平凡ながら満ち足りた暮らしをしていた幹だったが、ある日、両親が交通事故に遭ってしまう。大事にはいたらなかったが、それから家族が不気味なうさぎの夢をみたり、玄関前に小石がおかれたりと奇妙なことが続くようになる……。
神聖な丘に守られた小さな村。みなしごの主人公が手にした“幸せの魔法"とは?
この美しい世界に生きる希望を描ききった著者の最高傑作!
待望の最新小説。
(毎日新聞社HPより)
ちょっと不思議な話だけれど、読んでいて心地よかった。
主人公の大平幹は、海辺に捨てられていたのを大平家に拾われた。
両親のほかに、祖父と父の弟・章夫おじさん。
祖父はイギリスに住んでいたことがあり、そのときのことが忘れられず
美しい自然に囲まれた土地でB&Bを経営していた。
祖父が亡くなり、叔父さんも亡くなり今は母親が食事の世話をし、幹も手伝う。
母親の提供するフィッシュ&チップスはなかなか好評。
読んでいると、風景が目に浮かんでくる。
いいなぁ~のどかなかんじ。
しかし、大平家のすぐ横にはちょっと変わった人が住んでいた。
今は廃墟となったその家は、不気味な様相。
でもその廃墟に幹の友人・野村くんが引っ越して来る事に。
二人は30半ばになるが、子どもみたいな会話が微笑ましい。
野村くんは奥さんを病気で亡くして独り。
幹は夢のなかで、野村くんの奥さんに出会い、彼とのことを聞く。
同じく夢で若いころのおじいさんに会ったりする。
夢と現実がうまく絡み合って現実の生活の疑問点が解決していく様が
愉快。
人は亡くなっても、現実に生きる人のなかで生きていけるのだなぁ~
なんてことを思った。
あとがきで、ばななさんがお父様を亡くされて悲しくて仕方なかったときに
そんな気持ちを忘れるために一生懸命書き続けたとか。
そんな精神状態でもこんなステキな物語が書けるって、すごいな。
表紙の絵もすごく好き♪
★★★★★
発行年月:2013年11月
恋人の春妃を失って以来、心に深い痛みを抱えてきた歩太。家にも学校にも居場所がなく、自分を愛せないで育った少女・茉莉。傷ついた二つの魂が惹かれあう…。天使の卵から20年、感動の最終章!
(集英社HPより)
ああ、天使シリーズも最終章かぁ~。
「天使の卵」 「天使の梯子」 「ヘヴンリー・ブルー」と読んできて
「天使の卵」で、19歳の予備校生だった歩太も30歳になったんだなぁ~。
絵を描くことを続けていたのも嬉しかった!
いろいろと傷ついて悩み続けての歩太が、この「天使の柩」では
15歳の家にも外にも居場所がない少女・茉莉にとって救いの人物となっていく物語。
歩太と共に同じように悩み続けた夏姫も、大きく成長して同じように茉莉を
温かく見守る。
傷ついて悩み続けた過去があるから、茉莉のSOSにも気付けたんだろうな。
SOSに気付いて貰えた茉莉は幸運でした!
これでおしまいなのかな?天使シリーズ。
歩太と茉莉のその後もちょっと知りたい気もするんだけど・・・。
★★★★
発行年月:2013年8月
簪職人の源二郎と元銀行員の国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。ふたりを中心にまき起こる、人情味豊かで心温まる事件の数々。下町を舞台に繰り広げられる人情物語。三浦しをん、新境地!
(集英社HPより)
つまみ簪職人の堀源二郎と大学卒で元銀行員の有田国政。
幼なじみじゃなければ、友だちにはならなかったと本人たちが言うとおり性格は大違い。
けれど、二人の関係は最高~!!
源二郎は、妻が40代の若さで亡くなり、子どもはなし。
国正は妻との間に2人の娘がいるが、妻は長女の家族の元にある日、突然
行ってしまった。
二人とも一人暮らし。
けれど、源二郎には、20歳の弟子・吉岡徹平が毎日そばに居る。
そんな師弟関係を羨ましくも思う国政。
娘家族と暮らすようになった妻・清子の元に訪ねて行っても自分の居場所がなく
落胆する国政だったが、徹平の結婚式の仲人を頼まれ、清子に必死の説得を
続ける。
毎日、葉書で説得の言葉を書き続け、自身の今までの行いも反省する国政に
清子の気持ちも少しほぐれていく様子が微笑ましかった。
最後の結婚式の場面は、温かくユーモアがあって最高でした!!
清子は、まだ帰って来そうにないけれど、前とは少し違った関係に
なれそうだし・・・。
挿絵のイラストで見ると、政も源も格好いい!
まだまだ70代は若い!
続編あれば嬉しいな。
★★★★
発行年月:2013年11月
あたしは猫であると同時に、音楽なの。
ねえ。あたしのメロディが聴こえる? 黒猫のクロエ、ゴールデンレトリバーのジュディ、 ドールハウス製作に打ちこむ栞、イラストレーターの優喜。 Cat Meets Dog そして、Girl Meets Boy── いま、奇跡のような物語が、生まれる。 「ついに会っちゃいましたね」栞が冗談めかした調子で言うと、 「そうですね」優喜はうなずいたあとで、数秒の後に、 「やっと会えた」まるで運命の恋人に囁くみたいな科白を、 おそろしく無造作でありながら、 それでいて、掛け値なしに優しい声で言った。(本文より) イノセンスは永遠だろうか。 ボリス・ヴィアンの『日々の泡』に捧げられた、 限りなく優しくて哀しい、どこか不思議な、GirlとBoy、猫と犬の物語。 |
ひょんなことから犬・ジュディのいる一軒家に住むことになった広瀬優喜(33歳)。
フリーランスのアーティスト。
一軒家を紹介してくれたのは、カフェを営む田中曜子。
一軒家の持ち主である家族とはそのうちの長女・日登美と友だち。
日登美たち家族は海外で暮らしていると聞くが・・・
そして、カフェの常連客の一人、遠山栞(31歳)は、黒猫のクロエと共にいつも居る。
クロエは元ストリートチルドレンだったらしい。
優喜とジュディ。栞とクロエ。
優喜も栞も失恋した相手への想いをちょこっと引きずっているかんじ。
人間同士の関わりと共に、ジュディとクロエの心理描写も描かれるのが
楽しかった。
犬とか猫って、こんな風に飼い主のことを、よ~く観察してるのかな?
人間の言葉で喋らないからわからないけれど、結構、深いところまで理解してたりして・・・。
今、犬とか猫を飼ってる人には楽しい物語でしょうね~。
ああ、また猫が飼いたくなってくる~(笑)。
しかし、ジュディは前の飼い主の日登美ちゃんのことを深く愛しているんだな~。
離れていてもこんな風に思ってくれていたら、日登美ちゃんも嬉しいだろうな。
再会できる日が来るといいな。
楽しい物語でした♪
★★★
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(06/25)
(06/23)
(06/19)
(06/18)
(06/12)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア