発行年月:1968年7月
少年は覗き穴から母の裸を凝視した――。
大人の世界を許せない少年たち。その心理を克明に描く問題作。
船乗り竜二の逞しい肉体と精神に憧れていた登は、母と竜二の抱擁を垣間見て愕然とする。矮小な世間とは無縁であった海の男が結婚を考え、陸の生活に馴染んでゆくとは……。それは登にとって赦しがたい屈辱であり、敵意にみちた現実の挑戦であった。登は仲間とともに「自分達の未来の姿」を死刑に処すことで大人の世界に反撃する――。少年の透徹した観念の眼がえぐる傑作。
(新潮社文庫HPより)
読む本が手元になくなり・・・自宅本棚にあった本を読んでみました。
「金閣寺」が面白かったので・・・。
とても薄い本で、頁数は168頁。
すぐに読み終えましたが。。。。面白かった!!
三島作品に今更ながらのめり込みそうな予感(笑)。
これは、13歳の少年たちの持つ残虐性も描いていて、大なり小なり
男の子にはこういう気持ちを秘めているものなのかも・・・なんて思った。
主人公の黒田登は、父親を亡くして、家には母と使用人が住む。
母は登が寝る時間には部屋の外から鍵をかける。
そんな彼はある日、母の寝室と通じる壁に穴を見つける。
その穴は普段は気づかない大抽斗の棚を引き出したところにある。
母親の裸体を偶然見て、その後、母が連れて来た二等航海士の塚崎竜二との
様子も覗き見る。
竜二の前では、子どもらしい屈託ない明るさを演じる登。
そして、物語の結末は・・・おぉ~そう来たか!?というかんじ。
読み終えてみると、この表題は、凄い!巧い!
ウキペディアで調べたら・・・これ日米英合作で映画化されているんですね!
ちょっと見てみたいなぁ~。
海が見える景色が、どんな風に映像では写っているのかな?
ラストシーンも気になるし・・・。
小説では舞台は横浜の港町でした。
日本の景色でも十分美しいものは出来たと思うのだけど、俳優陣を見ると
外国が舞台でしょうね。
★★★★
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発行年月:2014年8月
奈良時代。父・藤原不比等(ふじわらのふひと)から「闇を払う光となれ」と光明子(こうみょうし)の名を授かった一人の少女は、やがて聖武天皇の妃に。女として、母として、皇后として、苦難の日々を凜と歩んだ生涯に魅せられる歴史長編。
(集英社HPより)
主人公は45代聖武天皇の妃となった光明子。
父から幼いときより、やがて天皇になるだろう首皇子(おびとのみこ)を助けるのだと
言われて育った光明子。
まだ幼いとき、「生まれてから一度も母に会ったことがなく、会いたい」と
首皇子から言われ、母に会わせようとするがそれは叶わず。
聖武天皇の母・宮子夫人は心を病んで出産後から離れた場所で療養していた。
首皇子が天皇になるのを阻もうとした長屋王(ながやのおおきみ)側との敵対関係も
興味深かった。
長屋王の息子・膳夫(かしわで)は、そんな関係にあるなかで、光明子には敬意を
払い、お互いが惹かれあう仲であったのが、なんとも切ない。
長屋王の変は、そんな敵対する関係のなかで起きた事件で、痛ましい。
それによって自害した膳夫の最期は哀しかった。
こうして読むと、聖武天皇よりもその妃であった光明子の方が、人間的には
とても魅力的。光明子が居たから聖武天皇が存在できたというかんじ。
奈良の大仏=聖武天皇の認識でしたが、光明子の力も大きかったんですね~。
光明子は、施薬院や悲田院を設置したり、民が平穏に暮らすための施設を
建てたり、名前の通り、人々に光を明るく届ける働きを生涯した方。
素晴らしい。
聖武天皇の49日後には、多くの宝を正倉院に納め、今
、それが奈良(国立博物館)で公開されているんですよね~。
ああ、見たいなぁ~。
今年はムリか?^^;
子どもの頃、叶えてあげられなかった「母に会いたい」の気持ちを
ちゃんと皇后になってから、叶えてあげられた場面が一番好きでした。
しかし、昔は次に誰が天皇になるのか?でこんなに争いがあったんですね。
それだけ皇族が多かったということでしょうけれど
そして女帝も多かった。名前だけだとよくわからなかったのですが・・・・^^;
今は皇族も段々に減って行って・・・・ なんとなく今後の日本の皇族のあり方も
考えてしまった。
女性が天皇になってもいいんじゃない?なんて個人的には思います。
名前の読み方で慣れるまで難儀しましたが、大変面白かった!!
★★★★ ★
発行年月:1986年2月
昭和25年7月2日未明、鹿苑寺金閣は焼亡した。
放火犯人、同寺徒弟・林養賢、21歳。
はたして狂気のなせる業か、絢爛の美に洵じたのか?
生来の吃音、母親との確執、父親ゆずりの結核、そして拝金主義に
徹する金閣への絶望・・・・・。
6年後、身も心もぼろぼろになって死んでいった若い僧の生を
見つめ、足と心で探りあてた痛切な魂の叫びを克明に刻む長編小説。
(新潮文庫解説文より)
先に三島由紀夫の『金閣寺』 を読み、三島の作品は事実を基にしたフィッション
なので、実際のところはどうなの?と疑問がわき、犯人の林養賢と同郷であり
当時の事件について、また、林養賢という人物像を綿密な取材によって書いた
こちらの作品を読んでみた。
著者も若い頃、寺の徒弟として修業した経験があるという。
しかもそこから逃げ出したとか。
犯人の養賢とも偶然、道で知り合いが一緒に歩いていたところで会い、言葉も交わしているそう。
いろいろな縁を感じ、金閣寺を焼くというとんでもない行動を起こした
養賢のことを詳しく調べてみたくなるのも納得できた。
三島の『金閣寺』での犯人像に比べると、大人しく吃音により蔑みの言葉や態度を
受けたことはあったそうだが、攻撃的にそのことに向かうというより、争いを避け
目立たぬように居ることを選ぶような印象であった。
ごく普通の青年だったのに、やはり金閣寺に実際入ってから、様子が変わってくるのが
わかり、その理由も、なんとなく理解できた。
実際に火を放ち、自死を試みるが失敗し、投獄されるのだけど、
その後も苦しみだけの生。
なんとも哀しい一生。
今、美しい姿で存在する金閣寺・・・今度見る時は複雑な気持ちになりそう。
しかし、こちらも読んで良かった!
★★★★★
発行年月:2014年4月
小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する《レジスタント》と称していた。彼らはいわゆる貧困層に属しており、職場や地域に居場所を見つけられないという共通点が見出せるものの、実生活における接点はなく、特定の組織が関与している形跡もなかった。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を《小口テロ》と呼びはじめる――。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者……彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント
(毎日新聞出版HPより)
読んでいて、怖くなった。
小説のなかのことが、リアルで、実際にこんなことが起きても不思議じゃないかんじで。
短編連作の形で、色々な人の日常を描きながら、そこに共通して出てくるのが
『小口テロ』。
最初は、なんだそれは?と思ったけれど、そのテロを起こす人たちには
今の日本の社会に絶望し、恨みを持っている。
ネット上で何らかの関わりを持っている共通の人物『トベ』と名乗る人物。
しかし、『トベ』は、一人ではなかった。
テロに反感を抱きながらも、そこに走った者の気持ちも分からなくはないと
考える川渕政昭のような人が政治家に居たらいいのに・・・・。
考え方は理想的でも一国民では、何も出来ない現実。
読んだ後は、気分がど~んと落ち込む。
どうしたらいいのだろ?
考えてもうまい答えは全く浮かばないんだけど・・・
政治家が税金を正当に使うと信じられる国に先ずはなって欲しい!
★★★★
発行年月:2014年8月
スカイツリーを見上げながら、水上バスで通勤する富田宝子、28歳。
浅草にあるおもちゃ会社の敏腕プランナーとして働く彼女は、
次から次へと災難に見舞われる片想い中の彼のため、
SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく……!
やがて、自分の気持ちに向き合ったとき、宝子は──。
(東京創元社HPより)
片想い歴5年の富田宝子28歳。
ルームメイトは遊び人のレズビアン・菅沼玲奈。
宝子が片想いしている相手は、西島裕也31歳。
フリーのグラフィックデザイナー。
仕事を通じての知り合いでもある二人。
宝子は、容姿も良いし、仕事も出来て、後輩からも憧れられている女性。
性格もいい。
なのに・・・相手の西島は、どこに魅力があるのやら???
西島のために陰で働く。
その働きが報われることはないのに・・・。
ああ、なんて健気なんでしょう。
彼に恋人がいると知っても、そして後輩が彼と付き合うことになっても
寛大な心でそれを受け入れ、尚且つ片想いは継続される。
ほかを向けばもっと素敵な男性居るのになぁ~なんてヤキモキしたけれど、
最後の最後に西島が思っていたよりまともな人とわかって良かったわ~。
宝子の存在が自分にとって大事だと気づいた?
宝子が幸せになれますように・・・。
ササッと読めて楽しかった♪
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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