発行年月:2014年11月
虫と話ができる幼稚園児の拓人、そんな弟を懸命に庇護しようとする姉、ためらいなく恋人との時間を優先させる父、その帰りを思い煩いながら待ちつづける母――。危ういバランスにある家族にいて、拓人が両親と姉のほかにちかしさを覚えるのは、ヤモリやカエルといった小さな生き物たち。彼らは言葉を発さなくとも、拓人と意思の疎通ができる世界の住人だ。近隣の自然とふれあいながら、ゆるやかに成長する拓人。一方で、家族をはじめ、近くに住まう大人たちの生活は刻々と変化していく。静かな、しかし決して穏やかではいられない日常を精緻な文章で描きながら、小さな子どもが世界を感受する一瞬一瞬を、ふかい企みによって鮮やかに捉えた野心的長編小説。
(朝日新聞出版HPより)
虫と会話できる5歳の拓人と7歳の姉・育実。
姉は弟が可愛くて、一緒に外出する。
殆どが拓人が行きたいところ。
お気入りは、霊園のツツジの茂みで見つけたヤモリ。
そして、霊園の池のカエル。
ヤモリもカエルもチョウも好きじゃないけれど、拓人が意思疎通するそれらは
なんだか可愛いと思えてくる。
霊園の管理人・児島保男や、二人が通うピアノ教室の先生・千波とその母・志乃。
隣に住む独り暮らしの老女・倫子などとの関わりも愉快。
それぞれの大人の事情の行く末も面白かった。
姉弟の両親・耕作と奈緒の夫婦間のことも最後は何か変化あるのかな?と思っていたけれど
よくわからないままお互いが納得したふうだった。
拓人に虫や小動物以外の友達・シンイチくんが現れたときが嬉しかった!
拓人と育実はどんな大人に成長していくんだろう。
最後、それぞれが大人になって語り合う場面がチラッと出てきたけれど
こんな会話が出来る姉弟の関係っていいな。
拓人の語りの部分は、全部ひらがなで読むのにちょっと時間がかかるのだけど
そこを読むのが楽しかった♪
★★★★
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発行年月:2014年10月
それぞれの家族を亡くし、天涯孤独で身を寄せ合う運命のふたり。
お互いしか癒せない孤独を抱え、かすかな光へ歩き出す道のりを描く。
恋と、魂の救済の物語。1年ぶりの長編小説。
(集英社HPより)
まこと、嵯峨。
二人は幼いときから、ずっと一緒に生きてきた。
姉と弟のように・・・。
成長すると恋人となり、将来もずっと二人は一緒だとお互い確信しているかんじ。
二人の生い立ちが特殊だからだろうか、二人の世界が完全に出来ていて
ほかの者を寄せ付けない雰囲気。
こういう男女の関係も実際、あるのかもな・・・。
二人のやや複雑な生い立ちのなかで、アリゾナのセドナで暮らした時期が
もっとも幸せな思い出でもあり辛い思い出でもある。
そんな場所に、二人が希望を持って再び訪れようと決めるまでの過程の物語。
辛いことがあっても、二人一緒に居れば大丈夫!
まこの通う大学の教授も素敵だったし、嵯峨が務めるパン工房の人たちも
きっと素敵な人たちなんだろうな。
アリゾナのセドナの街の様子が、なんだかとても魅力的に描かれていた。
実際、どんなかんじなんだろ?
ばななさんの思い出も込められた物語なんでしょうね。
哀しい部分もあるけれど、希望に満ちたラストが良かった。
★★★★★
発行年月:2014年10月
医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編
(講談社HPより)
友人のルポライターから見せられた狼男のような遺体の検死写真。
そこから、医師でもある市原玲人が不思議な事件の真相を追うことにより
出会う「マガチ」と呼ばれる者たち。
怪奇めいた話でしたが、途中から玲人の息子(今は離れて暮らす)・一真が登場して
小学校5年生の割にしっかりとした賢い考え方、物言いに癒されました。
玲人と一真の関係もほのぼの。
物語の進行と共に、マガチの一人である曲地谷シズクが思いを寄せる同級生の
城野麻弥子へ書いた手紙が綴られる。
シズクは上京した麻弥子に会いたくて自身も山奥のシャバから上京する。
純朴で優しくいシズクだが最初の職場では先輩とうまく行かず辛い目にあう。
が、その後出会った北原は、シズクを何かと庇ってくれる頼れる存在となる。
不思議な力を秘め、バンテンと呼ぶ変身により人間とは異なる容姿と
強い特殊能力を持ってしまう「マガチ」。
その力を自己制御できず苦悩するシズクは痛々しい。
シズクが麻弥子を思い続ける気持ちは本当に一途で・・・・・。
ラストは、哀しいけれど何となくホッとした。
朱川さんのいままでの作風とは一味違うけれど、なかなか面白かった!
★★★★
発行年月:2014年9月
この人は何も知らない。遥名も何も知らない。それが決めてだった。
傷んだ心にやさしい雨のように降り注ぐ、傑作恋愛小説。
欠けていたものが、ぴたりとはまる。そんな風にしてふたりは出会った。
勉強のことを一秒も考えない小一のハルと、生きるための型がほしいと考える中一の遥名。
別々の場所で生まれ、まったく違う人生を歩んできたふたりの成長と出会いを描く、生きることが愛おしくなる傑作恋愛小説。
ああ、これのことだったのか、と思う。
いちばんいいときに浮かんでくるしるし。しるしというのは希望に似ている。
今じゃなかったら気づかなかった。一年前でも、五年前でも、分からなかった。
すれ違ってもお互いに気づかなかっただろう。
放たれた矢が、的に近づく。やっと、やっとだ。
風は吹いた。
(本文より)
(幻冬舎HPより)
柏木温之(ハル)と大野遥名(ハル)。
ふたりのハルの物語が別々の場所で語られる。
温之が小学校年生のときは、遥名は中学1年生。
温之は、自分の世界に没頭してしまうと周りが見えない子どもだった。
唯一、そんな温之のことを理解出来た存在は、浅野健太。
遥名は、優秀な兄が居た。
大学受験では頑張って、何とか兄と同じ大学に入学し上京。
そのまま東京で社会人になる。
1991年5月~2011年3月までは、二人がそれぞれの環境で生きる様子を
描き、2011年3月、震災の日に二人は初めて言葉を交わす。
そして最後の章で、二人は結婚し、小学生の女の子が居る。
健太も登場し、いろいろなことがあったけれど、みんな幸せそうで良かった!と
思った。
温之と遥名の娘の名前も、なるほど!というかんじ。
大人になって、どんな人と出会えるかでその後の人生決まるけど
二人はお互いを見つけられて良かった!
★★★★
発行年月:2014年9月
あの時のぼくたちは、「奇跡」を信じて待つことができたんだ――。
両親がいて、子どもは二人。それが家族の「ふつう」だったあの頃。一人っ子で鍵っ子だったぼくとハム子は、仲良しというわけではないけれども、困ったときには助け合い、確かに、一緒に生きていたんだ。昭和40年代の団地で生きる小学校六年生の少年と少女。それぞれの抱える事情に、まっすぐ悩んでいた卒業までの日々の記憶。
(新潮社HPより)
昭和40年代、小学生の大橋信夫と藤田公子の物語。
5階建ての古い団地に住む二人。
小学校1年生の時、公子が転校して来てから、小学校を卒業するまで
二人はお互い良き理解者だった。
勝ち気でそっけない態度をとる公子だけど、本当は人の気持ちがわかる
優しい子。
それを信夫もわかっているから、いつも公子の本心を気にしている。
そしてお互い一人っ子なので信夫は「一人っ子同盟」と名付けて
公子との仲間意識を強調。
良い関係だなぁ~と思う。
子どもは大人の話をよく聞いていて、大人が考える以上に
冷静に今の状況を考えながら、自分の役割を考えたりする。
信夫には、幼いとき亡くなった2つ上の兄の存在が大きくのしかかる。
自分が4歳の時に亡くなった兄。殆ど覚えていない存在なのに・・・。
そして子どもは親の都合に振り回される。
公子は再び小学校卒業後、引っ越しをすることになり、二人は離れることに。
いまの時代なら、メールで連絡取りつづけることも自然なのに・・・・。
昭和は、引っ越し=お別れ だから・・・・切ないな~(/_;)
大人になってもたぶん、お互いずっと忘れられない友達として一緒に過ごした
時間は忘れないでしょう。
「奇跡の三分間」・・・・とびきり素敵な思い出!
切ないけれど、じ~んと沁みる話でした。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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