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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2014年3月


 「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?

                     (講談社HPより)




インパクトある表題に惹かれ読んでみました。

表題作を含む3編。

<IT業界 心の闇>
社長から頼まれて不倫相手として妻に一緒に会って欲しいと頼まれるA子。
浮気がばれたのは妻がITに精通していたからだとか。
社長の妻と会ったA子は、何故か奥さんと仲良くカフェへ。
そして、その後事件に巻き込まれることに・・・

え?こんな結末!?

<Tシャツ>
アメリカから日本に来たハワード。
亡くなった妻の両親(鈴木夫妻)に会い、暫く近所の清水夫妻の家に居候することに。
最初には、家の近所でウロウロするハワードを見つけたのは、長岡夫人。

鈴木夫妻、清水夫妻、長岡夫妻の日常のやり取りが可笑しい。
ハワードは、その後あまり出てこないな~と思ったら・・・突如、アメリカへ帰国?
その理由が、パチンコ中毒になったからって・・・^^;


<金を払うから素手で殴らせてくれないか?>
仕事熱心で真面目な米原正和が失踪?
しかしその米原を探そうと言ったのは、米原正和。
声を掛けられた鈴木と共に部長の平石も同行することに。
スーパー銭湯、自宅、ショッピングセンターへ。
米原は途中、大道芸の二人組に声を掛けられる。
「ストレス発散にワンコインで殴らせてあげる」とグローブを示されるが
1万円を渡し「素手で殴らせてくれないか?」と頼む。

あまり深刻じゃない失踪者探し。
可笑しい会話。
それゆえ、最後のシーンが強烈過ぎる!


初めて知った作家さんだったけれど、よくわからないけれど、凄いなと思った。
どういう思考回路持ってるんだろ?
実に個性的。

個人的にはあまり好きじゃないけど、きっとこういうの大好きな人は
多いかもしれない。


                        ★★★
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発行年月:2012年8月

「不死身の男」と「トラの嫁」。二つの謎めいた物語が、祖父の人生を浮き彫りにする。

自分は死なないと嘯き、賭けを挑む男。爆撃された動物園から逃げ出したトラと心を通わせた少女。紛争地帯で奮闘する若き女医は、二つの物語から亡き祖父の人生を辿っていく。戦争に打ちひしがれた人々の思いを綴る確かな筆致と、鮮やかな幻想性。弱冠25歳でオレンジ賞を受賞したセルビア系作家による、驚異のデビュー長篇。

                   (新潮社HPより)



この表紙の絵に先ずは興味を覚えました。
動物のなかではトラが結構、好きなので。


物語は、女医のナタリアが同じく医師だった祖父の死の知らせを受け、祖父の
生前の語ってくれた物語を思い出しながら、祖父が育ったガリーナ村へと向かう。


祖父が語った「不死身の男」と「トラの嫁」の話。
やはり「トラの嫁」の方が印象的だったなぁ~。

そのトラの嫁と祖父はまだ10歳くらいの時に、大きく関わっていくことになる。
目が見えず、言葉も話せない「トラの嫁」。
トラの嫁と呼ばれる過程の物語が少し残酷な部分もある昔話的なかんじ。

物語の舞台は、はっきり何処と記されていないけれど、著者の経歴や、
隣国との紛争が起きているなどのことから、バルカン半島の旧ユーゴスラビアの
何処かかな?と想像できる。
そんな状況下を考えて、そんななかでの人々の暮らしを考えると何とも重たい気持ちにも
なる物語だった。
著者自身も紛争を逃れてユーゴスラビアからエジプトに渡り、その後、アメリカに移住。
著者の経験が活かされた物語でもあるんでしょうね。


祖父の生き様は凄まじい。
孫のナタリアもその血を受け継いで逞しく僻地での子どもたちの命を救う慈善活動を
していて、尊敬する。

物語を読み終えて最初の祖父が、まだ幼いナタリアを動物園に連れて行って
トラを眺めて会話する場面を読みたくなり、繰り返して読んだ。

25歳でデビューした著者の作品と言う通り、表紙裏の著者の顔写真は
可愛らしい。
こんな凄い文章を書いた人には見えない。


次の作品はまだ書かないのかなぁ~?
日本語訳されたら、ぜひ、次の作品も読んでみたい!


                           ★★★★★

 




発行年月:2009年7月


 大学卒業後に務めた出版社を退社後、埼玉の食肉会社に入社した著者は、翌日から牛豚の解体を生業に働きはじめる。入社初日から「ここはお前なんかの来るところじゃねえっ!」と怒鳴られたものの、しだいにナイフ捌きをおぼえ、牛の皮剥きに熟達していく。牛を屠る喜びと、屠りの技術を後輩に伝えるまでの屠場での十年の日々。 「職業を選ぶ」「働き続ける」とは、自分の人生にとってどういうことなのか――。 屠畜解体従事者への世間の恥知らずな差別と偏見はあろうと「牛を屠る」仕事は続けるに値する仕事だー―。これから世の中に出て行こうとする若い人たちに向けて、著者最初の小説作品である『生活の設計』以来、一度も書かれなかった屠場仲間の生きざま、差別をめぐる闘い、両親・家族をめぐる葛藤をまじえて描く。芥川賞候補作家による渾身の書き下ろし。

                      (解放社出版HPより)




著者の書く物語が好きで幾つか読んでいますが、これは著者の体験談です。

経歴も今回初めて知り、その意外な経歴にビックリ!
北海道大学法学部卒なんですね~。
出版社に勤めたのに、社長と編集長と喧嘩して退職っていうのも凄いな。
いったいどんな喧嘩をしたのやら??

でも、今回の話は、その後務めた食肉会社の屠殺の現場。
面接で事務職の方での仕事を打診されたのにも関わらず、本人の意志で決めた職場。

そして、その現場で過酷な仕事を黙々とこなしていく著者。
なんて逞しい人なんだろう。

大きな牛を解体する仕事は、考えただけでも重労働。
現場の先輩たちが、すぐに辞めるだろうと予想したのもうなづける仕事内容。

失敗しながら、作業のコツを覚え、その仕事にやりがいを持って働く著者は恰好いい。

職業で人を差別する時代は今はないでしょうけれど、こういう話を読むと
どんな仕事も懸命に働く人は恰好いい。

そんな著者が小説家に転向していく理由は、不妊治療に臨む奥さんに対して自分の考えを伝えるためだったと言うのが、また感動。

本当に恰好いいなぁ~。
こんな逞しい精神と優しい心を持つ男性は、そうそう居ないでしょ!?

今まで著者の作品を好きで読んでいたけれど、これを読んだら著者自身が
好きになりました!
「ジャムの空壜」と「生活の設計」も読んでみたくなった!


                       ★★★★★



発行年月:2014年5月


 動かない事実がある。彼女は、もう戻らない。
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。

東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。

                   (光文社HPより)




重たいテーマでした。

プロローグで登場の高校生の仁科史也と井口沙織。
この二人が本編の物語りで大きく関わってくるのは、中盤以降。



物語は、ペットの葬儀社を伯父から引き継ぎ営んでいる中原道正を主人公に進む。
11年前、8歳の娘を強盗により侵入してきた犯人により殺害された。
犯人は、一度も謝罪の態度を示さず、死刑判決が下され、その刑は既に執行された。

事件後、妻・小夜子とは離婚。
彼女はフリーラターとしての仕事を始めた。
が・・・その元妻・小夜子が刺殺されたと知る。

小夜子を殺害したのは、70代男性・町村作造。
その娘の婿という仁科史也から謝罪の手紙と会って話がしたいと小夜子の両親の元に
連絡があったという。


中原は、生前の小夜子のことを調べはじめ、小夜子が取材で知り合った
井口沙織の存在が気にかかる。
沙織は摂食障害を抱え、万引きを常習的にしてしまうと告白していた。
小夜子の取材記録では、「生きて居る価値がないので、盗んだものを食べることにした」と答えていた。


仁科史也と井口沙織が、同じ土地の出身であることに気づいた中原は、二人に
それぞれ会う。

そして、小夜子の殺害事件が、20年前のある事件と繋がっていることを知る。
小夜子は、二人に自首を勧めていた。



なるほど・・・・事件の真相が明かされると何とも切ない気持ちになりました。
娘を殺された小夜子が二人に対して、強い態度で自首を勧める気持ちは
十分に理解できます。
人を殺したら死刑が当然と、被害者家族なら思って当然でしょう。

けれど、この物語を読むと、果たしてそうだろうか?と考えを少し改めなきゃいけないのかも・・・・・なんて思ってあれこれ考えちゃいました。

難しいテーマです。

しかし、一気に読ませてくれる東野作品は、やはり流石です!!


                         ★★★★★




発行年月:2014年6月

特ダネか、倫理か――再生医療の闇を暴くメディカル・サスペンス!

若手新聞記者の長谷部友美は、地方支局に飛ばされて腐っていた。本社異動のためのネタを掴もうと、市内の病院の赤ちゃんポストを張り込み続け、とうとう赤ん坊連れの女を発見する。しかしそれは、子どもなどいないはずの知人の姿だった――超先端医療と母親の切なる願い、そして記者のプライドが火花を散らす医療ミステリ。

                     (新潮社HPより)





新聞記者の長谷部友美が赤ちゃんポストの記事を書こうと市内にある全国2例目の

赤ちゃんポスト開設の病院に張り込みをする。
そこで見た赤ちゃんを連れた女性・石葉宏子は、時々、飲みに行くバーで働いていた
女性だった。
そして、バーナカジマを訪れマスターの中島から石葉宏子を探して欲しいと頼まれる。

記者として、知人として宏子を探す友美。
探すうちにわかってくる真実。

彼女は以前、結婚していて、息子を残し家を出ている。
彼女の使っていた携帯の履歴から複数の男性と出会い系サイトで知り合い、
それぞれと関係を持っていた。

宏子の自堕落的な行動には、意味があった!
残してきた一人息子のため。


医療は日々進歩していて、今回は、胎児細胞移植に絡んだ話。
中絶により命を絶たれた胎児の細胞を病気で苦しむ子供の治療に利用するという話。

中絶された児の命もひとつの大切な命だと考えると、この治療は倫理的には
どうだろう?

宏子のとった行動は、狂気にも思えるけれど、母親の立場で考えると批判する
気持ちにもなれない。
う~ん、難しい問題だ。


仙川さんの小説は、いつも考えさせられる。

医療従事者だった経験も記者だった経験も両方活かされた作品だったと思う。


                            ★★★★
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