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読んだ本の感想あれこれ。
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51oK78ox2zL__SX230_.jpg   発行年月:2007年5月


   ----------御首の在所を知らず------------

   右大臣拝賀式の夜、甥の公暁によって殺された源実朝。
   血で血を洗う骨肉の惨劇。
   忽然と消えた実朝の首をめぐって繰り広げられる権謀術数。


                       (本の帯文より)


実朝は、父・頼朝の次男。
家督を継いだ兄・頼家が亡くなりその跡を継ぎ、右大臣拝賀の式典に向かい、その場で暗殺される。
斬りつけたのは、頼家の息子・公暁。親の仇と叫びながら・・・・・。
首を切り離し、奪って逃げるが、追っ手により討たれる。
そして、首は公暁の従者・弥源太に託され・・・・・。


はっきり言って、頼朝の死後の藤原摂関家とか北条家とか朝廷のその後の話は、よく知らない^^;
実朝の名前も・・・ああ、そんな人居たかな?くらいの知識でした(笑)。

けれど、面白かったです!!

正直、登場人物が多く、読むのに難儀はしましたが・・・。

物語の冒頭で、実朝は首を切り落とされてしまいます。
甥である公暁が何をそんなに恨んでいたのやら??と歴史に疎いわたしとしては疑問でしたが、ま、読んでいくにはその辺は置いておいて・・・


公暁は従者の弥源太とともに実朝の首を持って逃げます。
そして、一時は逃げ延びますが、やがて捕まり、公暁は討たれ弥源太が首を持って逃げていき、このままでは逃げ切れないと土の中に埋め、身を隠し、その後、掘り返してみると・・・・ない!
首は自分が掘り起こしてほかの所にあるから付いて来いと武常晴に言われ、付いて行った先には朝夷名三郎義秀がいた。
義秀の剛勇ぶりは広く知られていた。
そして屋敷には、義秀の甥であり、実朝の忠臣であった和田朝盛の姿もあった。
弥源太は実朝の首奪還に動き出す幕府側と対立する彼らと行動を共にする運命に。


実朝の首がいろいろな人たちを動かす。
朝廷と幕府の対立関係だけでなく、北条家と藤原家の関係などなど、この時代の人たちが心の中に持っていた憎しみやら欲望やら哀しみやら不安やらが入り混じって、それが亡き実朝の首を巡って現されていく。
凄い物語でした!

よく知っている人物は北条政子と後鳥羽上皇くらいでしたが、2人の周囲に居た人物達の方が物語を作っている。
しかし、やはり政子は凄い人だったんだ~!と改めて知った。
頼朝と作り上げた鎌倉幕府をたとえ身内に犠牲者が出ようと守りきらなければと思う気迫は
なるほど尼将軍と呼ばれた人だと納得。

そして、後半では、首を斬られ哀れな最期を迎えた実朝の本心が書かれていて、泣けた。
葉室作品には、必ず哀しく切ない主要人物の胸の内が描かれる。

京の文化に憧れ、和歌の素養を磨き、歌才を持っていた実朝は、政子が危惧していた通り、武門に生まれるべき人ではなかったのかもしれない。
そのことを本人も感じていたとしたら・・・・切ないなぁ~。


葉室作品のかなり初期の作品ですが、十分な読み応えでした!!
まだまだ未読のものを探して読んでいこう(^^)

★★★★

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ひろさんへ
コメントいつもありがとうございますm(__)m

ず~っと過去に戻って順々に新しい作品を読んでいこうと思っていて・・・・
今は、日本画、絵師の短編集「乾山晩秋」を読み始めたところです。
日本画は無知ですが、葉室作品なら楽しめるかな?
また読み終えたら、こちらに記します。

「銀漢の賦」は本当に素晴らしかったですね!!
まだ多くを読んでない葉室作品のなかですが、特に良かったと思います。
★5つじゃ足りないと思いました。

kyoko 2012/10/04(Thu)09:19:23 編集
次は
ご無沙汰しております。「実朝の首」ですかハムリン初期の作品ですね。次は「川あかり」「柚子の花咲く」「橘花抄」あたりはいかがでしょう。(私の好みですが)ハムリン自身は一番好きな作品はと母校の学長に質問されて「蜩ノ記」ではなく「銀漢の賦」と回答されています。確かに「銀漢の賦」は素晴らしく葉室麟を世間に知らしめた作品ですし思い入れがあるのでしょうね。早く新作が出るのが待ちどおしい今日この頃です。
ひろ 2012/10/03(Wed)17:48:28 編集
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