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読んだ本の感想あれこれ。
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31e2G2X7GsL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


夫の暴力から逃れ失踪した女が、身を潜めた地方都市の片隅で生き抜く姿を静謐な文体で描ききり、現在に生きる人が抱え持つ心の闇に迫った力作長編! 
絶望と希望、生と死の境界に怜悧に斬り込んだ著者の新境地!


                     (日本経済新聞社HPより)



今まで読んできた、小池さんの恋愛小説とは、少し違う雰囲気でした。
今までは、セレブな主婦とか、お洒落な環境のなかでの恋愛話が多かったように思うけれど。。。

今回の主人公・新谷泉38歳は、世間でも名を知られている映画監督の妻。
かつて夫の下で働いていて結婚したのだが、夫の日常的な暴力に身体的・精神的にも追い詰められ逃亡する。
行くあてもなくたどり着いた場所で、偶然、住み込みの家政婦として生活する場所を見つける。
その家主は、年老いた画家・天坊八重子。
八重子の言葉使いはやや乱暴だが、泉の境遇を詮索するような事もなく、日夜、製作活動に勤しみ泉に対しての要求もさほど多くない。

滅多に外出しない八重子に連れられて行った、飲み屋「ブル-・ベルベット」は、おかまのママ・サクラが経営する店。
サクラと八重子のどちらも口悪く相手をののしりながらの会話が可笑しかった。
相手を口ではボロクソに貶しながらも、お互いがよき理解者なのだなぁ~とも感じた。

その店で、泉は、かつて取材でたずねてきた事のある雑誌記者だった塚本鉄治と再会する。
塚本は、ある容疑の濡れ衣をかけられ逃亡している身だと。

似たような境遇の二人は、次第にお互いを必要な存在と認める。


どん底の中で出会った、自分を理解してくれる異性との出会いがあれば、当然、恋愛に発展するでしょう。

この出会いは偶然だし、ありきたりと言えばそう言えなくもないけど
二人の考え方がしごく真っ当で、二人が常識人なので、応援したくなりました。

画家の八重子とおかまのサクラも、言うことはとても常識的。
かなり辛辣な口調だったりするけど、本当はとても優しい人たちなので、好感が持てました。

そして、物語の終盤の展開も予想通りだったけど、安心出来る終わり方だったので
ホッとした。


恋愛小説というよりは、人間ドラマというかんじで、なかなか良かったと思う。
こういう作品もまた書いて欲しいな。

★★★★
 
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