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f5187004.jpg発行年月:2011年1月


風変わりな少女、あみ子の目に映る世界を鮮やかに描き、小川洋子、三浦しをん、荒川洋治の絶賛を受けた第二十六回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品「ピクニック」を収録。

                       (筑摩書房HPより)


表題作の「こちらあみ子」と「ピクニック」の二編が収められている本書。
どちらの主人公ともちょっと独特な世界観を持つ人たち。

「こちらあみ子」のあみ子は、まだ少女。
すごく純粋な心を持ち、物事の捕らえ方が、ちょっと常識(?)と離れたところにあるかんじ。
こういう視点でものをも見る主人公を描ける、この著者の感性は凄いなぁ~なんて思った。

純粋で、ストレ-ト過ぎるくらいに物事を捕らえるあみ子だけど、周りの大人たちの対応は、あみ子にとっては不幸なかんじ。
なんだか、読んでいくととても辛い気持ちになってきた。
あみ子自身が辛さを感じていない様子なのが救いだけど、そのこともなんだか切ない。


二編目の「ピクニック」の主人公は七瀬。
『スロ-ガ-デン』という飲み屋で働くようになり、そこの従業員仲間とのやりとりが描かれる。
そのやりとりは、結構楽しかった。
でも七瀬も凄く変わってる女性。
最後まで、言動の根拠がよくわからない人だったなぁ~。


二編とも変わった人が主人公の物語なので、とっても不思議な気持ちになる話だった。

こういう物語を書ける著者の今後の作品がとても気になる。
次回新しい作品が出たらぜひ、また読んでみたいと思った。

この表紙もどこか儚げなかんじが本の内容にピッタリ!

★★★★
 
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