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読んだ本の感想あれこれ。
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24cadca7.jpg発行年月:2010年1月


中学生の杏が出会った、風変わりな女性。
彼女と一緒に過去の事故を調べるうちに、
杏が見つけたものとは・・・・?

死って、案外、淡々としてて、とてもふつうなものだ。
誰にでもあることなので、日本中で毎日何百と起こっていることで、本人や遺族にはそれぞれ特別であるとしても、実際はとても平凡なものである、ってこと。
おとうさんが死んでも天地は裂けなかったし、おかあさんもあたしも発狂しなかった。朝がきて夜がきて、ごはんをたべないとおなかがすいたし、眠くなって眠って目がさめた。-----------本文より

                                             (本の帯文より)


図書館の児童書の棚にあった本。
なんとなく目に留まり借りて来ました。
こういうふと目に留まる本は大抵、自分にとって、すごく良い本だったりするのが不思議。

この本もすごく良かった!

児童書なので、とても読み易い。
主人公の杏は13歳。
夏のある日、学校に行きたくないと思い、さぼる。
その日の出来事。

何故、学校に行きたくないのだろう?と疑問に思いながら、前の日の家のなかの出来事が少し最初に書かれていて、何か暗く重い問題が杏の家族に起こっているようだとわかる。


学校をさぼって向かった図書館で、出会ったちょっと不思議な女性・佐千代。
佐千代は図書館に過去のある事故について調べに来たと言う。

そして、成り行きで二人は実際の事故の現場を訪ねる。
最初、杏は佐千代に対して心を開かず無愛想なのですが、段々と一緒に居る時間を経て、自身の抱えているものについても話し出す。
佐千代の年齢は特に書いてなかったけど・・・1975年に小学生だったというのだから・・・
40歳代くらいかなぁ?佐千代の話す昔話の内容が、自分の小さい頃のこととダブるので、杏との年齢差も親子くらいかも。

年が大きく離れた二人だけど、短い時間のなかでお互いを理解し、絆のようなものが生まれ
人の縁ってこういう不思議なこと起すことあるかもね~なんて思いました。

佐千代が追う過去の事故。
それに同行しながら、杏が思い出を蘇らせる亡き父のこと。

物語の最後では、杏が17歳に成長し、佐千代に手紙を書きその内容が書かれている。
それを読むと、13歳の杏の周りの諸々の暗いことは、その後、明るいことに変わったんだなとわかりホッとしました。

人の死についても、ちょっと考えさせる話ありで、いろいろな意味で深い話で
ず~んと胸の奥に何か刺激を受けるようなお話でした。

上手く表現出来ないけど、こういう本は子どもたちにも読んでもらいたい。


あとがきを読んで、この物語は著者の実体験が元になっているんだと知り、物語を振り返り、なんだか胸が熱くなりました。

著者の実生活とリンクしている物語だったんですね・・・。


初めて読む作家さんでしたが、ヤングアダルトを対象にした本を多く出版されてるみたい。
過去の作品も読んでみようかな?


この表題と表紙絵も内容にピッタリで好きです(^^)

★★★★★
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