忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[350]  [349]  [348]  [347]  [346]  [345]  [344]  [343]  [342]  [341]  [340
9e699f07.jpg発行年月:2009年11月

あるいは二人は、ずっと一緒に歩いて行けたのかも知れない。あの夜の出来事さえなければ。

性の解放が叫ばれる直前の、1962年英国。結婚式を終えたばかりの二人は、まだベッドを共にしたことがなかった。初夜の興奮と歓喜。そして突然訪れた、決定的な不和。決して取り戻すことのできない遠い日の愛の手触りを、心理・会話・記憶・身体・風景の描写で浮き彫りにする、名匠マキューアンによる異色の恋愛小説。

                        (新潮社HPより)

以前、映画化もされた「贖罪」を読んで、巧みな心理描写に感激しました。
新刊が出ていたのを知り、期待いっぱいで手に取りました。

ちょっと表題のインパクト強し!
内容もそのもの。
ある一組の男女・エドワ-ドとフロ-レンスが結婚式を終えた日の夜の事を中心に描かれる。

マ-キュリ-が描く初夜の男女の様子には猥雑さが感じられないのが凄い。
ベッドで裸の男女が居るのに・・・。

そして、そんな時間のなかでごく普通のことが行なわれるわけですが・・・・その時に及ぶまでの男女それぞれの視点で表される内にある気持ちの変化の描写が見事!

どうなる?この二人は?と半分、覗き見気分で読むわけですが・・・^^;
心のなかでは、無事、終わりますように・・・・と祈りながら・・・・。


しかし、残酷な流れ・・・・・哀しい。

どっちが悪いわけではないけれど、お互いの心を傷付けてしまう。

わたしは女性だけど・・・これはエドワ-ドがとても気の毒だと思う。
でも、フロ-レンスの立場になれば、責められない。

時代背景を考えたら、こういう男女も珍しくないのかな?
今じゃ考えられないような話ですが・・・・。

ことが終わった後の二人の会話も切なかった。
人によっては、フロ―レンスのエドワ―ドに投げかけた言葉はヒドイ!と思うかもしれないけど、
フロ-レンス自身も内心では、酷い言葉だとわかっているんじゃないかな?

エドワ-ドがすぐに追いかけたのが、間違いだったかも・・・・。

読みながら、いろいろと、あの時、こうしていたら?なんて考えてしまいました。

物語の後ろの方には、それから後の二人がそれぞれどうなったかも描かれていましたが、
まあまあ二人とも充実したその後を送ったのかな?と思えたのでホッとした。

今回の話もなかなか面白かった!
過去作品もまた読んでみよう。

★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
7 8 10 12 13
14 19 20
24 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]