介護に疲れた娘が選んだ究極の選択後の24時間
自分の母親を殺すのは簡単なことだった……。47歳のヘレンは88歳になる母を衝動的に殺してしまった。母は父が死んで以来ここ20年ほど一歩も家から出たことがない。母の世話は父の死以来、ヘレンの義務だった。元々変わり者だった母は年老いてますますヘレンに毒づくようになり、母への献身的な介護が愛によるものか、憎しみによるものかわからなくなってしまっていた……。ついに究極の選択をとってしまってからの24時間に錯綜するヘレンの47年間の母との日々と、ヘレン自身の娘と夫との生活、次第に静かに壊れていくある女性の気持ちを克明に追った問題作。
(ヴィレッジブックスHPより)
映画化された「ラブリ-・ボ-ン」を書いた著者の最新刊ということで、気になり読みました。
先に読んだ「ラブリ-・ボ-ン」同様、重たい内容でした。
最初に先ず、殺人の場面。
しかし、今回は、介護していた実の母親を殺してしまう娘のヘレンの語りで綴られる物語。
殺してしまった!動揺しつつ、どこか冷静なヘレン。
なんとかこの事実を隠し通そうと思いあれこれ思案。
唯一、別れた夫に連絡し、事実を告げる。
自分がまだ幼く、父親も健在だった時代の思い出話から、別れた夫・ジェイクとの事、二人の娘たちの事と次々に思い出すままに過去が綴られる。
幸せな普通の暮らしの時代もあったと思う。
しかし、どこか違和感があるのはナンだろう?
そしてヘレンが高校生のとき家の前で起きたある少年の交通事故が発端になり、
もっと暗い闇のような世界に呑み込まれて行ったかんじ。
始終、暗い空気感だけど、話は退屈することなく、ヘレンが生きた環境を自分も同じように生きたら
同じ間違いを犯してしまうかも?と思い、なんだかいろいろ考えさせられた。
けれど暗い話のなかにも、ちょこちょこ光が先に見えるような・・・・
そしてラストは、ハラハラしましたがホッと出来る終わり方だったかな?
ヘレンが選んだ道は、二人の娘の為にも良かったと思う。
と勝手な解釈してますが・・・
最後の解釈は人それぞれかも。
なかなかこれも読み応えがありました。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;