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読んだ本の感想あれこれ。
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cf0b14e0.jpg発行年月:2009年8月


5つのリドルスト-リ-に秘められた物語

古書店アルバイトの芳光は、依頼を受けた5つのリドルスト-リ-を探し始める。実は著者は生前「アントワ-プの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり・・・・・・。
著者新境地の本格ミステリ。

                     
(集英社HPより)

少し前に読んだ「春期限定いちごタルト事件」~「秋期限定栗きんとん事件」なども、青春小説の軽いミステリ-で楽しかったのですが、今回の物語は、大人も楽しめる上質なミステリ-だと思いました!

かなり、面白かった!
こういうかんじ大好きです!

伯父の経営する古本を扱う書店に、家庭の経済状況が悪く、一時休学し、学費を自分で稼ごうと身を寄せる大学生の芳光。
そこに、亡くなった父親が生前に書いていた5つの物語がどこかの雑誌に載っていると思うので探して欲しいとやってくる可南子。
1つ見つけたら10万円という報酬に魅せられ、仕事を引き受ける芳光。

ひとつずつ、見つけた物語が語られるのですが、どれも少し哀しい。
幸せな雰囲気はしない話ばかりで重いのですが、独特の魅力があり、どれも好きでした。

物語を探しながら、芳光と可南子の生い立ちのような過去を振り返るような話もあり、二人には共通するものを秘めているかんじでした。

そして、探していた物語が全て揃った後、明らかになる事には、とても辛いものがありました。
明らかにされた事は、今後の可南子にどう影響されていくのだろう?
なんて考えたら、本を閉じた後も、なんともスッキリしない読後感が残りました。

でも、作中作の雰囲気もそれに似たもので、その先の物語を読者が想像して楽しめばいいのかな?
なんて勝手に思い、わたしはきっと今後の可南子はこれを知った上で強く生きて行っただろうと解釈しました。
ある程度、可南子自身もわかっていたのではないかな?


この物語をいずれ娘が手に取り、そこから自ら感じ取るであろう事実を予見しながら書いた父親の気持ちは、どんなだっただろう。

最後まで読んで、すぐ作中作だけを読み返したら、なんだか一層ジ~ンと来ました。

これは今まで読んだ米澤作品では一番!(わたしの好みですが・・・^^;)

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