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de4af080.jpg発行年月:2009年6月


自分は何のために、そして誰のために、生きているのか?
心の奥底から溢れ出す人間の讃歌!


            
                   (講談社HPより)



下巻もサクサク読みました(^^)

ビルの住居人を説き伏せて、立ち退きを完了させなければならない八木沢ですが、住居人の一番年配者である茂木を始め、かつてそこで茂木と亡き阿部に親同然の事をして育ててもらった者たちとの交流は、より一層、深まっていった。

上巻と同じく、そこでかつて生活していた者の、今の暮らしぶりと昔の出来事の語りが続く。

亡くなった、阿部轍正の言葉を思い出して語るところが印象的。

骸骨ビルの存在理由がわかった箇所でした。

自分の子どもでもないのに、何故、自分が食べていくだけでも精一杯のあの時代、30人もの孤児たちを匿い世話し続けたのか?
それには、戦地での壮絶な体験の中で得た事が関係していたんですね。

まだ青年だった阿部とその友人だった茂木の会話もなかなか深いものがありました。

子ども達を育てて行く事に少し疲れた阿部が茂木に
「俺らは、せんでもええ苦労をしてるなぁ」と話しかけると、茂木が
「自分のことを考えての苦労やから、苦労と感じるんやないのか?」という場面。

う~ん、考えちゃいました。

もしかしてこの物語の核心部分かな?なんて。

ここで、阿部は茂木の言葉に内心、腹を立てるのですが、その事を後からあの時、腹を立てたまま言い返さなく本当に良かったと思うところが、またスゴイ。

自分のなかで損得勘定をしたら駄目なんでしょうね。
相手の為になるからやるんだという考え方でないと。


上巻で謎だった、立ち退きを仕事にする八木沢の元に届いた脅迫文めいた手紙の出所や、夏美の阿部を貶めるような嘘の真意については、はっきりとは明かされませんでした。
(読み落としでしょうか?・・・・^^;)

しかし、そんな事は、別にはっきりあえて書かなくともいいのだと全体の流れで思いました。

脅迫も嘘も相手を貶めるものでは決してなかったとわたしは思います。

皆が骸骨ビルで過ごした時代を心の糧にして、成長してきた事がわかったから・・・・。

人の温かい気持ちを描いた物語でした。

★★★★
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