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発行年月:2014年9月


 「好色一代男」「世間胸算用」などの浮世草子で知られる井原西鶴は寛永19年(1642)生まれで、松尾芭蕉や近松門左衛門と同時代を生きた俳諧師でもあり浄瑠璃作者でもあった。俳諧師としては、一昼夜に多数の句を吟ずる矢数俳諧を創始し、2万3500句を休みなく発する興行を打ったこともあるが、その異端ぶりから、「阿蘭陀流」とも呼ばれた。
若くして妻を亡くし、盲目の娘と大坂に暮らしながら、全身全霊をこめて創作に打ち込んだ西鶴。人間大好き、世間に興味津々、数多の騒動を引き起こしつつ、新しいジャンルの作品を次々と発表して300年前のベストセラー作家となった阿蘭陀西鶴の姿を描く、書き下ろし長編時代小説。
芭蕉との確執、近松との交流。娘と二人の奇妙な暮らし。
創作に一切妥協なし。傍迷惑な天才作家・井原西鶴とは何者か?

                        (講談社HPより)




物語の主役は西鶴の娘・おあいかな?
9歳で母は病死。
幼い2人の弟たちはほかの家へ養子に出され、おあいは父親と奉公人と暮らす日々。
おあいは盲目だが、母親が生活に必要なことは教えてくれていたので、
料理や裁縫もこなすことが出来る。
見えない代わりに、嗅覚、聴覚など、ほかの感覚が研ぎ澄まされ家のなかでの生活に
不自由することは殆どない様子。
ここまでに育て上げた母親が素晴らしいなぁ~。

西鶴は、俳諧師としては、なかなか才能を認められず、それならばと考えたのが
一昼夜に2万3500句を詠むという興行。
居直りとも思えるその行い、己こそ新風、一流だと自讃し「阿蘭陀西鶴」を自称。
貧乏なのに貧乏くさいことは嫌いで気位ばかり高い父・西鶴を半ば呆れながらも
見守る娘・おあい。

やがて、浄瑠璃や浮世草子も手掛けるようになり、こちらでの人気が出てくる。

そして、おあいが知る破天荒な父親の本当の気持ち。

下戸だと思っていたけれど、母が亡くなってから暫くして酒を断っていた。
弟たちを外に出したのに自分だけをそばにおいたわけ。


父親の深い愛情を知るおあい。
家族愛溢れる人だったと知り、感動しました。
晩年の二人の生活も穏やかで幸せそうでした。
いまの時代なら、早すぎる一生だけれど・・・。


同じ時代の松尾芭蕉や近松門左衛門も登場して、そういう交流関係だったんだと
知れたのも面白かった。


朝井さんの作品は、読み応えあります!
他の作品も読んでいきたいな。


                         ★★★★★
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