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発行年月:2006年8月


「ぼくがまた、きみを見つけにきてくれるまで、ここで待っているから」

40年の時を経てよみがえる、引き裂かれた恋人への思い。
遥かな故郷のサフラン色の土、吹き渡る風の記憶---。
深い余韻を残す、イラン系英国人作家によるデビュー作。

                    (本の帯文より/新潮社)



これはいろいろな愛を描いている。
母と娘の愛。夫婦の愛。それから遠く離れた愛しい人への思い。

母・マリアムと娘・サラ。
物語はイギリスとイランが舞台。

母・マリアムはイランで生まれその後、イギリスに渡った。
そのきっかけになった事は、マリアムにとっては辛いこと。
イスラム社会ゆえのしきたりも絡む。
マリアムの父親は国王・シャーの軍隊の将軍。
マリアムが英語を教わっていたアリという青年との間に不適切な関係があったと
疑い、イギリスに送られる。

マリアムはイギリス人と結婚し、その後は幸せな家庭を築くが
娘サラの妊娠中の事故後、再びイランの地を訪れる。


イランに戻ったマリアムのことを夫のエドワードは、責めない。
もう戻って来ないとも考えている。
一方のイランのアリは、戻って来たマリアムを温かく迎えるけれど
自分のずっと秘めて来た思いをあからさまには伝えない。

エドワードもアリも紳士的過ぎるほど良い人。

マリアムが「どちらを選ぼうが自分の大事な人を傷つけてしまうとになる」という
言葉が切ない。

イランから母親を連れ戻そうとしたサラもアリに接するうちに
母親のことを託そうと思い直す。


エドワードの心中を思うと
なんだかハッピーエンドとは言えない最後だけれど
不思議な余韻を残したままの物語だったなぁ~。


サフランの香り、わたしも好き♪
お茶にしても美味しいとか?今度やってみようかな?


著者は、この物語のアリと同様、イラン人の母親とイギリス人の父親を持つとか。

イランの国の歴史も少し学べました。
海外文学を読むとその国の歴史を学べるのも良いです。

                    
                            ★★★★
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