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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年7月


終戦前後の朝鮮半島と日本で、日本人引き揚げ者が味わった
壮絶な体験を赤裸々に綴る、息もつかせぬ愛と涙の
サバイバルストーリー。


1986年にアメリカで刊行後、数々の賞を受賞。
中学校の教材として採択された感動秘話。

                (本の帯文より:ハート出版)



戦争体験記は、いろいろ読んだけれど、これまた壮絶な体験でした。
父親が満州で軍の仕事をしているため、母と姉とで朝鮮北部で暮らすヨーコ。
兄も居るのだが、弾薬工場に働きに行っている。
そんな家族の元に、共産党軍が攻めてくるから今すぐ、逃げるように知らせが来る。
兄に置手紙を残し、逃亡の旅に出る母と娘たち。

途中何度も命の危険に晒され、ハラハラ。
朝鮮人のなかにも自分たちも危険に晒されるのに家族を匿ってくれる者が居たり
運が味方してくれてなんとか日本に辿りつく母と娘たち。
しかし、それからも苦労は続く。

一番幼いヨーコを母も姉の淑世もとても強くて優しい。
自分たちが生きて行くために懸命に知恵を働かせる。
けれど、困っている人が居れば出来る範囲で手を差し伸べる。
辛い状況のなかでこそ、その人柄が表れるものだなぁ~とつくづく思い、
ヨーコの母親には頭が下がる思い。


残酷な場面も目にして来たし、辛い思いも沢山して来たけれど
ヨーコは決して当時の朝鮮人のことは悪く言っていない。
むしろ助けてくれた朝鮮の人たちに感謝の気持ちを持ち続けている。

あとがきで著者が述べている言葉、ひとつひとつが重い。
「出版された後、在米二世韓国人たちが本書に怒りを爆発させ、本を教材からはずす
運動をあらゆる手段を使ってやり始めた」・・・とあります。

そういう運動を起こした方々は著者の本心を理解されていない方達だと感じる。

著者は「本書を通じて世界中の人々が、真の平和の中に生きて行く事を
祈ってやみません。」と最後に言っています。
本当にその通り。

多くの人に読んで欲しい本です。


                         ★★★★★
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