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読んだ本の感想あれこれ。
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51jq-peWK4L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2013年3月


子どもは育つ。こんな、終わりかけた世界でも。

七十代にして現役、マタニティスイミング教師の晶子。家族愛から遠ざかって育ち、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。全く違う人生が震災の夜に交差したなら、それは二人の記念日になる。食べる、働く、育てる、生きぬく----戦前から現代まで、女性たちの生きかたを丹念に追うことで、大切なものを教えてくれる感動長編。


                      (新潮社HPより)



二人の女性の生い立ちを描きながら、3.11を機に2人がより親密な関係になる。

吉川晶子は75才。
栄養士の資格を持ち、マタニティスイミングの指導員暦40年。
生徒たちとの昼食会では、食事指導もする。

平川真菜、カメラマン。
かつて、晶子の指導を受けていた。
母親は著名な料理研究家だが、子どもの頃から仕事が忙しい母親にあまり構って貰えず
母親の作り置きの食事を食べることにも途中から嫌悪感を抱いていた。
カメラに興味を持ち、指導を仰いだカメラマンだった男の子どもを妊娠。


晶子の生い立ちでは、戦争を体験し、物がなく特に食べ物がないことが辛かった時代のことを描く。
一方の真菜は、母親が料理研究家で美味しい食べ物はいつでも冷蔵庫にあるという生活。

対照的な二人の子ども時代。
晶子は食べるものがなかったけれど、家族たちや仲良しの友達と、
そのときあるものを分け合って食べた思い出がある。
そして、真菜は食べ物は沢山あるけれど、いつも一人という思い出。


食に関する人の記憶と言うのは、強烈なんだなぁ~。
晶子が勧めるタッパ-に入った食べ物を受けつけない意味が、
こんな風な生い立ちからだと知って、とても切ない気持ちになった。
子どもに食事を作る母親としては、その辺のことが一番、この物語から考えさせられた。
食べること=幸せ でない人間に育ててしまうことって怖い。


そんな2人が3.11の震災を機に再会し、晶子は、臨月近くの真菜のためにあれこれ世話を焼く。

真菜が晶子に出会えたのは、本当によかったと思った。
無事に子ども・絵莉奈も生まれて、ホッとした。
晶子が震災の日、心配になって家を訪ねなかったらどうなっていたんだろう?
それじゃあ物語は始まらないわけだけど・・・^^;


絵莉奈は、温かい人たちに囲まれて、美味しいものを沢山食べて、成長してくれるといいな~。

表紙の写真は、そんな未来を逞しく生きていく子どもを想像させてくれて良い写真だと思う。


                                            ★★★★


 

 
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