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読んだ本の感想あれこれ。
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37ddd1c7.jpg発行年月:2009年8月


死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。
凛にほのかな思いをよせる、売れないホラ-作家の道尾。
三人のもとに、今日も傷ついた心を持った人たちがふらりと訪れる。
友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。拾った仔猫を殺してしまった少女。自分のせいで孫を亡くした老人・・・。
彼らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。

                                  
    (本の帯文より)

「流れ星の作り方」「モルグ街の奇術」「オディ&デコ」「箱の中の隼」「花と氷」
5つの短編集。

最初の「流れ星ほ作り方」の雰囲気が好きだな。
凛が偶然、出会った少年との会話。少年に教わった流れ星のつくり方。試してみたくなる!
でも、疑問も・・・。
少年の目は見えるの?見えないの?よく見えないだけ??

ラストの話「花と氷」で出てきた老人の抱える苦悩は気持ちを想像すると切なかった。
亡くなった孫と同じ年代の子達を招いたお楽しみ会で、悲劇が起こらずホッとしました。


霊現象探求所を営む真備は冷静で鋭い洞察力でなかなかのキレモノなのに反して作家・道尾が実に頼りないのが面白い。
著者の遊び心か?

5つの話はそれぞれ面白かったけど、ところどころ「?」の箇所あり。
後で気づいたけど、これはシリ-ズ物なんですね!?^^;

三人の会話に出てきた<白峠村の事件>とか<仏像の事件>が気になる!
先のシリ-ズ作品「背の眼」と「骸の爪」も読んでみなきゃ!
この二作はなんだか不気味な題だったので、敬遠していたのですが・・・^^;


★★★
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52bda543.jpg発行年月:2009年5月

降りしきる雨よ、願わくば、僕らの罪のすべてを洗い流してくれ----。

すべては雨のせいだった。雨がすべてを狂わせた。血のつながらない親と暮らす二組の兄弟は、それぞれに悩みを抱え、死の疑惑と戦っていた。些細な勘違いと思い込みが、新たな悪意を引き寄せ、二組の兄弟を交錯させる。両親の死の真実はどこに? すべての疑念と罪を呑み込んで、いま未曾有の台風が訪れる。慟哭と贖罪の最新長編。



                      (新潮社HPより)

なんだか切ない話だったなぁ~。
雨の日にばかり起こる事件。

19歳の蓮と中学3年の楓は、両親が離婚後に母親が再婚した継父と暮らしている。
母親は再婚後に交通事故で亡くなっている。

中学2年の辰也と、小学5年の圭介は、母親が病死後、父親が再婚。
父親は再婚後に癌で亡くなっている。

二組の兄妹・兄弟は、それぞれ血の繋がらない親との3人暮らし。
蓮と楓の継父は、母親の死後、性格が変わったように酒浸り、時々暴力もふるい、近ごろは部屋に引きこもったまま。
兄と妹は、そんな継父に嫌悪感を抱き、蓮は殺意さえ抱いていた。

一方の辰也と圭介の継母は、家事もこなし何とか二人の母親になろうと努力している。
が・・・兄・辰也は母親を殺したのは継母ではないか?と疑い、心を開こうとせず反抗的な態度を取っていた。弟・圭介は、そんな兄の行動を理解できないが反論出来ず、兄に言われるまま追従。

二組の兄弟たちの描写が交錯しながら物語が進み
それぞれが抱く、血の繋がらない親に対する嫌悪感や不信感に読みながら同調してしまった。

そして、最後に知らされる事実に驚き!

本当の親子でも気持ちをさらけ出すのは難しい。
それでも蓮と楓の継父がもう少し、自分の気持ちを上手く表現出来ていれば良かったのにな・・・。
哀しい結末を迎えてしまった。
切ない・・・・(/_;)

龍神の物語も上手く話のなかで活きていて良かった。

★★★★
7937ec61.jpg   発行年月:2009年1月


   この世は完全犯罪だらけ。
   誰にも気付かれなければ、それは完全犯罪なんです

   鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。
 
   いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、初の連作短編集!

                      
                (角川書店HPより)

この表紙の絵が怖くて・・・・・ずっと気になりつつも読まずにいた書です^^;
でも、結構、評判良いみたいだし、他の作品でもこの著者の上手さは認めているので、思い切って読みました。

最初の3つくらいを夜、読み始めて・・・・怖いけど何とか我慢しながら。

最初の「鈴虫」は、サスペンスドラマを読んでるかんじで、怖いけど、まあまあ大丈夫。
「ケモノ」は、ちょっと切ないようなやりきれないようなモヤモヤしたかんじ。
「よいぎつね」は、20年前の祭の夜を回想しながらで、そこから漂うものが背中に寒気を感じさせた。

ここまで読んで、すごく怖くはないけど、なんだかイヤ~なかんじがしたので、本を閉じて残りは、翌日の昼間に持ち越し(笑)
結構、怖がりなのです・・・・^^;


「箱詰めの文字」・・・おぉ~っ!最後にビックリ!
「冬の鬼」・・・タイトルからして怖そう。やっぱり怖い!キャ~ッ!!
「悪意の顔」・・・先のが顔で終わったけど、また「顔?」ドキドキ・・・・
この話も状況をつい頭で考えてしまって・・・・ラストは、ちょっと謎が残るけど、不思議で怖い。


なんだろな~。不思議な怖さ。

怖くて、この先はもう読めないという程、ホラ-色は強くなく、最後まで読んじゃった。
でも全体を通しての不気味さ、ジワジワ背中の辺りに感じるイヤ~なかんじが続いてた。

この手の話が好きな人にはきっと文句なしの短編集だろうな。
次女に勧めてみよう(笑)

でも、やはりこの人は上手いな。
全部の話に登場する人物「S」と鴉。
違う場所での話なので、同一人物じゃないんだけど、イニシャルだけで語るって結構、怖い。
誰かの小説にもあった記憶だけど。。。

★★★★



dd6eda06.jpeg   発行年月:2009年11月


   青春のきらめきと痛みを静かにうたい上げる、
   道尾秀介の新境地。

   あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった・・・・・。狡い嘘、幼い偽善、決して取り返すことのできないあやまち。矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、人生の真実の物語。


                                         (角川書店HPより)

道尾作品は、全て読んでいるわけでないですが、ミステリ-作家のイメ-ジです。
が・・・今回は新境地というから、今までとは違うんだろうな・・・・とワクワクしながら読みました。

先ず、今まで読んだ道尾作品のような最初から感じる暗いかんじの怪しさが少なく、普通の日常を送る人の様子が結構、明るく描かれていました。
床下の消毒業者というちょっとした怪しさはありましたが・・・^^;
そこに出てくる人たちは、普通。

主人公の友彦の環境にはやや人と違ったものがありました。
両親がいるのに、引っ越す事になったとき、隣人の乙太郎家族の同居人となっている。
そこには二人の姉妹がいて、年は姉・サヨが友彦の2つ上とで妹・ナオは2つ下。
まるで三人きょうだいのように過ごす日々だったが、サヨが中学2年のとき、亡くなっている。

サヨがまだ元気だった頃のことを思い出しながら・・・現在の話が進んでいく。
サヨの死の真相が気になりつつ・・・この辺は少しミステリ-っぽかったかな?

17歳の友彦は乙太郎の営む「橋塚消毒」の手伝いである家の害虫駆除調査に行き、そこに住む女性に惹かれる。
そして、その出会いが発端となり、友彦を苦悩させる事柄を引き起こしていく。

自分を正当化したいために嘘をつく。またはふとした勘違いから相手に強く言った言葉がとりかえしのつかない事態を招いてしまう。

苦悩する人たちの心の奥にある重たい想いが描かれていて、なかなか読み応えがありました。

ミステリ-色はなるほど、殆どなかったけれど、わたしは、こういう作品、好きです!

スノ-ド-ム、星の王子さまの物語なども上手く物語のなかに取り込んでいて、うまいなぁ~と思いました。

ミステリ-好きでそれを期待する方には、あまり評価されないかもしれないけど、こういう作品もこれからは、書いて欲しいな!

書くものの幅が広がった!と思わせてくれてなんだか、嬉しかったな(^^)


★★★★
 
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