発行年月:2013年1月
「選択」に迷う人へ――。芸能界を題材に描かれる、"再起"の物語


「初めてあの音を聞いた時、触れたことのない場所に触れられたようだった――」。情熱を失ったマネジャー、復活に賭ける女優と舞台に招かれる元女優。三人の「運と運命」をわけるものは? 入魂の長編小説!
(角川書店HPより)
芸能界というなかでの人間関係を描いていて、最初から興味深く読めた。
主人公の大崎藍子は、女優・河野みさきのマネージャー。
みさきは離婚後、やや人気低迷の女優。
気位が高く、扱いにくさは業界内では有名。
ほかには、みさきの付き人・今野。
彼女は元は女優志望だったが、女優としてはデビュー出来ず、芸能界で働くためならと
付き人をしている。頭の回転がよく、よく気が付き、付き人としての才能を
周りからは高く評価されている。
それから衣装・小道具係の野沢。
皆、目立たない仕事を懸命にこなし、ひとつの映画やドラマを作るのに
こんなに多く陰で働く人が居るんだ~と思った。
そして、ロケ先の田舎で藍子が見つけた、見た瞬間から気になった親子。
母親の片山愛とその娘・真菜。
愛は、元アイドルとして芸能界に居た経験を持つ。
現在は離婚して、幼い娘と二人暮らし。
愛の父親はアイルランド人。
アイルランドのティンホイッスルを真菜はいつも手にしていて
言葉を話すより、その笛を吹くことで感情を表現する。
登場人物たちの背景にあるものが、どんどんうまく繋がっていく。
巧いなぁ~話の進め方が!
あまり期待せずに読んだけれど、女優としてより作家としての才能がある方なんだと
思った。
テレビのコメンティターとしての活躍もされていて、話すことが
凄くしっかりしているなぁ~と思っていました。
ほかの書も読んでみたい!!
★★★★★
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発行年月:2013年11月
あたしは猫であると同時に、音楽なの。
ねえ。あたしのメロディが聴こえる? 黒猫のクロエ、ゴールデンレトリバーのジュディ、 ドールハウス製作に打ちこむ栞、イラストレーターの優喜。 Cat Meets Dog そして、Girl Meets Boy── いま、奇跡のような物語が、生まれる。 「ついに会っちゃいましたね」栞が冗談めかした調子で言うと、 「そうですね」優喜はうなずいたあとで、数秒の後に、 「やっと会えた」まるで運命の恋人に囁くみたいな科白を、 おそろしく無造作でありながら、 それでいて、掛け値なしに優しい声で言った。(本文より) イノセンスは永遠だろうか。 ボリス・ヴィアンの『日々の泡』に捧げられた、 限りなく優しくて哀しい、どこか不思議な、GirlとBoy、猫と犬の物語。 |
ひょんなことから犬・ジュディのいる一軒家に住むことになった広瀬優喜(33歳)。
フリーランスのアーティスト。
一軒家を紹介してくれたのは、カフェを営む田中曜子。
一軒家の持ち主である家族とはそのうちの長女・日登美と友だち。
日登美たち家族は海外で暮らしていると聞くが・・・
そして、カフェの常連客の一人、遠山栞(31歳)は、黒猫のクロエと共にいつも居る。
クロエは元ストリートチルドレンだったらしい。
優喜とジュディ。栞とクロエ。
優喜も栞も失恋した相手への想いをちょこっと引きずっているかんじ。
人間同士の関わりと共に、ジュディとクロエの心理描写も描かれるのが
楽しかった。
犬とか猫って、こんな風に飼い主のことを、よ~く観察してるのかな?
人間の言葉で喋らないからわからないけれど、結構、深いところまで理解してたりして・・・。
今、犬とか猫を飼ってる人には楽しい物語でしょうね~。
ああ、また猫が飼いたくなってくる~(笑)。
しかし、ジュディは前の飼い主の日登美ちゃんのことを深く愛しているんだな~。
離れていてもこんな風に思ってくれていたら、日登美ちゃんも嬉しいだろうな。
再会できる日が来るといいな。
楽しい物語でした♪
★★★
発行年月:2013年12月
なにをしていましたか?
先週の日曜日に、学生時代に、震災の日に--------
様々な問いと答えを「遊び」にして、あらゆる場所で緩やかに交流する
人々の切実な生を描く、著者四年振りの長篇群像劇。
(文藝春秋HPより)
東日本大震災の3日後、小説家のネムオはtwitter上で、
「それはなんでしょう」という言葉遊びを始める。
気晴らしの必要な歩とだけ参加してくださいという呼びかけに
徐々に常連で言葉遊びに参加する者たちが増えていく。
そして、震災から1年後までの彼らの日常も追う。
言葉遊び、面白いなぁ~。
「なにをしたい?」
「どうしますか?」
「なにを願いますか?」などなど・・・。
その質問の前後の文は、期間が来たら発表される。
各自がその質問の前後の文を予測して答えを提出する。
twitterは、興味なしで、やるつもりもないけれど、
こういう人間関係が築かれるのもいいかも。
メンバーの者同士が実生活で集まる場面は、そのなかの男女の結婚式というのも
微笑ましい。
震災が前面には出てこないけれど、これから先、自分はどう生きるか?
なんていうことも漠然と考えさせられた。
最後の「いいんだよ」聞かれていないのにそうつぶやいた。
大人は寂しくてもいいのだ。
この文で終わるのが、なんだか切ないけれど、ジ~ンと来た。
★★★★
発行年月:2013年9月
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが―。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!
(BOOKデータベースより/幻冬舎)
冒頭のライターの「僕」が、殺人事件で死刑判決が出ている犯人の木原坂雄大を
拘置所に訪ねて会話する場面を読んで、薄ら寒い不気味さを感じ、これは
どういう話の展開なんだろ?と期待感でいっぱいになりました。
出だしは最高!
途中までは、その期待感をどんどん増していくかんじで良かったのですが・・・
中盤くらいから「ん?」というかんじになりまして・・・
最後は何とも後味悪い話でありました。
面白くないわけじゃないです。
面白かったんですが・・・何だろな?
淡々と進み過ぎて、登場人物たちの心理がよくわからないかんじだからかな?
どうしてそんなことまでする必要あった?
亡くなった人の人形を作る男に人形を作って欲しいと依頼する客達・・・K2のメンバー
これもよくわからんかったし・・・・。
もう一度読めば何かもっとわかるかな?
でも二度も読みたくない話だわ~^^;
好みが分かれそうな作品だと思う。
わたしは・・・・面白いかと言われたら面白いと答えるけれど
好きじゃないな。
こういう文章。感動出来なかったので・・・

★★★
発行年月:2011年4月
人気映画監督の新作を若手新鋭作家がノベライズ
一番列車がすれ違うとき奇跡が起こる。九州新幹線開通に沸く街で噂を耳にした兄弟は、家族の再生のため奇跡を目撃すべく出発した
(文藝春秋HPより)
大阪で暮らしていた兄弟・航一と龍太郎は、両親の離婚で、離れ離れに。
兄の航一は、母と鹿児島へ。
弟の龍太郎は、父と福岡へ。
別々に暮らしているが、2人ともまたいつか4人で暮らせる日が来ると信じている。
兄弟同士が仲が良く、電話で連絡し合い・・・・
そして、ある日、奇跡を起こす方法を聞いた航一は、弟にそのことを話す。
鹿児島からの『さくら』と博多からの『つばめ』。
2つの一番列車がすれ違うとき、願いを言うと奇跡が起きる。
2人の兄弟は、それぞれの友達と一緒に合流して、その奇跡を起こす現場に向かう。
すごく良い話でした。
大阪弁の兄弟の会話が可愛い♪
勝手に読みながらイメージでちびっ子お笑いコンビの前田兄弟を頭に浮かべていたら・・・
実際の映画で2人が出演していたのには、ビックリ\(◎o◎)/!
ドンピシャな配役だと思う!
映画が見たくなりました。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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