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発行年月:2015年6月


 戦時中、高知から家族と満洲にやってきた珠子。そこで彼女は、朝鮮人の美子と横浜から来た茉莉に出会う。三人は立場を越えた友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、珠子は中国戦争孤児になり、美子は日本で差別を受け、茉莉は空襲で家族を失い、三人は別々の人生を歩むことになった。あの戦争は、誰のためのものだったのだろうか。

                     (講談社HPより)



ホント、戦争なんて馬鹿げていて無意味で、得るものが何一つないことだと

感じる。

満州開拓団として、日本から中国に渡った珠子。

朝鮮から父親の仕事の関係で満州に来た美子。

横浜在住で父の貿易の仕事で中国に一緒に来た茉莉。

中国で、日本人と朝鮮人の少女たちは、仲良くなる。

その後、茉莉は、日本に帰るが空襲で孤児になり裕福だった暮らしは一変。
美子も中国を離れる。朝鮮に帰る者も多い中、美子の父親は日本に渡ることを選ぶ。
朝鮮人ということで差別を受けながら暮らすことに。

珠子は茉莉と美子が居なくなり寂しい思いをするが、一緒に満州に来た、
年上の八重子家族と共に満州に留まっていた。


が・・・やがて、日本が敗戦。無条件降伏すると事態が深刻化。
満州で暮らしていた日本人は、敗者ということで中国人から暴力を振るわれ
共産党員たちから逃れるために家を離れることになる。
その後、過酷な旅が始まり、珠子は、母親とはぐれて、中国残留孤児となる。


三人三様に苦労続き。
それでも必ず、助けてくれる人が現れたのが救いでした。

国同士が戦争をすると、そこに暮らす人たちは、違う民族ということだけで
今まで築いてきた信頼関係が一挙に崩れてしまう恐ろしさを切々と描いています。

日本人だった珠子は、日本語をすっかり喋れなくなってしまう。
生きるために中国人に成りきるしかなかったから。

珠子は、日本で自分を覚えていた人たちに会えて再び、日本に帰ることが
出来たけれど、再び日本人として生きるのには苦労した。


長篇なのに一気読みでした!

戦争体験者ではない著者(1974年生まれ)がいろいろと文献を調べて
描かれたであろう物語。
戦争を体験した人から直接、話を聞く機会はそうそう無くなった時代だからこそ
多くの人に読んで欲しいなと思える。

                        ★★★★★
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