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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1982年12月


日露戦争のさ中、福井県から信玄袋ひとつを持って、
東京へ出てきた少年がいた。
好きで好きでたまらない料理づくりに生涯をこめて突進し、
努力と経験によって得た知識と知恵で、ついに
“天皇のコック長”として、日本料理の最高権威となった人物の
波乱万丈の一生を克明にたどる傑作長篇。

             (集英社文庫裏表紙解説文より)




ドラマを楽しく毎週見ているので、原作が気になり読んでみました。

多少、違う部分がありますが、原作も面白かったなぁ~。

ドラマでは妻の敏子ひとすじの篤蔵ですが、こちらの本では、敏子は、
パリから帰国後に知り合った女性でした。


多少の脚色はあるでしょうけれど、本当に波乱万丈の生き様で
読んでいて退屈しませんでした。


歴史的にもいろいろあった時代で、戦争、震災と続いたなかで大変な苦労も
あったんだとわかった。

興味深かったのは、晩さん会時のメニューや天皇の食事内容が記載されていたこと。

普段のお食事は、一般家庭の献立と大して変わらないというところが
何とも言えぬ感動を覚えました。


ドラマも残り少なくなってきましたが、また楽しく見たいと思います♪


                            ★★★★
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発行年月:2014年6月


 ブスでも鼻つまみでも超魅力的&パワフル!
 三十二年前の七月九日に曾祖母・匹田サダは亡くなり、その翌日に私が生まれた。なんだか私は曾祖母の生まれ変わりみたいだ--。
 サダは昭和二年、大分の片田舎に嫁いできて、村初めての精米所をつくり、大きな富を得た。さらに男の子を九人も産んだ。
 家族を飢えさせることもなくよく働いたが、歯に衣着せぬ物言いのせいか、誰にも好かれなかった。息子たちにまでくそババアとののしられたが、それでも彼女は日本一の女太閤様だった。
「私にはな、金剛様がついちょるんじゃ。じゃあけん、精米所をやれば成功するし、子どもを産めば、みな男の子じゃ。金剛様にかぎらず神様も仏様も、自分の足でしっかり立っちょる者の味方じゃけんな」
 
●家族も隣人も卒倒! 歯に衣着せぬサダ語録
「そしたらお義母さん、体には気をつけんと。私は自分を悪く言う人の面倒は見られんけん、お義母さんは起きられんようになったら、それきりじゃと思ってください」
「私は二人産んでできやすくなっちょるけんな。一、二度ちゃっちゃとやりゃあ、すぐに腹が膨らむじゃろう」

                   (小学館HPより)



サダという女性の一生を描いた物語。

33回忌の法要に参加する菜穂子は、曾祖母の一生を寺の住職から数日前に
聞く。


器量が悪く、見た目は猿のよう。
実家は商家だが、田舎の農家に嫁いだサダ。
そこで9男を産み、畑仕事に精をだし、やがて精米所を作る。
なんともパワフルなサダさん。

言葉はきつく融通も利かないけれど、信念を突き通す、男気溢れる女性。
そんなサダの良き理解者は、精米所を作るとき手助けした富松。
機械の搬入などから、後の精米所の盛況ぶりを支援した男。
サダも唯一、本音で話せる相手と、富松に話している。

8人の男子を出産し、9人目の出産時、家に人が居ず、産気づき
なんとか富松が駆け付けたが、生まれたのは女の子。
「捨てて来て」と言われた富松は、赤児を抱いたまま行方知れずに・・・・。

月日が流れ子どもたちが成長。
戦争で周りの男たちがどんどん戦地に行ってしまう時代、サダは国に子どもは渡さないと
あれこれ知恵をだし、抵抗するが、村人たちからは忌み嫌われ、子どもたちも
肩身が狭い思いをする。

今の時代で考えたら、サダの考え方の方が、絶対正しいのに、この時代では
そうはいかなかったのだと思うと、戦争とは、恐ろしいものだと改めて思う。


そして、長男の取った行動は、哀しいけれど、心優しく賢い長男らしい決断。

戦後、富松がサダを訪ねて来て話した9番目の子どものこと。
やはり、富松らしい対処の仕方だったと感動した。
サダのそばに良き理解者となる女の子が1人居たらサダの人生も
もう少し明るいものだったのかも。。。

親戚一同から嫌われ者扱いのサダさんが、菜穂子が住職から聞いた話を聞き、
少し考えを変えてくれたらいいのになぁ~。


読み応え十分の物語でした!
作者は大分出身。
もしかして、ご自身の曾祖母さんの話だったりするのかな?
と考えるのはちょっと行きすぎか?^^;
著者の年齢と合わないしね^m^

 
他の書も是非、読んでみたいと思える作家さんです!


                      ★★★★★



発行年月:2014年11月


 マラリア、狂犬病、鳥インフルエンザ――
海外から襲いくる感染症に、検疫官・西條亜矢が体を張って立ち向かう。
衝撃の医療サスペンス!

                   (PHP文庫HPより)




空港内にある検疫所分室。

そこで海外から侵入しようとする感染源を食い止めるために働く検察官たちの
奮闘ぶりが描かれている。

医師の西條亜矢(37歳)が、ボス。
その部下で配属されたばかりの新人看護師の東出祐助。
医大で感染症教室助教授を務める瓦田平太郎は、亜矢の大学時代の同級生。
ほかには、新聞記者で感染症担当の下田雄史などが主な登場人物。


4つの章でそれぞれ、マラリア、炭疽菌、狂犬病、鳥インフルエンザの感染拡大を
水際で阻止する亜矢たちの様子が描かれている。

亜矢の政府の隠蔽工作を嫌い、独断で大胆な封じこめを行う様子はスカッとする。
同じ現場に居たら、やや厄介な人物だけれど、こういう方法でも
結果的に感染拡大を封じこめたという成果が得られるのなら止む終えないでしょう。


著者の作品は、社会に警告する内容が多いので、反論もあるかも?
ですが、これからもこんな作品を読ませて欲しい。

思ったより看護師の青山君の活躍が少なかったなぁ~。
続編もありそうなので、もう少し青山くんの出番があるといいと期待。


いつも思うのですが・・・仙川さんの本の表紙ちょっとリアルで怖いです^^;


                            ★★★



発行年月:2014年9月


 食品の安全神話を深くえぐる問題作登場!

天使の卵か悪魔の卵か……。
吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。
疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」と言い切る医療ミステリーの旗手仙川環が二年に渡って執筆した傑作書き下ろし作品。

                      (小学館HPより)




食の安全について考えさせられる物語でした。

リアルで、実際に起きても不思議じゃない話。

体に良い物を子どもには食べさせたいと思う親は多いんでしょうが、
あまり神経質になるのもね・・・・。

今回の食品は「卵」。
生で卵を食べるのは日本人くらいらしいけれど、逆に言えば、それだけ徹底した衛生管理が
なされているからとも言える。
しかし、今回は、それが故意に崩された結果、起きた悲劇。

食中毒で亡くなった人も出たけれど、それ以外でも自己の責任を感じて
自ら命を絶った人も出て、なんだかすごい話だった。


仙川さんの医療ミステリーはいつも楽しく読ませて貰っていますが
今回のは少し違った角度から、わたしたちに問題提起したかんじ。

風評とかに惑わされず、自身の知識を高めて判断しないといけないな~。


スピード感ある展開で、一気読みさせてくれるのは、さすがだな。


                            ★★★★




発行年月:2014年4月

余命一年で知った、本当の人生――

末期のすい臓がんで余命宣告を受けた53歳の出版社役員・菊池は、治療を放棄し、「病を癒す女」を探すため、神戸へ移り住む。

がんに侵されたのは、運命か必然か。未知の土地、これまでの生活とまるで異なる時間の流れに身を置き、菊池は体内にがんを生み出した「もう一人の自分」の声を聞く。
死に向かう人間の直感、思いがけない出会いの導きに翻弄されながら、偶然のひとつひとつが結びつき、必然へと姿を変えていく。やがて、彼の目の前に描き出される「神秘」の世界。その景色の中に求めていた答えを見つけ、男は新たな人生を歩み出す。渾身の最新長編小説。

                     (毎日新聞社HPより)




余命1年の宣告を受けた菊池三喜男53歳の物語。


がんと宣告され、余命1年と言われたら・・・・
大抵の人は、動揺し死期を待つしかないと諦めるでしょう。
抗癌剤治療の効果も期待できないほどの末期ガンということが幸いしたと
主人公は後で考えるが、なるほどね・・・・

医療にかかわることを放棄し、偶然、以前、電話で話をしただけの「山下やよい」を
探すことが自分の体を良い方向に向かわせてくれるという信念を持ち行動する。

やよいを探し出すまでの話で出会う人たちも後々、とても重要な意味をもつ。

人の出会いは、必然的なもの?と思える話で、
本当に神秘的な話でした!


菊池の別れた妻・藍子との離婚に至るまでの出来事が、後々、そこに隠されていた
真実を知ることで感動的な、また人と人との結びつきを知ることとなる。


面白かったぁ~。
よく考えられた話で、そんな偶然あるかな?と思う前に、
これは全部、必然的な人と人との出会いの物語なんだと納得させられてしまう。


分厚い本だけど、最後まで頁を捲るスピードは緩まない内容でした!


                            ★★★★★
 
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