他人の秘密。それは、震えるほどの興奮------。
大学院生・白石珠は、ある日ふとしたきっかけから
近所に住む既婚男性・石坂を尾行、表参道で不倫現場を目撃してしまう。
同棲中の恋人・卓也への浮気疑惑にとらわれながらも、
石坂への尾行を繰り返す珠だったが------。
(角川書店HPより)
なかなか面白い話でした。
ちょっと今までの小池作品とは違うかんじでしたが、わたしは楽しめました。
主人公・白石珠は25歳の大学院生。
母親は既に亡くなり、父親は遠くドイツで恋人と暮らしている。
珠は27歳の卓也とマンションで同棲中。
父親からある程度の仕送りを受けながら、結構、お気楽な身分というかんじ。
卓也は53歳の女優・三ツ木桃子の専属運転手兼雑用を仕事としている。
物語は、珠がかつて大学での講義で、篠原教授が言っていたソフィ・カルの<文学的・哲学的尾行」をふとしたキッカケで試してみたくなるというところから始まる。
尾行というと、何か下心ありのような感覚を覚えますが、こういう設定でだと何か正当化されてしまうようなかんじ。
しかし、尾行される側の近所の既婚男性・石坂史郎(45歳)にしたら迷惑な話。
浮気相手とのことまで知られてしまうのですから・・・・・^^;
そして珠自身も尾行をしながら、恋人の卓也と桃子の関係を妄想し、不安に駆られ悩む。
珠のいろいろな気持ちの葛藤が読んでいて面白かった。
意外だったのは、ラスト近く、ついに石坂に尾行を気づかれ、呼び出され「理由を教えてくれ」と言われるところ。
もっと修羅場状態になるかと思いきや・・・・・。
石坂って変な男だな。
妻に浮気がばれ(珠のせいでは決してない)、救急車で妻搬送の事件まで起きながら浮気相手との関係は続行されてるかんじだし・・・・。
そして、珠も尾行癖がついたのか??という終わり。
う~ん。よくわからない人たちの変な話だったな。
でも、物語としては結構、面白く退屈しなかったのは、やはり著者の筆の巧さかな?
物語のテ-マになっている「文学的・哲学的尾行」もよくわからないけど、なんだか気になる。
ソフィ・カルという芸術家にもちょっと興味を覚えた。
ソフィィ・カルの書いた「本当の話」も今度、読んでみようかな?
★★★
天才絵師の名をほしいままにした兄・尾形光琳が没して以来
尾形乾山は陶工としての限界に悩む。在りし日の兄を思い、
晩年の「花籠図」に苦悩を昇華させるまでを描いた歴史文学賞受賞の表題作など、
珠玉5篇を収録
(BOOKデ-タベ-スより)
表題作「乾山晩秋」は一番最初の話。
画家の尾形光琳は有名ですが、ここではその弟・尾形乾山の話。
乾山は陶工の道に進んだ人だが、晩年は絵筆をとることも多く後の文人画の先駆けと言われているという。
光琳が赤穂浪士と関わりがあったかも?
へ~そうなんだぁ~!
その後の話は・・・日本画の世界では有名な狩野派の人々の話。
「永徳翔天」
幕府の御用絵師となった狩野永徳の物語。
狩野派は教科書でも習ったので興味深かった。
この時代の絵師って、特殊な立ち場だったんだなぁ~。
「等伯簿影」
狩野と争う絵師の長谷川等伯の物語。
御用絵師になるかどうかでこんなにも違うんだ・・・なんだかかわいそう。
「雪信花匂」
女流画家・清原雪信の話。
17歳で狩野探幽の直弟子となる。20歳で流行画家となり狩野の女絵師と言われていた。
その後の雪信の恋、そして狩野派のなかでの諍い。それぞれの絵師として特殊な立場にある者達ゆえの思いが切ない。
お手本の絵を書き写すだけの絵師の育成に力を注いだ狩野派の末弟・吉信。
力を受け継いでいくのは大変だったんでしょうね・・・・。
「一蝶幻影」
一時は狩野派で絵を学んだ絵師・英一蝶(はなぶさいっちょう)の物語。
知らない絵師ですが、大奥とか赤穂浪士とかの関わりが出てきて面白かった。
馴染みがない絵師という特殊な世界の話なので、読むのにやや難儀しましたが
物語としては面白かった。
ここに登場の絵師たちが書いた絵を探してみてみよう!
★★★
日本史上、もっとも不名誉な“仕事”を買って出た男-----降伏文書への調印を行ない、戦犯になったことで、不当に低い評価を受けている昭和の外交官・重光葵を描く長篇小説。
1931年、駐華公使だった重光葵は上海で爆弾テロに遭い、右脚を失う。そこからの彼の人生は苦難の連続であったが、目の前に立ちはだかる“階段”を重光はひたすら登り続けた。
外交の第一線に復帰した重光は、日中戦争を終結させて孤立する日本を救おうと奔走するも、対米英戦争へと突入してしまう。外務大臣となった彼は大東亜会議を実現する一方で、戦争終結に向けて動いたが、戦局は悪化の一途を辿った。
敗戦直後に再び外務大臣となった重光は、誰もが尻込みする降伏文書に調印する役目を引き受け、マッカーサーとの交渉も成功させる。戦犯として服役後には外務大臣となり、国際連合への加盟という大仕事をも成し遂げたのだった。
重光葵の激動の生涯を掘り起こして光を当てた力作。
(PHP研究所HPより)
日本のためにこんなに尽力した人なのに、名前しか知らずにすみませんと言いたくなった。
幼いころは貧しく、それでも漢学者として世間で認められていた父からは多くのことを学び、学力は秀でたものがあり、両親は息子たちのために大金を土地の権力者から借り高校進学をさせてくれた。
そして、父親は「これからは漢学でなく外国語を身につけて先々は海外に出て行け」と言っていた。
そして、兄を追って自分も東大に進学し、卒業後、外交官試験に合格。
すぐにベルリン赴任を命じられる。
そして駐華大使としての公務中、命を狙われる。
片足を失うことになったが命は助かった。
でも、それからが過酷なリハビリ。
挫けそうな心を支えたのは、外交官としてまだまだやらなければならないことがあるという思い。
そして、同じように片足を失った後も偉業を成し遂げた大隈重信を思い、自分も負けてたまるかと奮起する。
日本は中国に侵攻し、満州に鉄道を作り、街を繁栄させていった。
そこには多くの日本人も移り住んでいた時代。
日本に侵略されたと恨む中国人もいるが、繁栄させた力も大きかった。
幼いころから漢学者であった父から
日本は太古の昔から中国から文化を取り入れてきた。
彼らの中華思想の誇りをこちらは理解しなくてはうまく付き合っていけないと言われていた。
だからか、片足を奪った中国人を芯から恨めない。
その後、イギリスでチャ-チルと、第二次世界大戦は避けなければならない。
アメリカを戦争に巻き込むの避けなければと共通の考えで話し合うが・・・・・
思い通りにいかずに、その回避しなければと言ってた事態に物事は進んでいってしまう。
もはや自分が留まる意味がないとイギリスを去る重光葵の心中を思うと泣けてきた。
そして第二次世界大戦突入。
アメリカを敵側にして戦わなければならない事態に。
軍の上層部も政府もやりたくないけれど仕方ないという状態だったのか?と考えるとそのために
命を落とした国民は・・・・・と本当にやりきれない気持ちでいっぱい。
終戦を迎えると、そこからも苦悩の日々。
天皇を戦争責任から回避させるためにマッカ-サ-とも交渉。
日本における天皇の存在意味を説く。
それにより天皇の戦争責任は問われず済んだが
重光自身も戦犯として捕らえられ禁固7年の刑。
4年半で仮釈放となってからは政界からの誘いを受け入れ政治家としての生き
日本の国際連合加盟を目標に奔走し、成し遂げた。
亡くなったのは大役であった連合加盟を果たして約1ヶ月後。
狭心症発作のため。
自分のことは二の次にここまで日本の将来を思って行動し大きな成果を挙げた人物だと知ると
頭が下がる。
今の政治家にもこんな志の人が沢山いてほしいなぁ~。
植松さんの小説はいつも読み応えがあり、勉強になります。
(毎回、書いてる?^^;)
★★★★★
もしデブが宿命ならば、甘んじてそれを受けよう。宿命と運命とは違う、と言ったのは誰だろう。
デブは運命と思いたい。運命は変えられるのだ、きっと。
少女の頃からずっとなじみだったこの下腹の重みは、
時には軽くなり薄くなる。恋をした時には消滅したこともある。
恋も運命と同じように、デブも運命に違いない。
だから運命が、私にどれほどの肉を与えても、
いつか笑顔でふり落とそうではないか。(本文より)
贅肉とのネバーエンディングな戦いを繰り広げるマリコの恋とキレイのストーリーは、遂に第10巻。
美女エッセイの金字塔!
(マガジンハウスHPより)
ファッション雑誌anan連載「美女入門」シリ-ズ代10弾ですね。
相変わらず、ファッションの話と良い男の話とダイエットの話。
相変わらずですが、面白いなぁ~。
自分のことをデブと言ってるけれど、ちゃんと努力しているし、いつも綺麗でいなきゃいけないという意識を持っているのは同じ女性として偉いなと思う。
お金があるから、ダイエットの方法もお金をかけたものだけど・・・・^^;
もう林さんなら、嫌味に思えない(笑)。
実際、独身時代よりも今の方が綺麗だと思うし・・・。
公式ブログ「林真理子のあれもこれも日記」も見てみたら面白かったので、
これからは、そちらもちょこちょこチェックしよう♪
林さんが描くこのイラストもとても好きです。
★★★
うちらは、電車通学のことを、キシャツー、って言う。
部活に通う夏休み、車窓から、海辺の真っ赤なテントに住む男子を見つけて……
微炭酸のようにじんわり広がる、それぞれの成長物語。
(河出書房新社HPより)
北海道の片田舎。
電車通学をする高校生たちの夏休みのひとこま。
登場する高校生たちがみんな良い子たち。
明るくて友達思い。
はるか、このみ、あゆみは仲良し同級生トリオで高校2年生。
はるかの幼馴染で一つ上の酒井良夫(通称、よっしー)とは、タメ口OKの仲。
通学途中、電車のなかから見つけた赤いテントが物語の発端になる。
気になり、そのテントのある駅で降りて偵察するのは、人目を惹く美人な先輩・野島沙絵。
そして、同じ頃、偶然、よっしーと赤いテントの住人は出会っていた。
赤いテントの住人は、東京の高校3年生・宮谷光太郎。
なぜ東京からひとり北海道の海岸沿いでテント生活?
はるか達、高校2年生トリオと、3年生のよっしー、その友達・西遼太郎。
そして野島沙絵が、遼太郎のため、奮闘する物語。
高校生たちの会話が愉快。
楽しそう。
けれど、明るい彼らのなかにも生い立ちに、ちょっとした事情を抱えている子達がいる。
はるかは4歳のときに養子に来た子で、よっしーの生みの母は東京にいる。
そして東京から来た光太郎にも・・・・。
物語には、暗いものが一切ない。
みんな高校生活を満喫している様子が清清しい。
友情っていいな~(^^)
物語の最後には、6年後のことが書かれている。
みんなそれぞれの道を進んだんだな。
でも、高校時代、一緒に過ごしたこの夏のことは、それぞれの大切な思い出なんだろうなぁ~。
いつかみなで再会する日もあるといいな(^^)
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
