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読んだ本の感想あれこれ。
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41gxt2tlKsL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年2月


忘れたい、忘れたくない、ぼくの過去。ベルギー発、あまりにも面白い自伝的作品集。

母に棄てられ始まった、父の一族とのとんでもない日々。貧しい実家にベッドを並べ、カフェに繰り出しては夜な夜なビールをあおりつづける父とその弟たち。甲斐性なしの息子どもを嘆きつつ、ひとり奮闘する愛情深い祖母。ベルギー、オランダでベストセラー。フランダース文学界の俊英による、笑いと涙にみちた自伝的物語。

                                            (新潮社HPより)


著者自らの少年時代の思い出を記したらしいけど、変わった家族のなかで過ごしていたんだなぁ~。
両親が離婚して、父親と祖母の家で暮らすようになるのだけど、
そこには同じように、パ-トナ-と問題を起こして実家に戻って来ている3人の叔父が居た。
一時期、さらにそこに叔母とその娘まで転がり込んでの生活があり、ハチャメチャなかんじ。

叔母といとこは、すぐに離れていったけど・・・・・。

3人の叔父と父親は、大酒のみ。
お酒を飲むお金を稼ぐために働き、毎日飲んだくれては潰れている。

ついに家財差し押さえの目に遭ったりするのだけど、不思議なことに悲壮感が全くない彼ら。
貧乏であることを全く憂いることがない。
逆に親戚が高級車を家の前に止めることに抗議したりして・・・全く変な人たちなのです。
しかし、ディミトリ-は父親に愛されていた。
叔父たちも彼を可愛がっていたし。。。

成人したディミトリ-が最後のほうでは父親になるという話があって・・・
自分の子どもを愛せないことを悩みながら分娩台に乗っている恋人のいる病院の玄関前で佇む。
でも、ラストは5歳になった息子を父親のお墓のある故郷に連れていき、叔父たちとも再会する。
このラストの場面は温かいものを感じられてよかったなぁ~。


過酷な生い立ちだとは思うけど、ユ-モアを交えて語るのは凄いな。

フェルフrスト家の人々の語りが関西弁なのも面白く、これは訳者のナイスアイデア!!


★★★★

 
 
PR
51NDllZAMqL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年4月

息詰まる情報戦の末に巨万の富を得るのは誰か? 
金、性愛、名誉、幸福……
狂おしいまでの「生命の欲求」に喘ぐ、
しなやかで艶やかな男女たち。
人間讃歌の新スパイ・エンターテイメント!


                   (幻冬舎HPより)



結構、動きの激しい物語で、映画の原作を読んでいるようなかんじでした。
物語、冒頭はベトナムの病院内での射殺事件。
そこには、新たな油田開発に伴う利権争いがあって・・・。

主人公は鷹野一彦。
AN通信社勤務で、部下の田岡と一緒に油田開発事業に関わる人物たちの情報収集に当たっている。
仕入れた情報は、それを欲しい者に高額で売り渡す。
同じように情報を手に入れようと鷹野たちに対抗するディビット・キム。

ほかにも気になる人物が続々登場。
国会議員の五十嵐とその秘書・丹田。

謎めいた女性・AYAKO。
鷹野たちのスパイ活動に参加したいという青木優。

油田開発絡みの情報操作は、その後、宇宙太陽光発電システム開発に伴う情報戦に変わっていく。

パネル製作者・広津陸。
日本人でありながら、AYAKOと広津は、その開発をアメリカに売ろうと企む。
がしかし・・・・・。

情報社会になると、こういうことも実際にありえるのだろうか?


魅力的な登場人物たちだけど、人物背景があまり描かれていないような気がして、読んでいてもあまり面白くなかったなぁ~というのが正直なところ。
鷹野に関しては、ちょっと重い過去があったけれど・・・・。

話は、つまらなくないんだけど・・・・う~ん・・・自分にとってはいまひとつかな?
男性ならもっと楽しめるのかも??

吉田さんには、やはり心理描写をもっと丁寧に書いた作品を書いて欲しいなぁ~。
個人的な勝手な感想ですが・・・・^^;



                                          ★★★

 


 
 
51K0TP34ARL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2002年1月
 


樺太は半島か島か------。
極寒の地・樺太の探検に情熱を注ぐ松田伝次郎と間宮林蔵。
二人の苦難の行程と葛藤を描き、両者の人物像を活写する力作!

表題作のほか「東韃靼への海路」「遥かなる氷雪の島」を収録。

第25回歴史文学賞受賞作!
 
                                            (本の帯文より)



3つの話からなる書ですが
最初の話「北夷の海」と「東韃靼への海路」は、ひとつの話と言ってもいいかも。
当時、樺太が島なのか、地続きの半島なのかわからず、それを調べることが正しい地図を作るうえで必要なことだった。
松田伝次郎がその検分を託され、間宮林蔵は従者として同行する。
限られた時間で効率よく検分するために二つのル-トに分かれて進もうと言う伝次郎。
伝次郎の隊は西ル-ト。林蔵は東ル-トを行くことに。
自分のル-トの方が困難だと判断した林蔵は伝次郎より早く出発し、先に半島か島かを突き止めようとするが・・・・

3つめの話「遥かなる氷雪の島」は主人公が変わる。
主人公は近藤重蔵。
先の伝次郎や林蔵と同じように、国後(クナシリ)や択捉(エトロフ)島などの北方の探検をした人物。
晩年、息子の犯した罪の責任で幽閉の身となる。
そんな身で語る若き日の探検の苦労話。


よく知らなかった人たちですが、国のためにわが身を犠牲にしてまでも、国の行く末を思って困難に立ち向かい自分の意志を貫き通した精神力は凄いな~と感嘆する。
林蔵にも重蔵にもそんな姿をみて協力する人が現われる。
一生懸命、事を成し遂げようとする人には自然と大きな助けが集まってくるのかも?

あまり知られていないけれど(わたしが無知なだけかも?^^;)、凄いことを成し遂げた人たちの話でした。

歴史文学大賞受賞作品、ほかにも読んでみたくなった!

因みにこの書は先に読んだ同じく歴史文学大賞受賞の葉室作品「乾山晩秋」の巻末に
紹介があったので知りました。



 
★★★
 
 
51e7NTRVAFL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年7月


不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。
ふつうの家庭、すこやかな恋人、まっとうな母親像・・・
「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。ミ
リオンセラー作家の真骨頂


                     (中央公論新社HPより)



変わった人たちの人間模様を描いた作品。
感動はしなかったけれど・・・面白かった。


直子と智親子は、他人の善意に甘えて生活を続けていた。
誰かが必ず、親子を拾う。
そして、一時期、一緒に暮らしていた男性の連れ子・泰子という自分と同い年の女性の存在がずっと思い出としてあった智は彼女を探す。
意外とすぐに見つかり、泰子も実は智のことを忘れていなかったことがわかる。

泰子には結婚を考えた男性が居たのに・・・・智のことが大好きというわけではないのに・・・

2人は流れるまま子どもの頃、一緒に過ごしたように2人の時間を重ねる。

う~ん。
他人のこととしてみていると理解しがたいようなかんじだけど、案外、こういう状況になったら、楽チンでズルズル関係が続いちゃうのかもなぁ~。なんて思ったりして・・・。

ま、2人がこの先、成り行きまかせでなく、ちゃんと考えて幸せな暮らしを築いていってくれたらいいな。
それでなければ、生まれた明日香ちゃんが、また成り行き任せの人生を歩むことになって、
この生き方が受け継がれていきそう。
あ、でもそれはそれでいいじゃんと2人は思うか?(笑)。


表題の意味はどういうところからだろうか??
考えたけれど・・・・・わからない^^;


★★★
41qrIiAjzuL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年8月


稀代のストーリーテラーが集めた「泣ける」話
冲方丁が出会った人々から集めた実話を元に創作した、
33話の「泣ける」ショートストーリー&エッセイ集。
2009年から3年間に亘る、
小説すばるでの人気連載を一冊に凝縮!


                     (集英社HPより)



ひとつひとつの話が結構、短いのでアッと読めていいです。
そしてどの話もちょっと泣ける。
実際にもらい泣きはしなかったけど・・・・・・^^;タイトルとしてはいいと思う。

33の話の中で結構、グッと来たのは・・・
「教師とTシャツ」
厳格な元教師の父親が内心では疎ましく、実家から離れて暮らす。
社会人になり父の意外な一面を知る話。
こういう不器用だけれど実は娘のことを思っている父親の姿って・・・ちょっと泣ける

「地球生まれのあなたへ」
天体観測が好きな妻が夫に贈ったのは、星に夫の名前をつけてのプレゼント。
星なんて興味ない夫だけど、妻は震災で亡くなって・・・・
妻の残したバ-スディカ-ドの言葉にグッと来た。

「先に行きます」
駅の掲示板に書かれた言葉。それと一緒に描かれた落書きは自殺を予告するものだった。
しかし、そこにどんどん他者が書き込みしていく。
何とかして一つの命を救いたいと思う人々の気持ちが温かくて泣ける。


ほかにも著者のあとがきの後に公募作品が幾つか載っていた。
それも結構、ジ~ンと来ました。




 
★★★
 
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