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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2013年5月

地下鉄・地下街に爆弾を仕掛け、「東京の地下を支配した」と宣言する若者たちの目的とは。クライシス小説の旗手が描く緊迫のサスペンス。

              (PHP研究所HPより)


地下鉄が走る地下に爆弾を仕掛けたと宣言したのは、大学生たち。
その首謀者・朝宮は、経済研究所所長・鬼童征夫の勉強会で学んでいた。
鬼童は若者たちに今の日本の経済状況を教えると共に口癖は「革命を起こせ!」。
過激な物言いの鬼童の言葉に触発されたのか?
鬼童も地下制圧に加担しているのか?

そして、地下鉄の保線作業を日々行っている的場哲也。
5つ年下の弟・洋次は大学卒業後、酒色した会社を2年で退職し、今は無職。
洋次も鬼童の勉強会に通っている。


鬼童の講義は、日本経済について。
年金制度やら若者の雇用体系についてなど。
ニュースで聞いたようなことが多々・・・・。

若者の選挙権放棄が若者の首を絞めているということは、納得出来る。
有権者=高齢者みたいに候補者が考えているとしたらそれは問題。

なるほど・・・とメモしたくなるような内容がほかにもいろいろ。

真面目で優秀な若者たちが、そういう講義を聞いたら、朝宮のように考え行動しちゃう
ことに違和感はない。
やり方は過激だけれど・・・。
誰も傷つけずに世間の人たちに、今の日本の現状にもっと怒りの声をあげようと説くことは
意味があることかも。

しかし、優秀な若者が罪を犯した事実は残念。
彼らが罪を犯してまでやらなきゃいけないことだったのかなぁ~?

彼らの親の立場になったら、辛すぎる。

保線作業に携わる的場たちの働きには感動した。
危険な爆発物発見のために、それに関われることを誇りに思って働く彼らは
格好よかった。


面白くないわけではないけれど、ちょっと後味は悪いかな?
若者が読めば、もっと違う感想なのかもしれないけれど・・・。


                        ★★★




 
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発行年月:2008年2月

第138回芥川賞候補作
好きになったということを仮定してみる
郊外の倉庫管理部門に左遷された独身女性・イリエ(28歳)は日々のやりきれなさから逃れるため、同僚の独身男性・森川を好きになったと仮想してみることに……

                 (講談社HPより)



表題作を含む3編。
やはり表題作が一番面白かった。

<カソウスキの行方>
左遷された先の同僚の藤村を好きだと仮想してみるイリエ。
遊び半分で、森川の行動を細かく観察し兵馬桶のノートにメモしていく。

本当は何ら特別な感情なしだったのに、少しずつ気持ちが変化してる?
と思えるところがなんとも愉快。

実は離婚歴があって、成り行き上その元妻に会いに行くことになってしまうイリエ。

イリエは最後、左遷先から再び、本社に異動。
森川は中国に出向になり、離れ離れになるのだが、近くに居たときより
何やら接近したような終わり方がいい。
カソウスキの行方は・・・・ハッピィエンドということか?


ほかの2編もよかった。

<Everyday I write A Book>
市営地下鉄で導入されるICシステム。
そのカードデザインをしたのが鹿戸浩介。同い年のデザイナー。
シカドのことを好きだった時期もあったのに、彼は絵本作家兼ミュージシャンの
茉莉と婚約したと聞く。
そして茉莉のブログを毎日チェックする野枝。


<花婿のハムラビ法典>
結婚式当日の新郎・ハルオ。
新婦は郷美。
ハルオはサトミを付き合っているときその行動を数値化していた。
遅刻は8割。3回に1度はドタキャン。
そこで、ハルオは1回の遅刻には自分も1回の遅刻を
1度のドタキャンには1度のドタキャンをすることに決めた。



登場人物たちのちょっと笑っちゃう思考がいい。
津村さんの書く人物って面白いなぁ~。

感動するとかの話じゃないんだけれど、何となく好きです(^^)


                           ★★★★



発行年月:2013年6月

町の景色と人情が心に沁みる石田千連作小説

<いちばんまえの席があいた。となりのおじいさんは、いそいで移動して椅子によじのぼった。男のひとは、いつまでもあの席が好きでおかしい。> 夫をなくしたばかりのお年寄り、自分の進路に迷う高校生、上司とそりが合わず落ち込むサラリーマン、合コンに馴染めないOL……、季節、場所、人は違えど、バスにゆられて「明日もがんばるか」と元気を回復する二十篇。
第一回古本小説大賞、2011年、12年芥川賞候補の石田千氏の最新小説。「お洒落なイタリアンより酒肴の旨い居酒屋が好き」「流行のファッションより古着やナチュラル系の服が好き」という女性を中心に人気を博している小説家・エッセイストの、人情に溢れ、ほろっときたり、ほほ笑んだりしながら読める物語。

                 (小学館HPより)



路線バスに乗る人々のそれぞれの物語が20編。

どの話もよかったなぁ~。

20編のうち特に気に入ったのは3編。

<おむかえ>
保育園に通う、くるみ。
両親は共働きで、大抵は母親が迎えに来てくれる。
バスと地下鉄を乗り継いで帰る。
そして、くるみは今日も保育園で泣いてしまったことを母親に
また聞かれる。
どうして泣くの?と聞かれても困るんだけど・・・。

ああ、こういう小さい子の気持ちがわかる著者って、すごく優しい人なんだろうな~。
きっと良いお母さんなんじゃないかなぁ~?なんて勝手に著者の私生活を想像しちゃった^^;
結婚してるか、子どもさんがいらっしゃるかも知らないけれど・・・
この話で、この作家さんが凄く好きになった!!


<あずまや>
中学校教師の紗代。
母とおばの策略に乗り、お見合いをさせられる。
咄嗟のことで、会話も弾まず、そのまま失礼し、何故かバスで元恋人との
思い出の場所へ向かう。

出会いはあまり良い印象じゃなかった二人がきっと
この後、再会するんじゃないかな?と思えて、なんだか楽しい。


<スパイス国行き>
路線バスの運転手さんの心の中の言葉が愉快。
一人の乗客が持ち込んだカレーと思われるものの香り。
小さな女の子・あっこちゃんがその香りに気付いて母親に言うことも可愛い。
小さい子って思ったこと言っちゃうからね~^m^


初読みの作家さん。
これは短編集でしたが、長編とかも書いているのかな?
是非!他の作品も読んでみたい!!


                           ★★★★★
 




発行年月:2013年7月



死神の千葉を長編で読める時が来た!

おまえはまだ死なない、俺がついているから。

                  (文藝春秋HPより)



待ってました!
死神・千葉の長編作!!

前作『死神の精度』 は短編形式で、6人の人間を判定する物語。
死神たちは、それぞれの担当の人間を7日間、そばで観察し「可」か「見送り」
かを判定する。
「可」とした場合、八日目にその人間の死を見届ける。


今回、死神・千葉が担当するのは、小学生の娘を殺害された山野辺 遼。
今は売れないが、以前は賞も受賞した作家。
そして、山野辺遼は、妻・美樹とともに犯人への復讐を計画している。

山野辺夫妻の元に、「幼いころの友だち」と偽って近づく千葉。
そして、犯人・本城崇への復讐に協力する姿勢を示すことで、7日間を共に
行動。

一方の犯人・本城崇。
巧みな情報操作で、自らを無実だと裏づけし、見事無罪釈放を勝ち取る。
本城の担当死神は、香川(女性)。
香川は遠巻きに本城を観察。


死神の千葉と香川がお互いの調査状況を交換し合う場面がユニーク。
そして、千葉は山野辺遼を「可」、香川は本城を「見送り」とする。
え?そんな理不尽なぁ~と思ったら・・・・死神の監査部が設定した
「還元キャンペーン」を本城に使用することに決めた香川。
20年間は死なない。
それが最後の最後に、死ぬことよりも恐ろしいことになるとは・・・・。
でも本城には当然の罰!


最後、野辺山美樹が元気に生活している様子を見られたのは、嬉しかった♪
山野辺夫妻の出会いのエピソードもほんわかしていて良かったし、
それを真似た娘の美樹ちゃんの話も可愛いし
山野辺遼の亡き父親との出来事も良かった。

娘を無残な行為で殺された夫婦が犯人に復讐という重い設定なのに
全体を通して、ほんわかしたかんじなのも面白かった。
千葉が居たからこそかな?

飄々とした千葉の物言いが最高にユニーク。
また別の話で千葉の長編作が読みたいなぁ~。


                        ★★★★★




発行年月:2013年9月


天下は豊臣から徳川へ-------

伊賀を追い出された"ニート忍者”風太郎の運命は、
ひょうたんのみぞ知る?

万城目ワールド全開の大長編

              (文藝春秋HPより)


746頁の大長編!!
いや~面白かったぁ~。


とある失敗から伊賀を追い出され、京都のあばら屋で一人のん気に、
その日暮らしを送っている風太郎。
一緒に伊賀から出た忍仲間の相棒・黒弓はほかに行くところがあると
別れていた。
が、ある日、ひょこり現れる黒弓。
何やら南蛮からの品物を手に入れ、それを売るという商売をしているとかで
羽振りがいい様子。

そして、黒弓が持ってきた、ひょうたん30個。
そのうちの1つに宿るのは、因心居士と名乗るもの。

ひょうたんを先ずはひょうたん屋に運べという。
それから物語は、あれよあれよと進んで、大阪城のなかに忍ぶこむという仕事まで
請け負うことに。

時代小説なのに、あまり歴史的な人物は登場しない。

高台院屋敷に忍び込んだねねと風太郎たちとのやり取りは、楽しかったけど。
秀吉没後の豊臣家は秀頼の時代。
大阪城の主である秀頼は、ちょこっと登場。


前半は、のらりくらりとした感じだったのに、強敵・残菊との終盤の闘いは
壮絶だった。
映像では見たくないくらい酷い。

風太郎よりずっと強かった者たちがどんどん最後の方で先に死んじゃって・・・(/_;)

風太郎は最後まで、命賭けで守るべき者を守った。

ちょっと最後は切なかったな~。

今回は、お気楽な雰囲気で終わらせらない話だったから仕方ないけれど・・・。


万城目さん時代小説もいいですね。
今度はもう少し、平和な時代物を書いてほしいな。


                          ★★★★




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