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読んだ本の感想あれこれ。
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51bTlbz7usL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年12月


希望は、国ではなく、あなた自身の中で、芽吹きを待っている。

多くの人々が、将来への不安を抱えている。だが、不安から目をそむけず新たな道を探る人々がいる。婚活、再就職、家族の信頼の回復、友情と出会い、ペットへの愛、老いらくの恋…。さまざまな彩りに充ちた「再出発」の物語。


                   (出版:幻冬舎)



55歳頃に転機を迎えた男女の物語が5つ。

「結婚相談所」
54歳で離婚した中米志津子。
離婚の原因は、60歳で定年退職した夫と一緒に居るのが苦痛だから。
しかし、58歳でこの先の経済的不安と夫以外の人と付き合ってみたいという2つの理由で
結婚相談所通いを始める。

う~ん、離婚したのに、また再婚しようとする気持ちが理解できない。
経済的不安があるのに、なぜ離婚したんだ???



「空飛ぶ夢をもう一度」
6年前、出版社勤務だったが54歳でリストラされた因藤茂雄。
妻のパ-ト収入だけではこの先、不安なので再就職先を探すがうまくいかず・・・。
なんとか見つけた交通誘導員の仕事中に、中学時代の同級生・福田に再会。
中学時代の思い出などを語る。

茂雄が友の死の後、思うことばに、そうだよ!!と強く共感!
しかし切ない話だなぁ~(;_;)



「キャンピングカ-」
冨裕太朗は58歳で会社の早期退職に応じた。
自由な時間が出来たらやってみたかったのは、キャンピングカ-で妻と日本全国を旅行すること
が。。。妻は乗り気でない。

全く、妻に同感!!
この夫は何を考えているんだか??
一緒に大喜びで、旅行に行く妻は、たぶん、居ないんじゃないかなぁ~?
ま、でも他に生き甲斐を見つけられたようでホッとした。



「ペットロス」
高巻淑子はマンションで定年退職した夫と2人暮らし。
息子が海外赴任で居なくなった寂しさを埋めるため犬を飼うことを夫に認めさせて柴犬のボビ-を飼い始める。
だが、ボビ-は亡くなってしまう。

淑子の夫は、ぶっきらぼうなだけで実は優しい。
妻が病に倒れたボビ-と過ごす時間を横で見ながら、自分も同様に心配していた。

ボビ-の命と引き換えに、夫婦は信頼関係を深めた。

5つの話のなかでは、一番、感動的でした(^^)



「トラベルヘルパ-」
下総源一は63歳の長距離トラック運転手。
本を読むのが趣味になり、本屋に入りそこで、堀切彩子と知り合う。
上品な彩子と親しくなりファミレスでのデ-トにうきうき気分。
しかし10回目のデ-トで明かされたこと。
彩子の生活は厳しい状況だった。

辛い生活のなかで彩子も源一と会うことでひと時の希望があったのかなぁ~?
なんだかこの話も切ない。
でも辛い状況でも理解してくれる誰かがいれば、心強いだろう。



結構、気分が落ち込む話が多かったな。
55歳からの・・・・とあるけれど、転機がおきるのがそのくらいで
実際の主人公達は、それから何年か経ったかんじ。

健康で前向きな気持ちで生活出来る力を今のうちに養っておかなきゃいけないなぁ~
なんて思ったけれど、どうすればいいんだろ???
とりあえず、心身を鍛えてるために適度な運動と規則正しい生活を続けよう!!と
なんだか強く思った^^;


                                         ★★★★





 

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         発行年月:2013年1月


   貧乏侍の弥市と商家に婿入りした喜平次。
   国許を追われ江戸に暮らす二人は、
   十六年ぶりに初恋の女と再会し用心棒を引き受けるが……。
 三人の男女の儘ならぬ人生を哀歓豊かに描く傑作時代小説。


                           (幻冬舎HPより)




今回の話は、ちょっと今までと違う感じ。
面白かったけれど・・・・緊迫感があまりなく
2人の男の置かれている立場が、のんびりした感じだからかなぁ~。
藩内の争いに巻き込まれて運悪く、国許から江戸に出なければならなくなった
草波弥市と小池喜平次。

弥市は、剣術を教えることで細々とした暮らしをする独り者。
喜平次は、飛脚問屋に婿入りして武士ではなく商人として生きていた。

そんな2人に、任された仕事は、国許で上司であった猪口民部の娘・萩乃が江戸にいるので、用心棒をすること。
2人を裏切ったかたちの民部だが、その娘・萩乃には、2人とも好意を抱いていた。

弥市も喜平次もお人好しだなぁ~。
自分を裏切った人の娘を守る役目を受け入れるんだから・・・・
しかも萩乃には夫が居るんだから・・・。

2人が萩乃に会うのは16年ぶり。
それでも変わらぬ想い・・・萩乃は幸せな人。
でも、女のわたしには、イマイチ萩乃の魅力が伝わって来ず・・・

なので、弥市の見合い相手・弥生が出てきたときは、嬉しかった!!
仇名は大福餅の弥生。
なんだかすごく好感が持てる女性でした。

弥市と弥生・・・・・名前も似てるし・・・^m^
お似合いの夫婦になると思うなぁ~。


武士同士の真剣勝負の場面は、一気に緊迫感が増して、ハラハラドキドキ。

悪しき者は倒れる。

気持ちの良い終わり方は、今回も大満足でした(^^)


葉室作品は人気なので、新刊がなかなか図書館の順番が廻って来ません。
次の作品も、気長に順番待ちしてます。



 

★★★

    


   

 
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発行年月:2013年3月


喪失と悲しみと、再生への祈りを描く
珠玉の7つの物語。

小学3年生、母を亡くした夜に父がつくってくれた"わが家”のトン汁を、避難所の炊き出しでつくった僕。東京でもどかしい思いを抱え、2ヶ月後に縁のあった被災地を訪れた主婦。あの日、同級生を喪った高校生。厄災で断ち切られたもの。それでもまた巡り来るもの。未曾有の被害をもたらした大震災を巡り、それぞれの位置から、再生への光と家族を描いた短編集。


                              (扶桑社HPより)


3.11の震災に纏わる話7つ。
どの話を読んでもジ~ンと来ます。

震災で家族や親しかった人をを喪った者、被災地に思い出がある者いろいろな立場で、いろいろな思いを
感じながらの物語。


一番、考えさせられ感動したのが4つめの話「記念日」。
被災地へ生活必需品でもある、カレンダ-を送ろうということで、家で使っていたカレンダ-を送る家族の話。
家族の記念日に印が付いているのは、失礼にあたると判断して、修正ペンで消して送るけれど・・・・

被災地の人が望むことと、被災してない人との考え方には、多少のズレがあって
言われてみれば、なるほど・・・・と思う事ばかり。
人のために何かしてあげたいという気持ちが、あっても、いろいろ考えると迷うことばかりだな。

けれど、カレンダ-を受け取ってくれた方との温かい交流が始まったのは、嬉しかった。


                                 ★★★★

 

 
10466901.jpg    発行年月:2004年8月


   芥川賞作家の真骨頂! 孤独に向き合う男女三人と役立たずの神様が奏でる不思議なハーモニー。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。

                                       (新潮社HPより)


絲山さんの少し前の作品を図書館棚で見つけたので読んでみた。
これは純愛ですね。
切なくて優しくて温かい素敵な物語でした!!

主人公の河野勝男は32歳。無職。独身。
でも大金持ち。
29歳で宝くじで3億円を手にして、会社を辞め、縁もゆかりもない敦賀に家を買い一人暮らしを始めた。

ある日、突然、現れたファンタジ-と名乗る神が居候として住み付き・・・。
またある日、偶然、港で出会った中村かりん・38歳と親しくなる。

かりんは住宅メ-カ-の設計士。
中抱く時代からあだ名は<部長>。けれど会社では課長。

かりんと恋人同士のようになるが、河野にはセックスにトラウマがあり、2人の関係はプラトニックのまま。

そして、河野がまだ東京でデパ-ト勤務だった頃の、同僚・片桐妙子は、河野のことを密かに想っている。
恋人が出来ても、彼が再び一人になっても想いは変わらず・・・
ああ、切ないなぁ~。

河野もそんな妙子の気持ちに気づきながらも友人としての付き合いで突き通す。

終盤、次々、起きる不幸なこと。
かりんと河野、うまく行ってたのに・・・・・(/_;)

でも、哀しいだけのラストじゃないのが救われた。


絲山さんの文章はスラスラと読めて心地良いなぁ~。

幾つか、読んだ絲山作品のなかで、これ一番好きかも。


★★★★★
51y9-ek296L__SX230_.jpg    発行年月:2011年1月
 


   「魔女の宅急便」の著者が、死別した母との再会を描く自伝的小説! 


74歳のイコさんは東京から岡山まで、5歳の時に死別した母の生家をバイクで訪ねるという、思い切った行動に出る。イコさんはその家で、自分は幽霊だという子供の頃の母そっくりの少女に出会うが…!?


                                       (角川書店HPより)


74歳の山野イコ。
母親の生家をバイクで訪ね、そこで出会った少女・ふみこ(通称:ふーちゃん)。
ふーちゃんは12歳。
自分が唯一持っている母親が子どもだった頃の写真と同じ顔。
ふーちゃんはイコさんの母親!

母親と娘なのに、12歳と74歳という年齢が面白い♪
幽霊のふーちゃんが素直で可愛い。

2人で居ると、見えないはずの幽霊になった人たちと出会ってしまい、幽霊たちの未練を断ち切る
アドバイスなんかしたりして・・・。

あの世に行けない幽霊は、未練を残しているから・・・・・
ならば、ふーちゃんの未練は??

幼いイコさんを残して逝ってしまったこと?と予想していたら、
見事にハズレでしたが、なんだか、ふーちゃんらしい。

イコさんのことを娘と気づいて良かった(^^)

さて、2人でこれから、どんな風に暮らすのやら?
想像するだけで楽しいな。

素敵なファンタジ-でした!

70歳過ぎても、こんなユ-モアと元気を持っていたいものです!

角野さんの自伝的小説とあるけれど・・・・角野さんもこんなバイタリティ溢れる方ということかなぁ?


                                           ★★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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