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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年11月


川上マジックがいっぱいの最新短篇集は
たとえばこんな話が21篇も収められている。

                 (マガジンハウスHPより)



どれも短い話だけれど、それもステキ♪
21篇のなかでもお気に入りの話をちょっと覚え書き。


<はにわ>
子どもの頃から周りの男の子とは違っていた息子がゲイであることをカミングアウト。
でもその時、むしろ、ホッとしたわたし。

こんな母親と息子の関係いいなぁ~。


<真面目な二人>
大学の授業で知り合いになった助成と二人。
上原菜野は、カウンター機で何かを数えていた。
それを見て声を掛けた島島英世。

心が動いたらカウントするという遊び(?)なかなかユニークでいいな。
ちょっとやってみたい。


<猫を拾いに>
平均年齢75歳の町内に住む30代のわたし。
回覧板にはその月に誕生日の人の名前が載る。

誕生日プレゼントが拾ってきた猫って・・・・笑
それを貰って喜んでくれるダッシュ(あだ名)もユニーク。
こんな風に年齢がすごく離れている人と友達みたいに付き合えるっていいな~。



ほかにも、なんだかほのぼのするような話が満載でした!


                       ★★★★
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発行年月:2013年9月


 超ダメ男「電気ちゃん」に拾われた16歳の家出少女・鳥子(とりこ)。
乳がんの宣告をされた26歳OLの寿寿(じゅじゅ)。
凄腕の料理で男を次々と部屋に誘う38歳バツイチのきみ夜。
男性より女性を愛する超美人ホステス、紫(むらさき)。
「電気ちゃん」という奇妙な縁に引きよせられたのは、生きることがあまり上手ではない女たち。
ひとりぼっちの魂をそっと包み込む五つの物語。
気鋭のスト―リーテラーによる鮮烈な渾身作!

                    (毎日新聞社HPより)



最初の<電気ちゃん>を読んで次の<歯がた>に進んだら、
全く別の人たちの話になったので
「あれ?これは短編集なのか?」と思いつつ、
続けて読んで行くと
後半、登場人物たちが次々と繋がり始めた。

<電気ちゃん>だけ、何処かに行っちゃったままだけど・・・・
16歳で電気ちゃんに拾われた鳥子は、電気ちゃんの住むボロアパートで一人で
生活を続けている。
突然、耳の奥から響いてくる音は、治っていない様子だけど
今、周りにいる人たちの中では、逃げ出したくならないみたい。
両親も鳥子の居場所を知っていて、好きにさせてくれている。


同じアパートの住人・きみ夜や
電気ちゃんの知り合いで鳥子のことも気にかけてくれる紫。
それぞれ、抱えるものはあるけれど、鳥子は家族の元で生活していたときより
逞しくなったかんじがする。


でも鳥子がコンビニで出会った<ざらめ>は不思議な存在だったけど、何だったんだ?


奇妙な物語だけど、何とも言えない魅力がある物語だった。

初めて知った作家さんだけれど、他の作品も読んでみたいな~。


                          ★★★★






発行年月:2013年10月


 人生の半ば、迷い抗う大人たちを描く、著者15年ぶりの長編小説!


故郷を飛び出し、静かに暮らす同窓生夫婦。夫は毎日妻の弁当を食べ、出社せず釣り三昧。行動を共にする後輩は、勤め先がブラック企業だと気づいていた。家事だけが取り柄の妻は、妹に誘われカフェを始めるが。

                   (角川書店HPより)



15年ぶりの長篇だったんですね~。

物語の舞台は三浦半島の端っこ、久里浜。
横浜の京浜急行の景色などが背景にあって・・・・学生時代、近くに住んでいたので
懐かしい思いも少し感じたりしながら読みました。


地元の長野県で、同じ高校の先輩・後輩の関係である佐々井夫妻。
妻の冬乃は夫のことを今でも佐々井君と呼んでいる。
地元では一番優秀な高校を卒業したけれど、家庭の事情で就職を選んだ佐々井くん。
そして、現在は久里浜で生活している。
冬乃の妹・菫も近くに住んでいたけれど・・・住んでいた家でボヤを出して住めなくなり
姉夫婦の元に居候。

仲良く暮らす夫婦とその妹という和やかな雰囲気だったけど、佐々井くんの勤務する
会社の様子がわかると、なんだか重たい雰囲気に。
会社の後輩・川崎哲生が登場して、変わった人だなと思っていたら・・・・
もっと変わったモリが登場。芸能関係のお仕事?
菫の彼?と最初は思ったら、そうじゃないらしく、単なる友だちの関係みたい。


たくさん人が出てきて、少々、混乱したけれど、公園で冬乃が会えば言葉を交わす
所さんが良かったなぁ~。
名前は韮崎和夫なんだけど、所ジョージが年を取ったような雰囲気ということから
姉妹で読んでいる呼び名が「所さん」。

会社が劣悪な状況になり、佐々井くんの後輩・川崎が辞職。

冬乃と菫が始めたカフェを手伝うことになり、モリも時々、経営などに助言して
なんとか良い感じで続くのか?と思いきや・・・・

人生いろいろですね~。

うまく行かないこともあるけれど、色々な人に支えられて人は
何とか前に進んでいけるのだなぁ~なんて感じながら読み終えました。


淡々とある夫婦を軸に描いた人間模様。
でも、いろいろな人が繋がっている雰囲気はよかったな。

佐々井夫婦の今後が明るいものでありますように・・・

               
       

                          ★★★



発行年月:2013年9月


 センセイ、僕たちを助けてください。

小説家であるセンセイに、少年から謎の手紙が届く。「僕たちはゼツメツしてしまいます」生き延びるための旅に出た2人の少年と1人の少女。でも、彼らはいま、どこに? エミさん。ツカちゃん。ナイフさん。このひとたちは、いったい、誰――? これは物語なのか、現実なのか。全ての親と子に捧げる、再生と救済の最新長編。

                   (新潮社HPより)



ちょっと変わった形式。
小説家の元に届いた手紙。
それを元に、小説家は物語を書く。
中学二年の少年・タケシが小学校5年生の少年リュウと少女ジュンと共に、
ゼンメツしないための旅に出る。


どれが現実で、どれが小説家が想像力で書いた物語か、多少混乱しますが・・・
3人はどうなるのか?
気になり最後まで一気に読みました。

タケシもリュウもジュンも、みなとても辛い状況にいる。
周りの大人はそれに気付かない。
なぜなら、子どもたちは気付かれないようにしているから・・・。

親としては、それでも気付くべきなんでしょが・・・
親の立場としては、少年たちの親達を責めることは出来ない。


だから、こういう小説を読んで、「生きて!」という思いを理解して
生きて欲しい。

それが一番、辛いことなんだよと言われたら、どう答えていいのか
わからないんだけど。。。
辛いことから逃げてでも生きて欲しい。


本当に辛い物語。
でも、こういう小説は、沢山の子どもたちに読んで欲しい。


                         ★★★★




発行年月:2013年8月


 
目が覚めると砂漠にいた。
突如現れたのは不思議な電話ボックスだった。
混乱した「僕」がそこで手にした真実は、あまりに不可解で…。
予測不可能な世界を描く傑作長編! 文庫書き下ろし。

                (集英社HPより)


初読みの作家さん。
SFミステリーの部類でしょうか?

主人公・田辺志朗に起きた不可解なこと。
ベッドで寝たはずなのに、目覚めたら砂漠・・・そんな馬鹿な・・・
な状況が冒頭から。
灼熱の砂漠のなかに突如、現れた電話ボックス。
日差しを避けるために、入るのだけど、入ることによって何かが起きるのでは?
と警戒しながらの志朗。
中に入って、非常用通話で119番に連絡してみると・・・通じる。
「火事ですか?救急ですか?」
けれど、自分の置かれた場所を特定して貰えず・・・。

そして、同じような状況に置かれた女性と電話で話すことが出来た。
彼女は、海の上。
突然、電話が堕ちてきたという。


物語は砂漠の電話ボックスにいる現在と、過去のパートが交互に語られる。

志朗の周りの人間関係。
家族とのやや込み入った関係。いつも味方でいてくれた姉のこと。
大学で知り合った2つ年上の遠藤桐子とのこと。
社会人になってのこと。


電話ボックスのなかで会話できる、海の上の女性と119番で通じる男性。
男性から知らされる衝撃的情報の数々。

そして、記憶を辿って気付くこと。

さて、最後は志朗、どうなる??


ラストは、なるほど・・・と納得でした。

よくわからないこともあるけれど、十分に楽しませて貰いました!

なかなか面白かった!


                           ★★★★
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