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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年8月


高永家の子供たちは四兄妹。中学の新米教師で正義感の強い長男、いわゆる美容男子である高三の次男、スカートを穿いて進学校に通う高一の三男、いちばん如才なく兄たちのことを観察している中二の末娘たちだ。父親は再婚しているけれど、離婚した「ママ」も気ままに子供たちに会いに来る。そんなフクザツな家庭で過ごす四兄妹が夏休みを経て、新学期の「9月1日」を迎えるまでを描いた青春家族小説。9月1日、それは学校に通う子どもたちにとって、とても大きな意味をもつ日――。


                  (双葉社HPより)



9月1日・・・新学期が始まる日。 
      全国で18歳以下の一番自殺者の多い日。


高永家の四兄弟妹。
それぞれの章で、彼らの悩みなどが明かされる。

<第一章 智親>
高校3年生。
メイクには興味なしだけれど、自身の肌荒れを何とかしたいという
思いから美容男子に。放課後は、隣のクラスの西野かの子と化粧品の開拓の
ため西大久保へ。かの子はリスカの痕を繰り返している。
LINEで9月1日は学校終わったらそのまま新大久保直行な、約束!
9月1日の朝、駅で待ってるから


<第二章 民>
中学2年生。
明るくムードメーカーな自分と思っていたら
女子バスケ部の中で孤立してしまう。
告白されて付き合うことになり、一緒に海に遊びに行った時、彼が撮った
写真が何故か、出回り、民に対しての意地悪な発言がたくさん。
面倒なことになったからと彼からは一方的に別れようと。



<第三章 善羽>
中学校教師。1年2組担当。担当科目は社会科。
夏休み中も学校で仕事に追われる。
午前中は男子バレー部の顧問として指導。
自身はサッカーしか経験ないが、独学でなんとか指導。
市役所に就職した彼女とデートする時間もなくふられた。
もうすぐ新学期だが、三年生の女子生徒が自死したと連絡あり。
バレー部にその弟(中1)祐介がいる。
祐介が心配で仕方ない。



<第四章 武蔵>
高校1年生。
県内でも偏差値の高さが1.2を争う学校に通っている。
制服はスラックスでもスカートでもOKなのでスカートで通っている。
男子でスカートは武蔵のみ。
なぜか、自分につきまとう高江洲太郎(S)と桜田あすか。
どんな時も二人は味方。



四人には、産みの親のママ。
父親の再婚相手の玲子。
ママがいなくなってから育ててくれた父方の祖母・おかーさん。

三人の母親がいる。
ママがどうして家を出て行ったのか?よくわからないのだけど
三人がそれぞれ、子どもたちのことを気にかけ愛情を持って
接している。
そして三人は定期的に会ってお喋りしている。

父親の影だけ薄い家族だけれど、いいかんじ。

それぞれ、悩みはあっても、自分のことを大切に想っている家族や
友人がいれば、なんとかなる・・・・と思わせてくれる物語。




                         ★★★★
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発行年月:2025年6月


恋愛小説の旗手・島本理生の新境地!
他人からはままならない恋愛に思えても、本人たちは案外、
その”雑味”を楽しんでいるのかもしれないーー。




目次
停止する春
最悪よりは平凡
家出の庭
God breath you
一撃のお姫さま
*5つのちょっと不思議な、新たなる読書体験
「停止する春」
東日本大震災から11年目。会社で毎年行われていた黙とうがなくなった。
それから私は、仕事を休むことにした。代わりに、毎日時間をかけて大根餅を作る。ある日、八角の香る味玉を作り置きした私は、着ていたパジャマの袖口を輪にして戸棚に結び、首を突っ込んだ……。
「最悪よりは平凡」
掃除機をかければインコをうっかり吸い込み窒息死させ、夫が書斎を欲しがれば娘を家から追い出す母に、「妖艶な美しい娘」をイメージして「魔美」と名づけられた私。顔見知りの配達員にはキスされそうになり、年下のバーテンダーには手を握られ、不幸とまでは言い切れないさまざまな嫌気を持て余す。
「家出の庭」
ある日、義母が家出した。西日に照らされた庭に。青いテントの中で義母はオイルサーディンの缶を開け、赤ワインを飲んで眠る。家出3日目、私はお腹に宿した子が女の子だと知る。
「God breath you」
女子大でキリスト教を中心に近現代の文学を教える私はある日、ほろ酔いでおでんバーから出たところを若い青年に声をかけられる。彼は、世を騒がせた宗教施設で幹部候補として育てられた宗教二世だった。
「一撃のお姫さま」
歌舞伎町が舞台のアニメ主題歌の仕事を受けたアーティストの睡は、音ゲーの配信者兼会社員の友人から、曲作りのためホストに通うことを提案される。100万円を使い切ることを決めた彼女は夜な夜なチープな照明に照らされ、シャンパンコールを浴びることになるがーー。


                   (文藝春秋HPより)



どの話も面白かった。
それぞれの主人公たちが応援したくなる。


最初の話<停止する春>は、ちょっと、ドキッとしてしまった。
こんな風に、人は死へ向かってしまうこともあるんだなと。

印象的だったのは
<God breath you>
40歳の大学で近現代キリスト教文学について講義していり依里と
偶然、出会った25歳の時生の物語。
年の差は関係なく、惹かれるってあるんだと思う。
二人の今後が気になるけど、ずっといい関係が続くといいなと思った。


表題作<一撃のお姫さま>も面白かった。
アニメの主題歌を作曲している若松睡。
曲のイメージが湧かないと言っていたら「体験してみればいい」と。
100万円を軍資金にホストクラブへ。
そこで36歳のホスト・聖一と若手の涼太と対面。
聖一とlineでやり取りし、食事に行ったり・・・

睡が、仕事と割り切っているのがいい。
聖一とも用は済んだと判断したら、すっぱり連絡を絶って
別のところから今度は若い子を選び、いい感じの曲を作る。
うん、プロだな。
変にホストに溺れたら興ざめだったけど、なんか、爽快だった!




                       ★★★★



発行年月:2025年3月


愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚
痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。
『銀花の蔵』で直木賞候補、
いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”!
売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。
◎松虫通のファミリア
「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。
◎ミナミの春、万国の春
元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。
(他、計6篇)


                  (文藝春秋HPより)



大阪に馴染みはないけれど、人情に厚いひとたちの温かい話で
大阪に詳しかったら、もっと楽しめたんだろうなぁ~と思う。


短編集だけれど繋がりがあるので、ああ、あの話は、こういうことだったのか
と気づきながら読めるのもよかった。


共通しているのは、姉妹の漫才コンビ「カサブランカ」のハナコとチョーコ。
彼女たちに憧れて芸人を目指し、コンビを組んだ「はんだごて」の
ハルミとヒデヨシ。


最初の話は、ハルミの子ども・彩(5歳)を祖父である吾郎が
彩を預かっているヒデヨシの元に迎えに行く話。

最初の話を読んだ時点では「?」と思うことが、段々と後の話から分かってくる。


時代は1995年から現在・2025年の大阪万博の頃まで。
1995年・・・・阪神・淡路大震災の年。
彩をなぜ祖父が迎えに行ったのかの背景にあったことは、ちょっと
辛い話だった。

それでも最後の章では、彩の結婚式で、色々大変なことを乗り越えて
その場にいる人たちが皆、穏やかな気持ちで彩を祝っている場面。


良いお話でした!




                      ★★★★




発行年月:2025年2月


震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらも
ある人物を探すため姿を消した青年・真柴亮。
刑事の陣内康介は津波で娘を失いながらも容疑者を追う。
ふたりはどこへ辿り着くのか──。
『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が
地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。


               (新潮社HPより)



なんとも辛い話なんだろう。

二人を殺してしまった真柴亮だけど、それは不運によるもの。
切羽詰まった状況のなかで、起きてしまったこと。
それも二回も。
本当になんという不運。


東北の震災直後に起きたことも、物語を緊迫感あるものにしていた。

途中、出会った村木直人(5歳)との束の間の逃避行は、最初はお荷物を
抱えてしまった感があったけれど、ずっと直人のことを気にかけながら
行動していた。
優しい青年なんだなとわかり、なんとか最後は真柴亮自身にも
救いのある結末であるといいのにな・・・と願いながら読んだ。



幼い頃、父親は自分と母嫌を置いて逃げたと思っていたけれど
父親からの手紙を読んで、自分の誤解だったことを理解できたんじゃないかな?
体育館に立てこもったが、そこにいた人たちには最初から危害を与える
つもりもなく、皆が必要としているものを持ってくるよう要求していた。


が・・・・最期は、やはり不運で・・・(ノД`)・゜・。



立てこもりの場にいた人たちや、直人はたぶん、真柴が悪人ではないと
わかったと思う。


哀しい最期だったけれど、最後に父親の手紙を読めたことは
少し、救いだった。
刑事の陣内も震災で娘を亡くした、辛い状況なのに、犯人逮捕に
尽力して、その姿が感動的だった。



物語としては最高に面白かった!



                    ★★★★★






発行年月:2025年3月


映画『花まんま』の世界を広げるスピンオフ
直木賞受賞作『花まんま』から20年、映画から魂を吹き込まれた新たな感動作!
本書は2025年4月25日に公開予定の映画『花まんま』のサイドストーリー。登場人物の背景にある「もうひとつの物語」を、原作者ならではの視点で描き出し、映画のその先の世界へと、読者をいざないます。
~映画から生まれた4つの物語~
「花のたましい」
… 見えない明日を懸命に生きる駒子と智美。はかなくも美しい友情の行く末。
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
… 幼少期の不思議な体験を昭和の世相に重ねて描くノスタルジック・ホラー。
「アネキ台風」
… こわれかけた家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
「初恋忌」
… 人生の終わりを予感した男の身に起こる、小さな奇跡。感涙必至の好篇!
泣いて、笑って、幸せに。
目次
「花のたましい」
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
「アネキ台風」
「初恋忌」
全4篇。すべて書き下ろし。


                   (文藝春秋HPより)



映画を少し前に見ていたので、誰の物語なのかが、わかりやすかった♪

最初の<花のたましい>は、映画では父親のお好み焼き屋を手伝いながら
自分の夢であるメークアップアーティストの夢のため、頑張る駒子の物語。
映画では主人公・俊樹の幼馴染である。
ファースト・サマーウイカさんが演じていたので、そのまんまの姿が読んでいて
浮かんできた。
病院で看護助手をしている智美から入院患者の女の子(瑠美)のために
彼女が好きなキャラクターに似せたメイクをしてあげてほしいと頼まれる。

数回、メイクをしてあげて、久しぶりにお見舞いに行くけれど、
彼女は亡くなったと聞く。
そして智美も・・・。
そして瑠美の母親から不思議だけど、お人よしの智美らしい話を聞く。


もう、これは泣けた・・・(ノД`)・゜・。
智美、どれだけいい子なんだ~


他の話もよかった。
二番めのは、ちょっとホラー色強くて物悲しい。


<アネキ台風>は、映画で鈴木亮平が働いている製作所の社員・はじめの姉
香りの話。
はじめが白血病にかかり骨髄移植の提供者を探すことに。
はじめには実は血の繋がった姉がもうひとりいる事実を隠してきたが
姉の香織が奔走し、なんとか姉の骨髄移植ができることに


最後の<初恋忌>も感動。
映画では21歳で見知らぬ人に刺殺された喜代美をずっと大切に想ってきた
男性の話。
喜代美が本当に、思いやりがあって良い人だったことが知れてよかった。



どれもすごくいい話でした。



                   ★★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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