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読んだ本の感想あれこれ。
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41rorQigW6L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年9月


絶賛された受賞作に、著者の最新最高の作品を合わせた花束のような短編集!

空港の国際線到着ロビーを舞台に、渦のように生まれるドラマを、軽やかにすくい取り、「人生の意味(センス)を感得させる」、「偶然のぬくもりがながく心に残る」などと絶賛された、川端賞受賞作。恋の始まりと終わり、その思いがけなさを鮮やかに描く「寝室」など、美しい文章で、なつかしく色濃い時間を切り取る魅惑の6篇。


                      (新潮社HPより)

既に発表済みの6編を集めた書なので、「あ、これ読んだことある」という作品もありましたが
こうして順番に読むと、何か共通するようなものを感じた。

<犬とハモニカ>
空港の到着ロビ-に居る人々、それぞれがどういう経緯でここにいるのかが個別に語られる。
そして、飛行機が空港について同じ飛行機に乗り合わせていた人たちが降りてきて
僅かな関わりがあって・・・・。
犬とハモニカもそこに登場。
空港の情景が目に浮かんでくるような楽しさがあった。

<寝室>
5年間付き合った恋人から別れを切り出されショックを受ける文彦。
文彦には妻子がある。
恋人から言われた言葉「あなたはどのくらい困ったひとかわかっていない」
未練が残ったまま帰宅した文彦だったが、帰宅した途端、その気持ちは薄れベッドで寝ている
妻をみて恋人と別れたことに感謝したい気持ちになる。
まったくもって困ったおとこだ・・・・笑

<おそ夏のゆうぐれ>
付き合って半年の男と旅行。
旅行先で男に向かって「食べたい」という。
文字通りの意味にビックリしたが・・・・食べたのはほんの指の皮膚。
ちょっと怖い女。
食べれば自分の一部になっていつも一緒にいる気分でなにも怖くなくなるからと・・・
一番怖いのは、この女だよ~。
でもなんとなくそういう自分も冷静に見ているかんじで更にゾッ。
話としては面白かった。

<ピクニック>
結婚5年の夫婦。
週末は近所の公園に昼食を持って出かける。
ピクニックは妻の好み。
夫がその理由を聞くと「外で見る方があなたがはっきり見えるんだもの」と。
ちょっと不思議なかんじ。
夫もそれを感じるが・・・・この夫婦の今後がちょっと心配。

<夕顔>
付記にもあったが、これは江國流、源氏ものがたり。
儚く美しい源氏のピュアな恋物語。

<アレンテ-ジュ>
ポルトガルが舞台。
ゲイのカップル、マヌエルとルイシュが、リスボンからアレンテ-ジュに旅行。
旅行先で出会った人たちとのことで、小さな諍いが起きるが、仲直り。
町の様子がなんだか面白い。
街頭もまばらな道の壁に一列に並んだ、おばあさん8人は、江國さんがポルトガルに
旅行中、実際にみたそうだ。
どうしてそんな風に並んで??理由がしりた~い!!


どの話もとってもよかった。
たぶん、江國さんの文章が読んでいてとても心地いいからかな?
それぞれの話のなかで、登場する人たちが、身近な人からの言葉や態度から
ちょっとした違和感とか孤独感を感じる瞬間がうまく描かれていた。

いつもながら表題のセンスには脱帽です♪



 
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