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読んだ本の感想あれこれ。
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41n2ia12yoL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年2月

30代後半の主婦ゆかりは、夫と小学生の長男と1歳半の長女とともに、穏やかで幸せな日々を過ごしていた。あの日、不意に運命が暗転するまでは。

生と死をしずかに見つめなおす傑作中篇4作品。
佐川光晴青春の原点ともいうべき、北大恵迪寮を舞台にした「二月」「八月」も収録。


                                   (左右社HPより)


表題作を含む4つの短編集。

「静かな夜」
小学生3年生の息子を交通事故で亡くし、加害青年に判決が下された直後、夫も急死してしまい、幼い娘と2人の生活が始まった宮本ゆかり。

「崖の上」
中学で教師をしていたとき、職場の人間関係に疲れ、かつての優秀な教え子の突然の訃報と精神的に参ってしまい、うつ病を発症した津田五郎。

「二月」「八月」
北大2年のとき、留年が決定した長谷川和郎。
350名が暮らす学生寮の自治会執行委員長として大学当局との交渉に明け暮れた結果のこと。
授業料を稼ぐ為、与那国島のさとうきび農家に向かう。
その後、フリピィンへ。


4つの話(後ろ2つは同じ話だけど・・・)の主人公達の抱えるものは重たい。
特に最初と二番目の話は、本人たちに何ら落ち度はないのに、どうしようもない状況に置かされてしまう理不尽さに胸が痛くなる。

うしろ二つの話は、著者の学生時代のことが元になっているかんじ。
北大出身で在学中は物語の主人公のように寮生活をしていたらしい。
学生と言えど、寮と言うひとつの組織のなかでリ-ダ-的存在になってしまうと、こんな大変な思いもしなきゃならないのかな?なんてよくわからない世界の話なので、興味深かった。

いずれの主人公達も過酷な状況のなかで、ちょっとした気持ちに変化が置きて、前へ進もうとしているラストはホッと出来るものがあった。

しかし、精神的にかなり疲れました。
自分自身が落ち込んでいるときには、読めないかも・・・。

文章は読みやすく頁をめくる速度は落ちないんだけど・・・。



 

★★★

 

 
 
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