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読んだ本の感想あれこれ。
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51ZLXehalkL__SX230_.jpg   発行年月:2011年12月


   私たちは無力だけれど、傍らに立ち、そっと寄り添うことができる。



男の求愛に破滅していく0Lが語る衝撃の表題作。
しだれ桜の下に立つ白い男とは。教会に現れた野生児は神に選ばれし者なのか。
残された日々を生きるがんの父に寄りそう娘の決断は…? 
魂を揺さぶる四編の愛の物語。


                                            (角川書店HPより)


表題作「私の愛した男について」だけ書き下ろし作品で他の3編は、既に発表の作品に多少加筆して1冊の本にしたらしい。

表題作は、一番最初。
妻子がありながら、部下の私に接近し、関係を求める男性・高野。

セックス依存症とか。
う~ん、こういう病気本当にあるらしいけど、その標的にされたらイヤだな。
病気とはいえ、高野には嫌悪感を抱いてしまう。
しかし、それを淡々と受け入れていく主人公の女性の心理がわたしにはわからない。
奥さんからあの人は病気だから気をつけてと忠告されても、関係を続け妊娠。
う~ん。わからない。
好きになってきたということなら少しは理解出来るのだけど・・・・


「幻桜」
知的障害者のみっちゃんと脳性まひの女性の物語。
ともに障害を持ち、意思疎通が困難な二人だけど、気持ちは通じあっていた。
切ないけれど、温かいものも感じた。


「命のつけし名は」
ある日、教会に訪れた不思議な青年。
牧師さん夫婦は、その青年を預かることにする。
先天性の聴力障害を持つ青年は、その病気のため生きていく術を知らなかった。
牧師夫妻が温かい愛情を注ぎやがて、別の場所で暮らした青年の成長ぶりに
じ~んとした。


「森に還る人」
骨折のため入院した病院の医師により肺に癌があることが発見される。
余命わずかなステ-ジまで進行した癌のため、ホスピスに転院することになった父。
ホスピスに入るには、本人への病気の告知が前提。
告知のとき、泣いていた父だが、その後はそんなことを忘れたように明るい表情。

人が死ぬことは避けられないけれど、その最期のときに、自身も周りも納得した末の死が理想的と思う。そういう意味ではこの物語の父娘は、理想的な死を迎えたのかも。
そういう最期を迎えた人の死は哀しいけど、なんだか清清しいと思う。


どの話も読み応えがあり、良かった!


                                        ★★★★


 
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